戦略的いい人残念ないい人の考え方_けーりん 「今年も昇給なしか~。どうせボーナスも期待 できないんだろうな」  給与明細を開いてため息、もう何回繰り返し てるんだろ。  自分なりにがんばってるのになあ。  かなり残業してるし、みんなの業務を肩代わ りしてるし、  後輩に教えるときは、「しっかり者の先 輩」つて思われるように振る舞つてる。  同僚からは「いいヤツ」つて言われて感謝さ れることが多い。  だけど、どうやら自分が、リーダーシップと か、出世とかには向いてないのは、  なんとなくわかる。昔から、カツカツいくの 苦手だし、遠盧しちやうんだよな。  転職は何度かトライしたけど、イマイチな結 果。  そういうわけで、年収は400万円台を行っ たり来たり。車は中古のミニバン。  ただ、そんな自分でも家庭には恵まれて、か わいい子ども3人との時間や、共働きでなんと かa年ローンで郊外に買ったマイホームは一 生の宝もの。  でもコロナ禍で、我が家の仕事・子育て・家 事は回らなくなった。  ふつうの共働きでもカツカツだったところに、 大打撃。  リストラや早期退職を募る危機に、何度ヒヤ ヒヤしたことか。  それに、会社が急に副業の推奨をしはじめた けど、自分に何ができるかなんて、全然わから ない。ぽんと残念なタイプだ(笑)  ある日のステイホーム中、ネットサーフィン していたら、楽しく働いてサクッと稼いで、で もまわりから嫌われず、仲間に大勢囲まれてる 人の存在が目に大った。  とくにすごいスキルやカリスマ性があるわけ ではなさそうで、友達になれそうな雰囲気の 「普通にいい大」つて感じだった。  自分だってよく「いい大」つて言われるのに、 この違いはなんで?  どうしたらその差が埋められるのか、学んで 試す日々を繰り返した。  気づいたら、以前はあっさりしてた上司や取 引先から、すごく重宝がられるようになって、 給与面がぐんと上昇。後輩は、教えなくてもテ キパキ働いてくれて、チームが盛り上がってる。 副業をはじめたらトントン拍子。  あっという間にお金と時間の余裕ができた。  最近は、夢だったキャンピングカーで家族と 移動しながらリモートワーク。  副業仲間と、家族ぐるみで海外合宿も楽しめ ている。  つい最近、会社の同僚からは、こう言われた。  「実はさ、前は、いいヤツだけど残念感あるな、 もったいないなって思ってたんだ。今は、自分 もまわりも損させない道筋を考えてて、本当に いいヤツだな。どうやって変わったのか、その コツ教えてよ」つて。  あなたは大切な人と、どんな未来を描きたい ですか?  いい人と言われるのに、成果や評価が思うよ うにならない人でも  短期間で理想を叶える戦略として、ぜひこの 本を役立ててください。 はじめに  はじめまして、け1りんです。  この本を手に取っていただき、ありがとうご ざいます。  冒頭の主人公は、かつての私や、私のまわり に多い人々の姿です。  そう、「いい大」と言われるのに、いつも ちよつと損している気がするI  そんな人のためにこの1冊を書きました。  私はかつて年収400万円いくのがやっとで した。それが今、3人の子どもを育てながら、 法人2期目で年商5億円(ほぼ粗利)の会社を 経営しています。  この本では、平凡な私……むしろ損しがちな 〈残念ないい人〉たった私か、なぜ短期間で大 きな成果を出せたのか、その秘訣をお伝えしま す。  ポイントは、ちょっとした視点の切り替えで した。すると思考や行動が変わり、自分は得意 な仕事だけをし、苦手な仕事はチームに丸投げ しても周囲からは感謝され、協力者がどんどん 増えていき、立ち上げた会社は2年で年商5億 円までに成長。  お金のことで喧嘩が絶えなかった家庭も円満、 という人生になったのです。  競争が苦手-  人に頼るのが苦手-  いつも損している気がするI  そう感じている人は、この本の考え方を身に つければ、周囲から応援されながら、しかも自 分のほしいものが思いのまま得られます。 「誰とも戦わずに、人の力を借りまくって成功 する生き方・働き方をする人」  「自分だけでなく、最終的にみんながトクする 考え方をする人」  それをこの本では《戦略的いい人》と呼びま す。  あなたがもし、時間をかけているわりに成果 が出ていない場合も、この考え方を知らないだ けかもしれません。  視点をほんの少し変えただけで、今まで時間 をかけてきたことの成果が右倍、100倍に 拡大することもあるんです。  私は、学生時代からくがんばる〉ことが大事 だと信じてきました。  自分ができるようになることが成功への近道 だと考え、苦手科目をなくし通知表の凸凹をな らすようにしてきました。  仕事も、自分の実力が評価されるものを選ん できました。美容師、営業職、フルコミツショ ン(成果報酬制)の仕事……。  でも、競争が苦手な私は、どれも長続きしま せん。  もつと闘争心があれば大成したのかな、なん て思ったことが何度もあります。  実は、その考え方が遠回りでした。  苦手な競争はしなくてよかったことに、やっ と気づいたんです。  そして、「戦わずにトクをする」とっておき の秘訣がわかりました。  さらに時代の変化も追い風です。SNSで、 世界中の人とつながれるようになった今、自分 に能力がなくても、実力がある人とつながれば よくなりました。  ◆スマホとネット環境があればコミュニケー ションが取れる。  ◆作業の多くをA-やシステムが代行してく れる。  いつでもどこでも人とつながれる。そんな時 代に必要な考え方は、  ◆自分がすごくなろうとしないこと。  ◆競争せずに協力者を見つけること。  実力をつけなければ成功も出世もできないと 思っている人や、競争が苦手でいつも損してい るなと感じている人にこそ、この本を最後まで 読んでほしいのです。  自分はすごくならなくても、得意なことをし ているだけで周囲に応援されて、成功も出世も 幸せな家庭もI人生は思いのまま’・  そんな魔法みたいな成功の秘訣が、《戦略的 いい人》になるメソッドなのです。  もう〈残念ないい人〉は脱しましよう。  このメソッドを身につけると、まず人間関係 が飛躍的によくなります。そうなると人の力を 借りられるようになります。仕事が楽にサクサ ク進み、収入も上がります。しかも、まわりに 喜ばれ、自分の仲間もファンも増えていく。  すべて、ちょっとしたことなので難しくなく、 楽しくできます。  私かそれを講座にし、1年で500名以上へ 体系的に伝えたところ、ラクに成果を出せるよ うになった人が続出。  また、イージーモードで人生をうまくいかせ ている人は、何か違うのか。  それは、努力の差ではなくいかに周囲に応援 されるか、でした。  そのためにも、《戦略的いい人》のメソッド はとても有効です。  本書を読んで頭の中(考え方)のモードを少 し変えるだけで、人生も仕事もたちまち波に乗 るようになります。  今までより圧倒的にラクしているのに、結果 は何倍も出てしまう。  そんな考え方です。  ここから、誰でもできる実践法を紹介してい くので、ぜひ取り入れていただき、《戦略的い い人》になっていきましよう。  そして、まわりに応援されながら、理想の人 生を叶えてくださいね。                 け1りん がんばるほど〈残念ないい人〉になって しまう  「こんなにがんばってるのに全然報われない 口」  かつて私は、がんばるほど成果が出なくて苦 しむ〈残念ないい人〉でした。  ◆休みや睡眠時間を削って働いた職場をある 日クビになる。  ◆注目されるのはいつも私以外の誰か。  ◆やっと成果を出せた仕事でも、後輩には教 えられずフェイドアウト。  ◆営業職は、職場内の競争が性に合わなくて 続かなかった。  年齢を重ねるにつれて、仕事をがむしやらに やる気力もなくなりました。 「あ1、結局自分は一生、仕事にもお金にも縁 のない人生を歩むのか……」  こんなフレーズが頭をよぎったことは、数え きれないくらいあります。  仕事をがんばっているとどういう気持ちにな るかというと、  ◆手柄がほしくなり、他人に認めてほしい気 持ちが強まる。  ◆がんばっていない(ように感じる)人を、 心の底では認めなくなる。  ◆すごい人になろう、自分をすごい人に見せ ようとしてしまう。  ◆周囲に弱みを見せられなくなる。  がんばれば、スキルは少しは上がります。で も、がんばってくいい人〉を貫こうとすると、 嫌われることはないけど、とくに好かれること もありません。  だから、後輩たちに指示を出せば、それなり に動いてはくれるけど、人望や尊敬が得られる わけもなく……。 「思い描いていた人生とはほど遠い……」 「こんなにがんばっているのに、なんで……」 「もっとあなたもがんばってよ……」 そんなことを思ったときには、バッドスパイ ラルに突入しています。  認めてほしい、気づいてほしい、と承認欲求 が強くなっていく。  実は人生がうまくいくときは夢中になってい るとき。  がんばっているときではないのです。  何かに夢中なときは、我慢している状況とは 無縁。  努力は夢中に勝てないのですから。  「自分のほうががんばってる!」  夫婦でも「どっちのほうががんばっているか 論争」は喧嘩の鉄板。  我が家も何度も繰り返してきましたが、百害 あってI利なしです。  我慢すると、人にも我慢を押し付けたくなり ます。さらに「自分は、こんなにがんばつてい るのに」と嘆いてる人に、周囲は助けたい気持 ちになりません。  それを知ることが、《戦略的いい人》の第一 歩です。  「がんばることは成功とは無関係」  「がんばるのではなく、まずは自分が夢中にな る」  この考え方に切り替えていきましょう。  そして、成功にはもうひとつ、大事な要因が あります。  それは何でしょうか? 相手を幸せにする「戦略」を立てよう  成功するのはがんばった人ではなく、誰かを 幸せにした人。  これが前ページの答えです。そして、  誰かを幸せにするために、戦略は必要不可欠 です。  ◆会社で出世する人は、お客様か上司か経営 者を幸せにしている。  ◆事業で成功する人は、お客様、関係者、一 緒に働く仲間を幸せにしている。  ◆夫婦関係がうまくいっている人は、パート ナーを幸せにしている。  ◆組織やコミュニティの中で慕われている人 は、主宰者や周囲の人を幸せにしている。  私はそういう人が《戦略的いい人》だと思っ ています。  あなたが、がんばっているのに報われないと 思ったときは。  「誰を幸せにできているのか?」と考えてみま しよう。人を幸せにできると、自ずと協力者が 増えていくことになります。あとの章で詳しく 書いていきますが、協力者の多さと関係の深さ が自分の成功を確実にしていくことになります。  人を幸せにして自分の協力者を増やしていく。 そのためには戦略が必要です。  本当の目的を果たすためには、成り行きまか せではいけません。  戦略立案は難しいことではなく、こんな視点 で考えればOKです。 「どの方法が相手も自分もいちばん幸せにする のか」  例えば自分が伝えたいことを、自分の囗で直 接言うのが本当にいちばん相手に伝わる方法な のか。  誰かに伝えたいことがあつたら、誰の言葉で 伝えたらいちばん伝わるかを考える、これも戦 略です。  わかりやすいのは家族間。身近ゆえに、言わ れたくないことがありますよね。  関係性が、伝えることを邪魔することもある のです。  親に言われたら聞き入れられないことを、例 えば親せきや尊敬する先生や先輩からなら聞く 気になるという経験はあるのではないでしょう か。  会社の上司部下でも身近になってくると話を 聞き入れなくなることもある。  ましてや同期なら、直接注意されたら余計な お世話と思うこともあるでしょう。  そのとき「誰」が言うといちばん気持ちよく 相手が受け取れるのかを考えるのです。  「何を言うか」よりも「誰が言うか」  それを戦略的に考えることで、相手は素直に 受け取ることができて、結局は自分も目的を果 たせるようになるのです。  「戦略」は相手がうまくいくための思い やり  「戦略」という言葉に抵抗感が消えない人は多 いでしょう。ずる賢いイメージや、隠して考え るようなイメージがあるからですよね。  でも私は、戦略は〈思いやり〉と定義してい ます。 「戦略が思いやり?」  と、まだ腑に落ちない人は想像してみてくだ さい。 デートも仕事も相手が喜ぶ思いやりを  例えばデートだったとしたら、戦略的に女性 が喜ぶスポットを予約している男性のほうが女 性は嬉しいですよね。行き当たりはったりの デートでは、準備されていないことに悲しい気 持ちになるはずです。戦略的に準備をしていた ほうが相手を喜ばせられ、おつき合いがはじま り、亘]の目的にたどり着ける確率も高まります。  また、何かの会で自分の意見を採用してほし いと思ったら、意見をただ発言するよりも、そ の会の目的を果たすお手伝いを先にしてからに したほうが、意見を取り入れてもらえる確率は 圧倒的に高いはずです。  相手の目的を先に果たしてあげて、自分の目 的も果たすのが戦略。  人間関係やビジネスにも戦略があったほうが、 結局相手は気持ちよくいられるし、喜んでくれ ます。だから戦略とは、  ◆相手がいかに喜んでくれるか  ◆スムーズに目的にたどり着けるようにする か  を考えること。だから「思いやり」なのです。  その結果、自分にもトクがあるという大きな 流れを私は意識して設計しています。  ただしそのとき、短期的な目線で見すぎない ことがポイントです。  がんばるのではなく、相手が喜ぶことを考え る、相手の目的達成を手助けする。  ビジネスで言えば、必要な人が迷わず商品に たどり着ける道を設計することだったりするの です。例えば、選択肢はあらかじめ絞って選び やすくするなど。  いかに相手を迷わせないかも、思いやりのひ とつ。  戦略という言葉になんとなく抵抗感があるの なら、今日から〈戦略〉を〈思いやり〉と言い 換えてみましよう。 PO-NT 戦略は、楽しいデートの準備だと 考えてみよう がんばらなくていい、人の力を借りてみ よう  私の視点を大きく変えてくれた言葉がありま す。 「成功したいなら、自分ががんばるんじやない、 いかに人の力を借りるかがすべて」  ベストセラーとなった著書を持つ小田桐あさ ぎさんの言葉です。  この言葉を聞いたとき、「そうなの?」と半 信半疑でしたが、思い起こせば私も人生でうま くいったときは誰かの力を借りられたときでし た。  私は20代の後半、組織力が必要なフルコミツ ションの仕事をしていました。  自分の業績を上げることはそれなりにできた のですが、それを人に教えることや組織を発展 させることはとても難しく感じていました。  私か一時的に業績を上げられたのは、ちょう どいいタイミングに、力のある人たちが私のポ ジションを引き上げてくれたからであり、自分 の実力だけではありませんでした。  その結果、長くはうまくいかず、「実力が 伴っていないから教えられないんだ」と苦しん でいたのです。できない自分を見られたくなく て、結婚を機にその仕事から離れることになり ました。中途半端になってしまった罪悪感をか かえたまま、私は10年近い月日を過ごしていた のです。  その経験から、人にがんばってもらうより、 自分だけが結果を出せばすむ世界のほうがラク に思えたのです。そこで30代は、自分ががん ばった分だけ数字に反映される営業職に就きま した。  しかし、自分ひとりの実力などたいしたこと なく、個人の数字競争に苦手意識があり、数字 を上げ続けることは難しく、その世界でも長く 続けられませんでした。  そして、「成績を上げたい!」とか「トップ になりたい!」という欲求が自分には薄く、競 争が苦手なんだと改めて気づいたのです。  ますますどうしたらいいかわからなくなり 「何かで大成したい」という思いを捨てて日々 を過ごしたほうがラクに思えました。でも、私 には「自分を諦めたくない」という気持ちもあ りました。  そんなときに、小田桐さんの言葉でパラダイ ムシフトが起きたのです。  「自分だけでがんばろうとしていたから、うま くいかなかったんだ。人の力を借りてうまく いっだのは、邪道じゃなくて王道だったんだ」 と!  ここから私の「どうしたら人の力を貸しても らえるのか」を真剣に考える囗々がはじまりま した。 協力者が現れるのは、こんなとき  では、どうすれば人に力を貸してもらえるの でしょうか。  結論から言うと、現在の私に協力者が多いの は「ブリッジの視点」があるからです。  ここでいう「ブリッジ」とは、つなぐこと。  Br・-dgeの頭文字「B」を使い、その視 点のことを「B視点」、  その視点を持った〈橋渡し役〉を「Bポジ ション(Bポジ)」と呼んでいます。  具体的には、  ◆人と人をつなぐ。人とモノとをつなぐ。  ◆人や組織の価値を言語化する(T‐UPす る)  ◆組織全体の成功を考えて行動する。  ◆上司(主宰者)や部下(参加者)が発言し にくいことを代弁して橋渡しをする。  ◆誰かがシュート(成約など)しやすいよう にパスを出す役割をする。  などの役割を持っている人のことを定義して います。  過去を振り返ってみても、私かうまくいった ときはいつも、「B視点」で考えているときで した。  例えば、上司の前では部下の貢献を語り、部 下の前では上司をT‐UPする。それだけでも 組織は円滑になるのです。  逆に、それを忘れるとうまくいかなくなった のです。 PO-NT「ブリッジの視点」を持とう  「B視点」は、人がいる限りどんな組織でも使 える視点です。  会社、コミュニティ、PTA、家族など大小 関わらず。  具体的には、組織全体の目的を果たすことを 第一に考え、人間関係が円滑にいくようにブ リッジする。価値が伝わるようにT‐UPする。 言いにくいことを代弁する。誰かがシュートし やすいパスを出す役割をすること。  そんな「Bポジ」をしていると周囲の人から 必ず感謝され、組織の重要な役割が回ってくる ようになります。  うまくいっている天は、意識している・して いないに関わらず、みんなこの視点を使って考 え、行動しています。組織ではトップの存在が 目立ちますが、トップは必ず「Bポジ」の大た ちに支えられていて、「Bポジ」を必要とする のです。  人の協力を得たいなら、まず自分が今いる組 織に「Bポジ」として貢献することからはじめ てみましよう。  「B」&「イージーモード」で短期間に 大きな成果  これまで私かどのように「Bポジ」として貢 献してきたかというと、会社員時代は身近な上 司の売上貢献のために後輩たちのフォロー役を したり、フリーランスになってからの仕事のひ とつは、ある事業主Yさんのブログを代わりに 書くことでした。  コンサル業や経営塾主宰をされていたYさん は、話をするのは好きだけど文章を書くのは面 倒というタイプだったので、私かインタビュー と執筆の役割を担当。  そのブログは「Yさんの考え方に触れた人が 興味を持って、塾生になる」ということを目的 としていました。私はそれを意識し、業務の範 囲を超えたお手伝いや提案などもしてみました。  Yさんは、私にとって師匠のような存在でし たが、次第に私はYさんの塾をまかせてもらえ るようになり、今ではすべてを引き継がせても らっています。  貢献して「信頼された」から、師匠からその ような重要な仕事をさせてもらえる結果になっ たのです。  それからは、例えば誰かのプロジェクトに参 加したら、参加者の立場でも「もし主宰者の手 が届かないところがあればフォローしよう」と 考えることにしました。  まずは自分がかんたんにできることから。  例えば、情報に追いついていなさそうな大が いたら声をかけたり、イベントで一緒になった 人同士が仲良くなれるようにつないだり。  とあるプロジェクトの進行中、「私の経験が 役に立ちそう」と思うことがあったため、無料 でノウ(ウをシェアする機会を設けました。  私か伝えたエッセンスはとても喜ばれ、成果 を出す人が増えて感謝されました。  主宰者にも参加メンバーにも喜んでもらえた のです。  このことも、自分にとっては大変な作業では なく、「長年やってきたことを話せる機会に なって嬉しい」くらいの気持ちでした。  その後、主宰者の予期せぬトラブルを助けた ことがきっかけとなり、運営側として一緒に仕 事をさせていただくようになりました。  大きな組織の中で私か周囲に理解されたのは 「組織全体の役に立つ視点」で動いていたから だと思います。  その組織で最大に貢献していくことで業績に 貢献することができ、他にも大きな組織からお 声がけいただく機会が増え、私の会社は、仕事 も売上も増加。急成長していったのです。  難しそうと思うかもしれませんが、そんなこ とはありません。  次の図表が、このメソッドを身につけるため の「イージーモード3原則」です。次項からこ の3つを具体的に見ていきましよう。  「先出しのG-VE」でほしいものが手 に入る イージーモード① 人に頼り、お願いする  あなたは、どんなときに人に力を貸したくな りますか?  それは、今まで力を貸してくれた人が困って いるときや応援者が必要なときではないでしょ うか。  人というのは「もらいすぎることができな い」ので、「返報性の原理」と呼ばれる心理作 用が働き、「返したくなる」と言われています。  つまり《戦略的いい人》になるには、相手が ほしいものを先に差し出すこと=「先出しのG -VE」を習慣にすればいいのです。  スーパーでの試食販売を思い浮かべてみてく ださい。「試食していってくださ1い」と呼び かけて先に無料で提供していると、おいしいと 感じた何人かのお客さんは買ってくれますよね。 もちろん買わない人もいるけど、それでいいん です。  「返報性の原理」を信じた人だけが、人生でト クをするようになります。  相手のほしいものを先に渡すIそれが《戦 略的いい人》です。  難しく考えてしまう人が多くいますが、次の こともその一例。  ◆人に笑顔で接してほしいなら、先に自分が 笑顔で話しかける。  ◆人前で話をする際、いい反応がほしいと 思ったら、先に自分がいい反応をする。  ◆自分が話をしたいと思ったら、先に人の話 を聞く。  ◆応援してもらいたいなら、先に人の応援を する。  ◆紹介してほしいなら、先に紹介する。  このように、自分にはかんたんなことで、大 に喜んでもらえることはたくさんあります。  私の講座では、次のようにお伝えしています。  ◆みんなで自己紹介するときは、聞くほうに 意識を向けよう  ◆誰かが話しているときは、話しやすいよう に大きくうなずこう(オンラインでも)  ◆かんたんに手伝えることがあれば、率先し て手伝おう  先に貢献すると紹介される人になります。  難しくないことで相手は喜んでくれるので、 やらない手はありません。  相手が喜ぶことを先に出す。これを習慣にす ると、必ずいいことが返ってきます。本人から ではないかもしれない、それを見ていた誰かか らかもしれない。  コツは、小さなことでも習慣にしてしまうこ と。  先に出したことすら忘れてしまうくらい習慣 にするのです。  私は、相手から先にもらってしまったら、 「しまった!」と思うことにしています。それ くらい〈先に〉を意識しています。  ポイントは  ◆もらう側からすれば、誰もが潜在的にほし いもの。  ◆渡す側からすれば、お金も時間もかからな いもの。  慣れてきたら「相手にとって、ほしいタイミ ング」で出してみましよう。  〈言葉かけ〉などは減るものではないので、 出し惜しみなどせず、みんなに渡しまくること です。  それがいつか、とてつもなく大きな感謝に なって返ってきます。  そして、自分のことを好きになってもらえま す。  すると、人の力を借りることが圧倒的にかん たんになるのです。 我慢と遠慮をやめればずっと親切になれ る  「いつも先出しのGIVEをして、親切でい るつて疲れませんか?」  こんな質問をよくいただきます。人へ親切に しても疲れないためには、まず自分が幸せにな ること。自分が満たされたら、溢れたものを自 然と誰かに注ぎたくなります。この「シャンパ ンタワーの法則」を理解しておくことが大事で す。  犠牲心と《戦略的いい人》は、まったく別物 です。自分が空腹のときに食事を人に分けるこ とは難しくても、自分が満腹であれば分けるこ とはかんだんです。 《戦略的いい人》でいるために、自分で自分を 満たす方法を知っておきましょう。  私も、自分を満たすことは忘れません。疲れ ることはなるべくしません。好きなものは食べ るし、遠慮もしません。早く帰りたいとかも、 平気で言います。  今はこんな私ですが、〈残念ないい人〉たっ た時期は、相手に合わせたために最終的には疲 れ切ってしまう遠慮がちな人間でした。  例えば、新しい大と集まる食事の席では、メ ニューを選ぶ段階から遠慮がちで、取り分けに 気をつかい、自分の皿には具がなくなってし まったこともありました。  話す尺にも気をつかい、人の話をさんざん聞 いて、やっと話せるかなと思ったら、その場が 別のことで盛り上がりはじめた。つまらないか ら帰りたいと思っても、言い出せない。それで 疲れてしまい、もう行くのをやめようとなるわ けです。  これは、自分が我慢しているだけで、結局誰 のことも幸せにしていなかった。  だから、今は自分のリクエストは遠慮なく伝 え、自分が楽しみながら人に親切にすることを 心がけています。  それでも人間、疲れたリイライラしてくるこ とはありますから、ちょっと疲れたと感じたら 黄色信号を灯して解消します。  1 ひとりになる  2 マッサージに行く  3 おいしい食事とお酒を楽しむ  4 子どもと一緒に21時に寝てしまう  これは私のイライラ解消法ですが、聞けば人 それぞれ、いろんなやり方があります。参考ま でにいくつか挙げておきますので、試してみて ください。  ◆温泉に行く  ◆森林浴へ行く  ◆映画を観る  ◆運動をする  ◆漫画を読む  ◆カラオケに行く  ◆昼寝etc.……  疲労の迅速な回復を心がけるのも、意外と大 事な戦略なのです。  私は、人と関わる仕事をしているので、疲労 により感情的になってしまうことで人間関係に 大きなダメージを受けることを知っています。 また私は人前で話す仕事も多いのですが、疲れ たままだと人に孑孑ルギーを分け与えることは できません。  だから、コンディションを整えるのは最重要 項目。  持続可能な《戦略的いい人》は、我慢をしま せん。  疲れていると人に親切にするのは難しいので す。  冒頭の質問をしてくださる方つて、本人がお 疲れなんだと思います。  まずは自分の疲れを取り、自分が楽しむこと に徹する。そうしたら人に共有したいとか、一 緒に体験したいとか……そんな発想が芽生えて くるものです。 しつかり受け取つてますか? G-VE のお礼  「先にGIVEしてるのに返ってきてませ ん!」、そんな嘆きをよく相談されます。  そんな人に見直してほしいことがあります。 1 本当に相手が求める内容だったのか。 2 自分が感謝の受け取り拒否をしていないか、 遠慮しなかったか。  実は、この2でつまずいている人がとても多 いのです。「そんなつもりじゃないんです」「い えいえ」などと反射的に言ってしまう人は、要 注意。  「いえいえ」↓「いいんですか? 嬉しいで す」と、囗ぐせを変えてみましよう。  相手がお礼をしたいと思ってくれたタイミン グで、しっかり受け取ることも、《戦略的いい 人》の大事なポイント。  戦略的いい人は受け取り上手です。 1 受け取りを拒否しない 2 喜んで感謝する  相手が返したいと思ったときには、しっかり 受け取って喜ぶ。そのほうが相手も嬉しいはず です。これを意識するだけで、相手はもっと渡 したくなるので、縊れるほどの〈返礼〉が届き ます。  この受け取りができないと、〈残念ないい人〉 で終わってしまうのです。 PO-NT 口癖を「いえいえ」↓「いいんで すか? 嬉しいです」に変えよう 反射的な受け取り拒否をしない、させな い  繰り返しますが、《戦略的いい人》は、人に 渡し上手なだけでなく、自分も受け取り上手で す。さらに言うと「受け取らせ上手」でもあり ます。せっかくすてきな言葉をもらっても、反 射的に返してしまう人が多くいます。しっかり 受け取りましよう。そして、しっかり渡しま しよう。どちらも相手を喜ばせることなのです。  意識してみてほしいのは  ◆自分が反射的に受け取り拒否をしていない か  ◆相手も受け取りべ夕なだけではないか  ということ。自分が受け取り拒否しがちな場 合は、 「すみません」より「ありがとう」 「いえいえ」ではなく「嬉しいです」  こういうように喜びを表現すれば、自分にも 嬉しい言葉がたくさん集まるようになります。 これは反射行動ですが、訓練で変えることがで きます。 受け取ってもらいやすい言葉を選ぼう  もうひとつ心がけたいのは、日本人の多くは 反射的に遠慮しがちなので、相手がその瞬間に 受け取りやすい言葉を選ぶこと。  私は人から話しかけられたとき、語尾が質問 形だと、咄嗟に「大丈夫です」と答えて後悔し がちでした。そのため自分から言うときは、 「~ですか?」ではなく「~ですね」を使うよ うにしています。  例えばレストランでお皿に取り分けるとき。 「取り分けましようか?」ではなく、「取り分け ますね」のように言えばいいわけです。  また、駅構内で大変な思いをしてベビーカー を押している人を見つけたとき。  「手伝いましようか?」と話しかけたら、「大 丈夫です!」と咄嗟に答えられたことがありま す。ちっとも大丈夫そうじゃないのに。  そんなときは、「手伝いますね」と言うよう にしたら、すんなり受け入れてもらえました。  ちなみに私は、言うのと同時くらいに、もう 次の動作に入ってしまいます。  するとさらに、受け取ってもらいやすい。  ささいなことですが、かける言葉ひとつで反 応が変わるので試してみてください。 かんたんなことは自分で、難しいことは 誰かに  自分にとってかんたんなことで貢献する。こ れが組織づくりでいちばん重要なことです。 だって、苦手なことを一生懸命やったって普通 にしかならないけど、好きなことや得意なこと なら、どんどん上手になっていくもの。  自分にとってかんたんなことだと「こんなこ とでいいの?」と思いがちですが、それを難し いと思う人もいますよね。逆もしかり。  私は話すことや場を仕切ることは得意ですが、 資料をまとめたりお金の計算をしたりするのは 苦手。でもそれを得意とか大好きと思う人もい るのです。  前著『主婦業9割削減宣言』(中央公論新社) でも書いたのですが、家事は私にとって難しい ことでした。それを楽しく仕事にしている人や 家電にお願いして、自分は得意なことで貢献す る、というのが考え方の原点です。  自分が苦手なことを人にお願いすると申し訳 ないと思ってしまう人が多くいますが、それを いともかんたんに、しかも喜んでやってくれる 人がいるわけですから、素直に頼ってしまいま しよう。  逆に、自分にとってかんたんなことでGIV Eできるときはチャンスです。  できるときに恩を売っておけば、自分にピン チが訪れたときに、その人に救いの手を求めや すくなります。困ったときに助けてと言える人 がいれば、日々の不安は消えるもの。私は、恩 を売れるような場面に出くわすと「チャンス」 と感じます。  「B視点」で言うと、自分では解決できないよ うなことは、解決できる人をつないであげるだ けで双方から感謝してもらえます。あなたも中 継地になってみましよう。 頼った人の手柄を周囲に伝えてますか?  私かうまくいっていなかった残念な期間は、 自分の能力不足を指摘されることがいちばん怖 かったので、〈できるふう〉を装っていました。  でも、〈できるふう〉を装ってもいいことな どなく、自分のいたらなさを開示しないかぎり、 助けてくれる人は現れないことに気づきました。  そこで開き直り、「うまくできません」と自 己開示して、「どうしたらできるようになりま すか」という相談ベースで徹底的に人に頼るこ とにしました。  実際、自分が過去どんなときにやる気が出た かを考えてみたら、上司や誰かから頼られたと きだと思い出しました。相手のやる気を引き出 すためには、自分が頼ることに振り切ればいい ということに気がついたのです。  私は、〈すごい人〉を目指すことをやめ、さ らに次のように「B視点」を活かしました。こ れは、イージーモード3原則の⑦を実行するこ とに他なりません。 イージーモード⑦ 人の手柄を周囲に伝える  頼って相談した相手がやる気にさえなってく れたら、あとはおまかせして、できたものを喜 ぶようにしたのです。  さらに、その実績を自分のものにせず、  「●●さんが発案してくれました」  「●●さんがつくってくれたものです」  と周囲に伝えていきました。  ここでは「Bする」(橋渡しする)ことだけ を意識すればOK。  「これは、この人がやってくれたんですよ、す ごいですよね」  「そのことについては、●●さんに聞いたら詳 しいですよ」  そうやって頼った人の「自己重要感」を満た し、役割をつくっていきます。人は尊敬された いし、自分の話をしたいもの。ひたすらその きっかけづくりをすることを心がけたのです。  「●●といえば●●さん」-そんな専門性と いう肩書きを持った人は、責任感を感じてがん ばってくれます。  私は会社関係者の中で人を育てたり教えたり はほぼしていませんが、草木が土と水と栄養が あれば勝手に育つのと一緒で、その人は私の手 を離れたところで勝手に成長していくことを実 感しました。  このように人にポジションを渡すことで、そ のテーマに関する質問はそちらに行ってしまい、 自分にはほとんど来なくなります。  その分、他の仕事をする時間ができます (笑)  例えば、私はパソコン操作も資料づくりも苦 手です。  ですから、そういう質問が来たら、  「WEBの質問なら●●さんに聞くといいよ」  「資料については●●さんが得意だよね」  と運営陣につなげます。  また、私は持論を話すのは好きだけど、人の 悩みを親身に聞けるタイプではないため、フォ ロワーさんが個別に親身に聞いてほしい場合は、  「●●さんがおすすめですよ」  と紹介してしまいます。  こうして「B視点」で大を紹介したり、仕事 の一部をお願いしたりして、やってちらったら 感謝してその気持ちを言葉にします。  相手の「自己重要感」を満たしつつ、相手に 役割をお渡しする。  そうすることで、組織内に頼れる人が増えて いき、自分の作業量は増えずにすむという〈一 石三島〉みたいな効果が生まれるんです。  これが2年で年商5億円の会社をつくった基 本戦略です。「自分がトップになりたい」「でき る人だと思われたい」「注目されたい」とやっ ていたら、今の規模になるわけがありません。  人の手柄として語ると、周囲からはくいい 人〉に思われ、さらに自分の労力を大幅に減ら すことになります。《戦略的いい人》は、ずい ぶんトクをするのです。  その逆が、人の手柄を取ってしまうこと。一 時的に昇格しても長続きしません。  そんな人のことを「あれオレ」なんて揶揄す る言葉があるようです。  人の手柄を奪うのはやめましよう。 PO-NT 手柄は大に渡していこう。「あれ オレ」には注意。  「T‐UP」で相手の自己重要感を満た していこう  先はども書いたように、私か日々意識して人 に渡しているのは「自己重要感」です。  それは誰もが潜在的にほしいと思っているも の。  上司、部下、同僚、宗族、親戚……誰でも。 有名も無名も関係ありません。  「自分は重要な存在でいたい。そう感じていた い」という相手の心を満たす言葉をかけ、行動 する。それを心がけましよう。  B視点で、相手の「自己重要感」を満たす行 動をすることで、感謝され、自分のことを好き になってもらえます。結果、人の力をとてつも なく借りやすくなるのです。  例えば、実績がある経営者でも、「自分はす ごい実績のある社長です」と自己紹介する人は あまりいませんよね。そういうとき、代わりに 紹介してあげると喜ばれます。それは社長の自 己重要感を満たす行動になりますし、聞いた人 たちも、教えてもらえてよかったと思うでしよ  さあ早速、まわりに対して「●●さんはこん な方だよ」とか、「●●さんがあなたのこんな 話をしてたよ」など、本人が言いにくいこと、 相手に伝えたら喜ばれることをいつでも「B」 していきましよう。  また、スタッフとして仕事をしてくれた人の 存在が、いかにそのプロジェクトを遂行するの に重要だったかということを、まわりの大に伝 えてみましよう。それは裏で仕事してくれた大 の「自己重要感」を満たすことになり、必ず感 謝されます。  たくさんの大がいる会場でポツンとしている 大がいたら、声をかけてみましよう。そして、 仲良くなれそうな人の輪に連れて行って、紹介 してあげてください。その会場にいることの重 要感を感じて、感謝されるはずです。  相手の「自己重要感」を高めるとつておきの 方法は「T‐UP」です。  営業職だと研修でたたき込まれることがあり ますが、一般的にはあまり知られていない言葉 かもしれません。  「T‐UP」とは、相手の価値を言葉にして第 三者へ伝えてあげる「価値づけ」です。  それだけで、驚くほど喜ばれるはず。  「Aさんは●●業界でとても活躍されている方 なんですよ。今日はお会いできてラッキーです ね」  とAさんのことを知らないCさんにお伝えし たら、Aさんも話しやすいですし、Cさんに とっても自分はラッキーと思えて嬉しいですよ ね。   価値を言葉にして人に伝えることができると、 大と大が喜んでつなかつていきます。誰もがほ しい「自己重要感」を先に相手に渡すのです。  私かこのことを伝えた人の中に、以前は「成 果を出せばいいんでしよ’・」と上司にたてつい ていたという女性がいました。彼女が社内で T‐UPを実践したところ、職場の雰囲気がよ くなり、自分の希望が通りやすくなった、と変 化を実感しています。  まず自分が先出しをすることで、結局は自分 がいちばんトクをする。  これが《戦略的いい人》です。 PO-NT 相手の価値を言葉にして、誰かに 伝えよう  「T‐UP」で仕事も人間関係もすぐ良 好に  繰り返しますが「T‐UP」はすべての人間 関係に使えます。社内の人だって夫婦だって親 子だって親族関係だって相手がほしいのは自己 重要感なのですから。  「T‐UP」を自在に使えるようになると、  ◆仕事が円滑に勦くようになる  ◆人間関係が良好になる  という効果がすぐ手に入ります。これは相手 を選びません。そして  ◆影響力のある巨人から力を借りやすくなる  という効果も期待できます。なぜなら、前述 したように、影響力のある人であってもT‐U Pされたいと思っているからです。 イージーモード③ 巨人の肩に乗せてもらう  ここからは、私か巨人の肩に乗れるように なった、気づきをお伝えします。  コロナ禍の2020~2021年に、「クラ ブ「ウス」という音声ベースのSNSが大流行 しました。各界の著名人までもがこぞって参加 し、そこで新たなスターも生まれました。  そのSNSが独特だったのは、自分のことを 話す人よりも「聞いてつないでT‐UPするモ デレーター」に注目が集まったことです。  そして著名人は優秀なモデレーターがいる 「トークルーム」に参加している傾向がありま した。  なぜなら紹介やT‐UPしてもらえるからで しょう。  ある界隈で有名な人も、別の界隈では知られ ていないというのは、よくあること。  例えば、その人たちだって何か目的があって そこに参加しているはずですよね。もちろん単 に会話を楽しんでいるかもしれないですが、自 分のサービスを知ってほしいとか、SNSを フォローしてほしいとか、何かしらの目的があ るわけです。  それを代わりに伝える役をして、ちょっとだ け手助けしてあげればいい。  私はそう考えたのです。  「●●さんは、こういうことで活躍されている 方なんですよ!」  「この前の●●さんの投稿、面白かったです ね!」  「うちの子が●●さんの手がけているYouT ubeが大好きで!」  こういう匸言を入れるだけで感謝されるわけ です。  そう、相手がシュートしやすいようにパスを 出してあげるイメージです。  著名な人も自分の紹介や宣伝を代わりにして くれる人には、感謝の気持ちが膨らみます。  実は私も当時、1冊目の出版を控えていて、 認知を広げようと参加していました。  でも、まだ自分の書籍は発売前でしたし、人 の紹介や宣伝役に回るのに徹することに。  そうしたら、みんなからたくさん感謝されて、 私か出版したときにはかなり応援してもらえた のは、嬉しい出来事でした。  会社でも同じです。上司が普段から部下のこ とを考えてくれていることを、代わりに伝える 役目をするのです。上司がシュートしやすいよ うにパスを出しましよう。  こういった経験や基本姿勢が、いずれ巨人の 肩に乗ることにつなかつていきました。詳しい 方法は後々ご紹介していきますね。 PO-NT 誰かがシュートをしやすいように、 パスを出して手伝おう 競争が苦手な人は視点をこう変える  「競争が苦手だから自分は成功できない」と思 い込んでいる人は多く、まわりからもよく相談 されます。  その人たちが成果を出すのはどういうときか。  それは自分の結果が組織のため、誰かのため になると思えたときです。  競争をがんばれない人は「自分が成果を上げ ることで誰かをトクさせてあげられないか」と 考えてみるといいでしょう。  私の場合も、法人化して1期目で売上1億円 以上を達成できたのは、それが理由でした。 「1期目に売上1億円を達成した」場合、その ストーリーで貢献できる人たちの顔がたくさん 思い浮かんだからです。  自分を引き上げてくれた人たちへの最大のお 礼は、わかりやすい結果を残すこと。自分を応 援してくれる人への貢献も、わかりやすい結果 を出すこと。  その際、人が語りやすいストーリーをつくる ことで周囲の人たちもトクするようになります。  すると、競争ではなく「貢献する気持ち」で 自分の目標に邁進できます。  はたから見たら、私は競争して勝ってきたよ うに見えるかもしれませんが、私は今も競争が 苦手です。だからこそ、自分たちのつくる数字 が、誰かの役に立つと思って、いつもいい数字 をつくることに集中しているのです。 まず誰を先に勝たせるかを考える  自分が勝とうとして動いても、うまくいかな い人が多くいます。だいたい、何年もの実績を 持っている人と同じ土俵で戦っても、勝ち目は ありません。  幼いころから競争が苦手たった私は、会社に 人ってからも、同期との売上競争などが苦手で した。  負けん気で昇っていく人や、競争することで うまくいく人もいるでしょう。  ただ、私は競争心で動けないタイプなので、 私に競争心をふっかけてあおってくる上司は、 部下である私のやる気を確実に削いでいました。  そこで私は考え方を変え「団体戦で勝とうと する考え方」を身につけました。  メンバーの誰を先に勝たせるかが勝負です。 誰が先に勝てば組織全体が勝ち、多くの人がト クできるかを戦略的に考えるのです(もちろん、 その適役が自分という場合は、私かその役を担 うことにします)。社内だったらそれが誰かを 考える。  起業してからは「影響力のある組織を圧勝さ せること」も意識しました。私の場合、起業初 期は、自分自身のコミュニティ運営をしながら も、すでに有名だった小田桐さんが主宰する講 座の発展に全力を注いだのです。  そうすることで喜ぶ人が増え、結局自分の組 織もトクをできるという筋書きです。  私か自分のことで努力するよりも、影響力の ある人をお手伝いして圧倒的な成果を出すほう が、大きなことを実現できますし、自分の影響 力も上がります。  つまり、自分が勝とうとするよりも、勝てそ うな人が圧勝するのを手伝うほうが〈戦略的〉 でありくいい人〉にもなれる。敵もつくらない し、感謝しかされません。  そのひとつが小田桐さんの著書で10万部を目 指す販促プロジェクトでした。そんな偉業を達 成できるのは、いま彼女しかいない。自分では 経験できないことを「できそうな人が叶える」 のを全力で応援すれば、本人はもちろん出版関 係者、さらに講座生全体に大きなメリットがあ ると思いましたし、その書籍により彼女の考え 方に触れて救われる人がたくさんいる未来が見 えました。  結果、その著書『女子とお金のリアル』(す ばる舎)は発売2ヵ月で10万部を超えるヒット 作に。そのお手伝いができたことはとても嬉し かったですし、彼女の周囲にも、もちろん私の 周囲にもいいことが降り注いできました。  さらに、私か今回の本を書かせてもらえる機 会をいただけたのも、間違いなく先に全力で応 援したからなのです。  自分がいつか叶えたいことは、先に人が叶え ていく応援をしましよう。  その経験こそが、自分にチャンスが来たとき の土台になるからです。  また、組織内で起きる「抜擢」も、組織全体 が勝つための必要要素です。  それを贔屓ととらえる人もいますが、組織の 中に新しいスターを生み出すことは、組織の発 展のためにとても重要です。  成果を出せそうなタイミングの人にしつかり 成果を出してもらうことが、全体のパワーを底 上げした光景を、私はたくさん見てきました。  誰かが結果を出すことをねたんだりせず、 「組織全体、そして業界全体を底上げする大」 だと思えば、いま結果を出せそうな大を応援で きるようになります。  自分の番が来たらそれに乗ればいいし、その ときはたくさんの人の力を借りることができま す。  最初は人を応援することからはじめてみる。 そのほうが結局早い。  いつだって自分が先に貢献することでしか状 況は変わりません。  自分が目立とうとするのではなく「全体益」 を考えられる人は絶対に必要とされます。そう いう人は、いつか必ず引き上げてもらえる。競 争が苦手なら、それを逆手に取って、「全体で 勝つにはどう動いたらいいか」という戦略でい きましよう。 「仲間や関係者の利益を考える」と大き く稼げる  私かこの数年で大きな売上をつくれるように なったのも、自分の生活レベルを上げたいとい う欲求を超えて、「仲間や関係者の利益を考え る」ようになったからです。  自分のためにがんばるのは苦手でも、誰かの ためならがんばれるというタイプの人は多いで すよね。  また、稼ぐことへの抵抗感がある人は、次の ような発想の転換をおすすめします。  ◆仲間や関係者をもっと豊かにできる  ◆人に役割や居場所をつくることができる  といっても私も最初は、自分の生活レベルを 上げたいというのが起業の動機でした。  でも自分のためにがんばるというのは、すぐ に諦めたくなって、モチベーションの維持が大 変に感じたのです。  そしてあるときから、「組織全体が豊かにな るために自分の役割を全うしよう」と思うよう になりました。  稼いだお金で好きなものを買えるようになる のも嬉しいけれど、いつも貢献してくれている 人にお金を払ったり、一緒に新しい体験ができ るようになったり、困っている人に寄付できる ようになったりするのは、もっと喜びが大きい。  このようにお金の使い道を考えるだけでも、 モチベーションが上がったり、稼ぐことへの抵 抗感がなくなったりします。  実際、私の会社が売上を伸ばすことで、豊か になった人がたくさんいるのですから。 自分より能力が高い人の力を借りよう  カリスマ性がなくても、突出した能力がなく ても、見た目が普通でも、大きく成功する戦略 があります。  会社員が出世するのにも、自分かりIダーで 組織を運営するのにも、すべての人に役立つ方 法です。  それは、「能力のある人たちの力を借りる」 ということ。  私か驚くようなスピードで成果を出せている 秘訣でもあります。  そう、私自身の実力がこの数年間でかなり上 がったのかといえば、決してそんなことはない んです。オンラインの配信で話すことなど、 日々繰り返していることは多少うまくなりまし たが、今でもプロから見たらツツコミどころ満 載でしょう。それ以外のことに関しては、むし ろできないことが増えた気もします。  ここからは、私か力を借りた例を紹介します。  私か代表をしている株式会社ライフキャリア c・lrclpりは、能力の高い協力者がたくさん います。  例えば、組織の立ち上げ時から関わってくれ ているメンバーの2人は、まさに私より仕事が できる大たち。  大手企業で管理職をしながら可視化物の制作 ディレクションをしてくれている女性Mさんと、 インターネット業界で長年仕事をしているWE Bマーケターの男性Sさんです。この2人の動 きや人柄を見た大からは、「こんな大がうちの 組織にもほしい」とよく言われます。  また、私かこのメソッドを教える講座で、初 期から支えてくれている講師陣やその後増えて いくサポーター陣に対しても、「こんな人に応 援されたい」といつもまわりから羨ましがられ ています。  私はなぜ、そんな人たちの力を借りることが できるのでしょう。  〈残念ないい人〉にありかちなのは、仕事関係 者やチームメンバーを自分が育てようとしたり 仕切ったりするパターン。  ここでは逆の発想をしましよう。自分より力 がある人に協力をお願いするのです。  そうすれば「教える」「育てる」ということ もなくなります。 《戦略的いい人》は、「助けてほしい」という 発想で、プロジェクトの声かけ、運営をしてい きます。その代わり得意な部分は自分が誰より も全力でやります。  具体的なステップは次図をご覧ください。  カギになるのは「相手にその気になってもら う」こと。  そのためには、上から指示を出さずに頼って お願いするほうが効果的なんです。  ただし、目標やビジョンだけは自分がしっか りと語る必要があります。  どうなりたいかを伝えない限り、相手は手伝 いようがありません。  手伝いやすければ、人は手助けをしてくれま す。  指示命令で部下や組織を管理しようとしてい る人がいたら、今すぐやめて前ページの基本ス テップを試してみてください。  相手が部下であっても、自分より優れている ところが必ずあります。  その部分で力を借りましよう。 《戦略的いい人》は、「大志はあるけど自分で は実現できない人」でいいのです。  むしろ、微妙にできたとしても「自分ではや らない」という選択をとって、周囲の人に出番 をつくりましょう。  実はこれも、相手の「自己重要感」を高めま くる《戦略的いい人》の基本です。 PO-NT 目標やビジョンを語つたうえで、 助けてもらおう 隙を見せると慕われて応援してもらえる  「け1りんが主宰するプロジェクトは、隙があ るからこちらに出番が回ってくるんですね」  あるメンバーが、そう言っていました。  不完全なまま走り続けていると、わかる人か ら見たら改善ポイント満載で、そこを指摘して もらうことがよくあります。私はありかたいな と感じるのですが、なかには弱点を指摘された と感じて拒絶反応を起こすリーダーもいるよう です。  そのメンバーは続けて言うのです。  「でもけ1りんの場合は、『え? どうしたら いいと思う? 改善してほしいな』『やり方が わからないから、やってほしい』と言うので、 こちらが手を出してもいいという隙があるんで す」  私にとっては、改善の提案がもらえるうえ実 行してくれるなんて大歓迎。  「ありがとう」「すごい!・」と伝えて、ただ大 喜びしています。  そもそも完璧を目指すなんて、ほとんど不可 能なことなんです。だから、もつとよくなると ころを教えてくれる人がいたら、素直に受け入 れて甘えてみたらいい。  人間には「貢献したいという欲求」があるの だから、相手にはその気持ちを満たしてもらう ことができます。  さらに、プロジェクトのために貢献してくれ た人は、そのプロジェクトへの愛着心が高まり ます。  プロジェクトの発展は、「当事者意識」を 持ってくれる人を増やすことが重要。  《戦略的いい人》は、そう考えています。  提案や指摘を受けたら、当事者意識を持って くれているのだなと思って、感謝の気持ちを伝 えて頼ればいいのです。相手もきっと喜んでく れます。  完璧なんて装わないでいい。  隙があるくらいのほうが応援されやすく、み んなの活躍につながる。  そして成果も大きくなるのです。 PO-NT 相手の「貢献したい欲求」を満た すとプロジェクトが発展する 普通の人が尊敬される方法  ある程度の隙はあっても、リーダーには求心 力が必要です。  ここで、カリスマにならなくても人から尊敬 されるかんたんな方法があります。  「とりあえず、すぐ決めて、早くやる」  「うまくいかなかったらどうしよう」なんて考 えると行動が止まりがちですが、うまくいかな くても大丈夫。人より先にやってみて、「実は うまくいきませんでした」と伝えればいいので す。  すぐやるコツはひとつ。何か案が出たらその 場で次のアポを入れてしまうこと。  人と何かをする約束をすると、それを守って 確実にやり遂げなければならない状況に自分を 置くことになります。ですから、思いついたら すぐに人に話して、予定にしてしまえばいいの です。  すぐに話すことでプロジェクトへの共感や興 味関心を持つ人を増やしていけます。日程を決 めてしまえば周囲もその日程を確保してくれる ことだってあるでしょう。  例えば、動画制作。撮影日を決めてしまえば、 もうやらなければならなくなります。細かいこ とはあとから詰めていけばいいのです。  やると決めたことを実行する姿を見せるだけ で、人からは「この人は、言ったことは本当に やるんだ」と認識され、その結果というより、 その姿勢に対して尊敬と信頼が生まれます。  うまくいくように指示命令することがりI ダーの役割ではなく、自ら行動する人がリー ダー。  できなかったら、その失敗談を話せば誰かの 勇気につながります。  うまくいかないとき、共感できるリーダーの ほうが何倍も愛されるでしょう。  だから「とりあえず、すぐ決めて、早くや る」。  これだけを守っていたら、人は確実に信頼し てくれるようになります。  そんな風に「自分の人生がよくなるための予 定だな」と思えるものは、小さなものでもどん どんスケジュールに入れていきましよう。 PO-NT 尊敬と信頼を生むのは、結果より 「姿勢」 愚痴が出そうなとき、不満を言われそう なとき  相談はするけど愚痴は言わない。人の愚痴に もっき合わない。  私かリーダーとして、心がけていることです。  私か主宰するコミュニティのテーマは「主体 的に生きる」です。主宰者がテーマに反する行 動をしていては示しがつかないという、いい意 味でのプレッシャーがあります。  不満が出たときは、いつも「それ、自分がや るって決めたんだよね」と自分に言い聞かせる ようにしています。メンバーにも、この考え方 を伝えています。  しかしながら、疲れたり忙しくなると、つい 愚痴を言いたくなるのが人間。  私だってうっかり出そうになることはありま す。そんなときに、  「それ、やるって決めたの誰だっけ?」  と改めて自分に聞いて落ち着かせています。  とくにうちは夫婦で経営していることもあり、 そう思うのが難しい囗も正直あります。愚痴が 出そうになったときは、だいたい疲れすぎ、忙 しすぎです。そんなときには第1章でも紹介し たストレスを発散する予定を入れて、気を取り 直しています。  やっておいたほうが明日がラクになる仕事や 家事があったとしても、仕事を溜めるより不満 を溜めるほうが危険。  自分だけでなく、チームメンバーが疲れてい そうだなとか、言いたいことがあるのかなと感 じたときは、ご飯に誘うことにしています。ご 飯をおいしく食べていると、リラックスして本 音も言いやすいし、険悪なムードにもなりませ ん。  夫婦でもそうですが、誰かの話を聞いたり自 分が聞いてほしいときは、おいしいものを食べ ながらのほうがうまくいきます。  自分の力を過信せず、食べものの力を借りる。 これも「B力」のひとつです。 人の影響力を借りて自分の実績をつくる  さて、このようにして自分の視点や考え方を 変え、チームをつくり、メンバーの信頼を得て きたら、《戦略的いい人》としての基礎ができ 上がつてきてると言えます。  次は、大きな実績を目指したくなる段階で しょう。  まだ自分に大きな実績がないうちは、すでに 実績のある人の力を借りるしかありません。自 分に影響力がないなら、影響力のある大にどう したら力を借りられるかを、改めて真剣に考え てみましよう。  自分だけでゴツゴツがんばっても影響力なん てつきません。  自分がかつて大に引き上げてもらってポジ ションをいただいたときは、運がよかっただけ だと思い、やや卑下する気持ちもありました。 その後、実力をつけようと必死にがんばった時 期もあったのですが、うまくいきませんでした。  どの組織を見渡しても、ひとりで活躍してい るように見える人であっても、影響力をつけて いく過程では、必ず先人たちの力を借りていま す。  どうやら、それが正しいルートだったのです。  考えてみると、影響力のない自分が発言する よりも、すでに影響力のある人が代わりに言っ てくれるほうが、はるかに大きな効果が得られ るわけです。  私か短期間で成果を上げられたのも、影響力 のある人と一緒に仕事をさせてもらえたから。 その中で一生懸命貢献することで実績をつくっ ていったのです。  このようなことが、第1章でも書いた「巨人 の肩に乗る」と言われること。  巨人の肩に乗せてもらえば、その巨人が積み 重ねてきた信頼と影響力を借りて、その高い位 置から積み上げていけるので、成果が早く得ら れるわけです。  会社であれば、社内のキーパーソンは誰なの かを理解しておきましよう。  「がんばれば出世できる」なんてことはありま せん。  人事は誰かの采配で決まるのですから。  会社員でも経営者でも、この「巨人の肩に乗 る」理論を理解する必要があります。それがわ かれば、巨人の肩に乗せてもらうことが、いか に成功の近道なのか気づけるはず。  だからと言って、ゴマスリやおべっかでは巨 人の肩には乗れません。  巨人にはすでに関係者がいるからです。  このあと具体的な方法をお伝えしますが、そ こでもやはり「B視点」が重要なことでした。 「巨人の肩」に乗って大きく羽ばたこう 「巨人の肩に乗る」とは言っても、巨人は影響 力があるだけに、かんたんにはそうさせてくれ ません。巨人はたくさんの人から支持されてい るから巨人なのです。自分の利のためだけに近 づいてくる天はすぐに察します。   そこで、私も含め、巨人の肩に乗せてもらっ た人の共通点をお話ししましよう。  1 組織に貢献する  2 懐に入る  3 頼まれ事に応える  4 信頼されて重要なことをまかされる  5 周囲から納得を得る  つまり、巨人の肩に乗せてもらいたければ、 巨人が持つ組織とまわりの大に、最大限の貢献 をする必要があります。  巨人の肩に乗ることをくおべっか〉と勘違い している人がいかに多いことか。  巨人はたくさんの人を見てきた経験があるか ら巨人なのです。おべっかでは通用しません。 まぐれで通じたとしても、周囲が許してくれま せん。結局は、自分も居心地の悪さに耐えられ なくなるでしょう。  私の場合、当時は参加者300名ほどの講座 を運営していた小田桐さんと一緒に仕事をする ことで、私の存在が知られる機会が増えました。  分岐点となっだのは、彼女の販売プロモー ションで、予期せぬトラブルが起きたとき。予 定どおりにコトが運ばなかったことで、あちこ ちで問題が生じてしまいました。  いち講座生としてそのプロモーション企画に 参加していた私は、いてもたってもいられなく なり、必要そうなものを勝手につくって準備し、 手伝いに行きました。私の会社の運営メンバー も「絶対リカバリーできますから、やっちやい ましよう’・」と言ってくれて、当時は直接面識 がなかったメンバーも夜な夜な会議。  そうしてみんなで一丸となってリカバリー策 を打ったことで、そのプロモーションはピンチ の状態から過去最高売上まで挽回。  その後も一緒に仕事をさせていただくことに なったのでした。  そのとき手伝いに行った理由は、見返りがほ しいなどではなく、「困っていたから手伝いた くなった」。そのプロモーションを成功させら れれば、主宰者だけでなく多くの人に喜んでも らえ、もちろん自分にも関係することだったか らです。 巨人が困っているときこそ、出番が生まれる  ところで、当時からとてもファンが多かった 彼女と、新参者の私の距離が近くなることで、 周囲からおもしろくないと思われることも覚悟 しましたが、その心配はいりませんでした。以 前から私か、コミュニティ内でプロモーション に関する支援を無償で提供していたことも、み んなの納得感につなかつていたのだと思います。  私はその後も、主宰者と講座生か成果を出し やすい環境をつくることに注力しました。お べっかのたぐいはI切使つていません。むしろ 成果を出すために、意見を言うことのほうが多 くあったかもしれません。  結局、リーダーが求めているのは、全体の最 適のために勣いてくれることなんだと思います。 巨人とファンに認められた人たち  巨人の肩に乗って大成したという話は、私だ けではありません。YouTube運用会社の 株式会社STAGEONの取締役副代表である 箱崎蓮さん(通称コロ助さん)もそうです。ち なみに現在、私のYouTube運用も依頼し ており、コロ助さんには講座で講義をしても らったこともあります。  彼はビジネス系YouTubeで有名な北原 孝彦さんや川瀬翔さん(しやべくり社長)の合 いの手役として動画を盛り上げ、名前が知られ ていきました。コロ助さんは顔を出しているわ けでもなく、カメラ側から質問をしています。  そのコロ助さんは、視聴者の聞きたいことを 代弁し続けたことで知られていったのがポイン トです。  巨人の隣にいるだけでなく、ファンにとって も役立つ動きをしていると、必ずその人にも注 目が集まるようになります。すっかり私もコロ 助さんに注目するようになり、YouTube チャンネルをお願いしたというわけです。  もうひとつポイントがあります。それは言い にくいことを代わりに言うこと。  例えば、私は今の講座をはじめた際、2人の 講師を迎えました。その2人の共通点は、前掲 の①~⑤をしてくれたこと。そして、私か言い にくいことを代わりに言ってくれた点。そこが とても貴重だと思っています。  それは2人が組織全体のことをいつも考えて くれているからこそ。だから、講座生にとって も運営陣にとっても、2人の存在がとてもあり かたいのです。  とはいえ、最初にこの役をお願いしたときは 周囲からの多少の嫉妬もあったと聞いています。 組織の中で重要なポジションに抜擢されると嫉 妬されるって、よく見かける光景ですよね。  でも、組織全体に貢献し続けた人は、必ず周 囲から理解されるようになります。  初期から支えてくれた講師の2人は、なくて はならない存在になっています。  どんどん信頼関係が築かれていき、今は私と も親族のような関係です。  あなたも《戦略的いい人》の考え方で、巨人 とも周囲のメンバーとも、濃い絆をつくつて、 飛躍しましよう。 PO-NT 全体の最適のために、発言や行動 をしよう 巨人の言いにくいことを代弁するには?  先ほども述べましたが、組織の重要なポジ ションに入れる存在「Bポジ」は、トップや リーダーの代弁者になれる大です。  上の大が言うと角が立ったり、なんとなく受 け入れにくい話や、距離が遠すぎて意図が伝わ りにくい話を、あなたが同席者(その人の部 下・顧客など)にわかりやすく伝える役目を 担つていきましよう。  以前、私の行動を褒めていただいたことがあ ります。とあるAさんの食事会に関係者やス タッフが同席しているというシーンでした。A さんはそのころ、クラウドフアンディングの返 礼品として食事会を販売しても売れる有名人。 私は、  「このお食事会、クラウドフアンディングでの 金額を考えると、●●円相当ですよね。こんな お食事会に参加できるなんて、私たちってラッ キーですね」  と言いました。このように、Aさんと一緒に いることの価値を言語化してあげると、Aさん から感謝されます。とくにスタッフなど身近な 関係になっていくと、価値を感じにくいもの。 そして本人からはなかなか言いにくいものです から。  他にも、巨人が言うより「Bポジ」の人が 言ったほうが伝わるというシーンはたくさんあ ります。同じ内容でも、誰が言うかで受け手の 印象は違います。  私も主宰者という立場では言いにくいことが 多々あるからわかります。  そんなとき、私のまわりにいてくれる「Bポ ジ」の人が代弁してくれるので、本当にありか たい存在なのです。  代弁者であるには、巨人のことはもちろん、 巨人が考えていること、組織全体の方向性、意 図を理解することが重要です。この組織はどの 方向に進もうとしているのか、そのために「B ポジ」という立場で何をすればいいかを考える と、相手に届きやすいように咀嚼して伝える役 割が見えてきます。 チャンスを2回目以降もつくる戦略  巨人へ直接売り込んだり、巨人のコミュニ ティに参加してすぐに自分の宣伝をしようとす る人は多いのですが、それはうまくいかない残 念な戦略。それより、巨人から紹介してもらえ る自分になったほうが、結局成功までの道のり は短いのです。  例えば、誰かの会に招待してもらったら、主 宰者に花を持たせること、主宰者の目的を果た すことに最大限貢献しましよう。  自分のことを話すとしたら、「主宰者の伝え ている内容でうまくいった自分の実績」をエビ デンスのひとつとして語るようにします。する と、主宰者の活動が、第三者や実績者から見て もすごいことなんだよ、と伝える「代弁者」に なれるのです。  多くの人は自分のPRに必死になりますが、 それよりも、その会の主宰者が紹介したくなる 人になったほうが宣伝効果があります。  これは、相手に花を持たせつつ、結局自分も トクする戦略。  その視点を持てていない人は損をします。  ある有名な経営者は、こうおっしやっていま した。 「相手のT‐UPができない人に2回目ってな いよね」  1回目のチャンスは偶然で掴めたとしても、 2回目以降、長い関係をつくれる人は、自然と 「B視点」で行動して、自然と相手のT‐UPを できる人なのです。  売れている人たちは自然にやっているから気 づかないことも多いのですが、今日からこの視 点を持って世の中を見ると、TVを見ていても 気づけるシーンがたくさんあるので、参考にし ていきましよう。 年収を上げたいなら人間関係をよくしよ う  お金は人が払ってくれるもの。人事だって人 が決めるもの。  自分に手を貸してくれる人がいるかどうかも、 人間関係で決まります。  ですから人間関係がよくなると年収も上がり ます。  ここで私か意識しているのは  ◆得意なことで貢献する  ◆苦手なことは人に頼る  人を信頼して頼ることができたら、ほとんど のことが解決します。  苦手なことを自分でやろうとするから、年収 が上がらないのです。  「苦手なことをしてイライラするくらいなら、 得意なことでもっと社会に貢献して」  苦手な家事に追われてイライラしてたとき、 尊敬する方から言われた匸言です。  先に信頼すると相手も信頼してくれるように なるし、先に許すと相手も許してくれるように なります。  そもそも自分が完璧じゃないのに、人には完 璧を求めてしまうってよくあること。  例えば、上司や社長に対してこうしてほしい、 ああしてほしいと思ったり、パートナーや親に 「こうしてほしかった」なんていう悩みはよく 聞きます。  でも、自分はそんなに完璧なのかと考えたら 違うはず。自分の未熟さを受け入れることがで きると、人にも完璧を求めなくなり、自分もラ クになれます。  もし上司にできないことがあるのなら、そこ を補完するところにチャンスがある。  その視点で見ると、この世はチャンスだら け!  完璧さを目指すとは、永遠にゴールにたどり 着かないゲームをひとりで戦うようなもの。 もっと自分を許して、他人も許して、補完して くれる誰かに頼ってお願いしたら秒速で解決で きることばかりです。  それに気づけば、早く年収が上がるでしょう。 PO-NT 誰かと補完しあって、チャンスを 掴んだほうが早い まずは上手なリアクションから  人間関係をよくする戦略で、ごくごくかんた んなのは「よいリアクションをする」というこ と。もれなくみんなが喜んでくれるうえ、いず れ大きなリターンが来ます。  もし、自分にできることなんか何もない、貢 献するなんて難しいと悲観するなら、まずは自 分のリアクションを変えてみましよう。  うちの講師には、「Z00M中のリアクショ ンが大きくて、人が話しやすくなる」ことで知 られている男性がいます。その効果も相まって、 彼が講座を開けば200名以上集まってしまう 人気者。  講座といえば、発表や質問するほうが目立ち そうですが、彼は講座生のときから積極的に手 を挙げることはせずに、リアクションの大きさ で目立っていました。  これは新しい発見でした。  相手を話しやすくさせるために大きくリアク ションすることを、私たちは「リアクション B」と名付けています。リアクションを制する 者は人間関係を制するのです。  とくにオンライン時代は、オーバーリアク ションくらいでちょうどいい。  大きくうなずいたり、手を叩いて笑ったり、 コメントでリアクションしたりするだけでも、 好印象となります。  人生、自分が話す機会より人の話を聞く機会 のほうが多いもの。  リアクションだけで印象が変わるなら、今日 から意識してみましよう。  ◆うなずく  ◆手をたたく  ◆驚く  ◆笑う  ◆体を使ってリアクションする  ◆驚くときに45度のけぞってから45度前のめ りに聞く  意識すれば誰でもできるのがリアクション。  リアクションがいいと相手が話しやすくなる ので、大事なことを教えてもらえたり、何かの 席に呼ばれたりすることも増えたりします。  リアクションするということは相手をそれだ け幸せにしているのです。  私は講座生同士の自己紹介のとき、自分が何 を話すかを考えるよりも、相手がどんな人なの かを、うなずきながら聞こう、と伝えています。  また、誰かのセミナーや講演会に参加すると きは、真ん中のほうの席に座り、うなずきなが ら聞き、大きく拍手。  すると、あとで講演者から話しかけてもらえ たりするのです。  「ものすごいうなずき方で、発表会に来たお母 さんみたいでした」  「うなずいてくれて話しやすかったですよ」  自分からPRをしに出て行くより、よっぽど いい印象を持ってもらえますよね。  私は大前に立つことがあるからこそ、うなず いてくれる人の貴重さを知っています。  尺は奪わずリアクションは大きく。最初はこ れがいちばん喜ばれます。  今日からはじめられる「リアクションB」  大きくうなずく習慣を取り入れてみましよう。 PO-NT リアクションを制する者は人間関 係を制する 感謝はみんなの前で具体的に伝える  「ありがとう」は出し惜しみしないで、しかも 具体的な言葉で表現しましょう。  感謝の内容を具体的に伝えると、本人の嬉し さは倍増します。  私は、いつの、何が、どうよかったのか伝え ることを心がけています。  さらに本人だけでなく、みんなの前で感謝の 気持ちを伝えると、本人の喜びはさらに倍増す るでしょう。  例えば、チーム内の連絡網や配信網を活用し て、意図的に名前を出して感謝を伝えることを よくしています。1対1で伝えるよりも効果は 抜群。  ちなみにパートナーへの感謝もその手法を使 うようにしています(笑)  もうひとつ。本人の話題がどこかで出ていた ら、それも伝えるようにしています。  というのも、私か直接受けた仕事で、細かい 作業は別の人がすることになった場合、クライ アントさんとのやりとりを直接しているのは私 だけ。  だから、クライアントさんの反応とか喜びの 声は、必ず作業してくれた人にフィードバック するようにしているのです。  喜びのメッセージのスクショを送ったり、賞 賛されたことを具体的に伝えたり。  本人だけに送らずにチーム内で共有すること が多いです。  そうすることでその人の立場が上がったり、 周囲からも尊敬されるからです。  ちょっとしたことですが、これが長い目で見 ると大きな違いになります。  働く人のモチベーションにつながり、もっと 仕事をしたいと思ってもらえる。  それにも、間に入る「B」の心がけが大きく 影響するのです。  「●●さんのおかげで、こうなったよ」  このひとつのステップを抜かす大がいかに多 いことか。  たったこれだけのことで、応援者は自然と増 えていくのです。 人が交わる楽しい場をつくろう  なんだかんだ楽しそうな場所に、人は集まり ます。「正しさより楽しさ」-これが人間の 本質。だから、自分が楽しさを提供できる人に なればいい。それは、自分がエンターテイナー になることではありません。  学生時代の楽しかったことを思い出してくだ さい。授業がすごく面白かったという人は少な いでしょう。学校での出会いや学内活動、交友 関係を楽しいと感じたというのがほとんどです よね。  だから私は、一緒に仕事をするメンバーもそ うだし、講座生との関係もそうなんですが、私 との密な関わりで楽しさを感じてもらうのでは なく、気の合う人やその人が興味を持つ人を紹 介してつなぐという「B」をひたすらやってい ます。  「B」すれば仲良くなって、勝手に居心地もよ くなってくれるのです。  「●●さんは初期から参加してくれてるんです。 今日は北海道からいらしてます」  「●●さんはこんな仕事をされていて、業界で 有名な方なんですよ!」  知っている情報を言葉にして伝えてT‐UP する。その人は「知っていてくれていたん だ!」「紹介してもらえて嬉しい」と感じてく れるし、つながれた人も話のネタに困りません。 「気づいたら伝える」を心がけていれば喜んで もらえます。  その人がどんな人なのかを知っていると、紹 介する相手を見つけやすくなります。私はきっ かけづくりと、居場所をつくるお手伝いだけし ています。運営を手伝ってくれているメンバー には、この考え方をしっかり浸透させています。  これは社内の部署などでも同じこと。楽しさ は自分だけで提供しようと思わずに、人に助け てもらいながら一緒に提供していけばいいので す。 仲間内で「おかげさま商法」を流行らせ よう  「●●さんのおかげで、この会が成り立ちまし た」  「●●さんが裏でこんな仕事をしてくれたおか げです」  でも書きました第1章「頼った人の手柄を周 囲に伝えてますか?」が、とにかく手柄を人に 渡しまくると、結局自分がトクをします。仲間 内でも常に意識して「おかげさま」という言葉 を使いましょう。  私たちのチームは、これをお互いわかってい てもやるので面白く「おかげさま商法」と名づ けています(笑)  本当はもうちよつと働いてほしいなと思うと きも、「●●さんのおかげて成り立っています」 と伝えると、相手は「もうちょっと働かな きや」と思ってくれます。  「もっと働いてよ」と言うより、効果は絶大。  何かをやってくれたら手柄は奪わず、その人 がやってくれた成果を周囲に伝えていきましょ う。そういう行動をしていれば、その人から信 頼と尊敬が得られます。  自分にできないことが多かったとしても、人 として信頼してもらえれば、困ったときに手を 貸してもらえます。 究極の橋渡しも、忘れずに  そして、さらに大切にしたいのがこの行動。  影の立役者の紹介をすると、必ず両者から喜 ばれます。  見えないところで作業をしてくれた人の貢献 までわかっている大は少ないもの。  そのエピソードを知っているのなら、代わり に話してあげればいいのです。  仕事ぶりを見てくれている大がいることは誰 もが嬉しいですし、当の本人が嬉しいだけでな く、伝えた相手も「教えてくれてありがとう」 という気持ちになるのがポイント。  それが究極の「Bポジ」-橋渡しが感謝を 生む循環の仕組みです。  「そうは言っても、やっぱり自分にも手柄がほ しい」  はい、そういう気持ちはよくわかります。で も安心してください。  実は、人に手柄を渡しまくると、結局は誰か がいつか自分に戻してくれるのです。心配しな いでどんどん手柄を渡していきましよう。 PO-NT 手柄を渡すと、感謝が循環して 戻ってくる 全方位といい関係を築くには  よく質問されるのは、全方位の人だちとよい 関係を築く秘訣です。会社でいえば上司・同 僚・部下や関係者との人間関係。私はすでに大 きな組織を持っている巨人と仕事をさせていた だく機会が多いので、このことにはとても気を つかっています。  基本姿勢は前項のとおり、人に手柄を渡しま くっていれば、全方位うまくいきます。  巨人の場合は必ずその人を支えてきた人たち が存在します。  この人だちとの関係がよくないと、全体の成 果を最大化することが難しくなるので、巨人と の関係も大切ですが、まずは側近メンバーとい い人間関係を築くことが、私の仕事の要と言え ます。  では、具体的にどうしたかというと、  「昔から支えてくれてきた人たちのおかげ」  「この仕事は●●さんが尽力してくれている」  「一緒に仕事できることが嬉しい」  このようなことを常々、本人や巨人だけでな く組織全体に伝えるようにしています。そして、 間接的に関わる人にもメリットがあるような働 きを意識します。このことは「Bポジ」に徹す れば理解されていきます。  他にも、巨人が一緒に仕事をしてきたメン バーといい関係を築くのも重要です。  とくに事務局の仕事をしている人には控えめ な人が多く、自分の話を自分からすることが少 ないので、興味を持って聞いてみると、うちと けることが多いです。  先方からしたら私は初めて見る人になるわけ ですから、仲良くなれるようにこちらから話し かけます。初対面の関係者(側近メンバー)と 仲良くなるステップでよくやるのは、  ◆必ず名前で呼ぶ  ◆必ず話をふる  ◆巨人と一緒に仕事をするようになったきっ かけなどを質問する  それから、関係者が集まる会食で私かその会 の中心人物によくする質問は、  「経営者(リーダー)として、●●さんみたい に優秀な方をかかえて一緒に仕事されてるって すごいなと思うのですが、何か意識されている ことはありますか?」  優秀な人をかかえているということは、代表 者や経営者の手腕の大きさを示していること。 自分も経営者としてそうなりたいと思うので、 興味を持って聞いています。  これは相手も周囲も嬉しい気持ちになる質問 です。  もちろん本当にそう思わないとこの質問はし ませんが、業績を上げている会社には、必ず支 えている大がいます。その人のすごさを客観的 な視点で伝えると、そこにいる大全員が喜んで くれるのです。  ポイントは、その会の中心人物に質問する、 ということ。  中心人物に質問することによって普段聞けな い言葉を周囲のメンバーは聞くことができます し、中心人物と、そこで一緒に働く大、両方の 立場をT‐UPすることができるからです。  つまり、周囲といい関係を築く戦略は、T‐ UPを関係者にし続けることなのです。 気をつかわせない、距離感の戦略  「け1りんの距離感の取り方つて絶妙。気をつ けているのですか?」  と聞かれたことがありますが、答えは全力で イエス。  距離感にも「戦略」があります。相手の懐に 入るためには距離を縮めなければ入れない。で も、近くなりすぎると馴れ合いになりやすい。  人はいつでもいてくれると思うと、相手への 扱いが雑になりがちです。近くなりすぎて破綻 した関係をたくさん見てきたから、私は仕事関 係者とはとても仲はいいけど、一定の距離感は 保っています。  パートナーともそうかもしれません。「すご く仲良しな夫婦ですね」とよく言われるけど、 一緒にいない囗が多いから、夫婦で仕事をして いても仲良くいられるというのはあると思うの です。  ひとりになりたいときに無理に相手につき 合ったりしません。  相手だってつき合ってほしいとは思っていま せん。  長く一緒に仕事をするためにも距離感の調整 は必要です。  逆に、「あの人とたくさん話がしたいな」「一 緒にゆっくり時間を過ごしたいな」というとき には、飛行機に乗ってでも相手のところへ行く ことがあります。  私もそうして距離を縮めた経験は多々。  「これは’・」というタイミングなら、多少無理 してでも行くのは意味があること。  ポイントは外さない。  これは仕事だけではなく、夫婦や子どもとの 関係でも同じだと思います。  ただし、相手が疲れていそうなときは、そっ と早めに引き上げたり、自分以外のメンバーと いるときはあまり囗を挟まないようにしたり。  相手に気をつかわせないのも《戦略的いい 人》の行動です。  心地よい距離感をつくれる人は、いい人間関 係を長く続けられます。 相手が誰であっても態度を変えない  あなたは人のことを、つい上に見たり下に見 たりしていないでしょうか。心当たりがあるな ら、今すぐにやめると人生が好転するでしょう。  私もかって、自分より実力がある大や目上の 大には気をつかい、がんばつていないと感じた 人のことは見下し、それが態度に出てしまい、 結局は自分が損をしていたのです。  多くの人は、相手の社会的地位や立場で態度 を変えがちです。  だからこそ、基本スタンスとして、相手に よって態度を変えないという精神でいる人は、 最終的にトクします。  人によってその思いの強さは多少変わるで しょうけど、意識しているだけでも違います。  なぜなら、チャンスは思いがけない人が届け てくれるものだから。  私の経験でいえば、  ◆友人の新しい就職先からWEB連載の仕事   をいただいた。  ◆近所の公園でおしゃべりしていたママが有   名な経営者だった。さらに私の起業初期   に力を貸してくれた。 ◆仕事の打ち合わせでたまたま同席した方と、  今は一緒に仕事をしている。 ◆子どもの年齢が近いから遊んでいたファミ  リーが、現在のビジネスパートナーに  なっている。 ◆困ったときに助けてくれたのは、意外な人  だったetc. 手を貸してくれる人が誰になるかなんて、わ からないものです。  出会ったときには別の職種だったのに、相手 が転職してチャンスを運んでくれたということ もあります。  以前講座生に、私の好きなところを聞いてみ たら、3割ほどのメンバーが、  「相手によって態度を変えない」  「誰にでも気さく」  と答えてくれました。それくらい、人によっ て態度を変えないことが、自分への印象や評価 につながっているのです。  よく考えたら、結婚相手を見極めるときも、 自分への態度より、親御さんへの態度とか、店 員さんに対する態度が気になったりしません か?  人は自分以外への態度も含めて、チェックし ているものなのです。  まずは意識するだけで大丈夫。相手が目上の 人で緊張しすぎてしまう場合でも、若い人に態 度が大きくなりがちな人も、誰にでもフラット な目線で接するように心かけてみましよう。 人の上に立たず、人の立場に立とう  「相手によって態度を変えない」を拡大してい くと、部下や後輩がいたり、親の立場である大 にも通じることがあります。  「人の上に立つのではなく、必要な大の立場に 立とうとする」ところに、共感が集まるのです。  リーダーというと、人の上に立つとか、大を まとめるとか、組織の頂点的な存在と思いがち ですが、それを上下の関係ととらえてはいけま せん。  上に立とうとしなくていいのです。  「自分が指示しないと動いてくれない」「言わ なきやわかってもらえない」-だから指示命 令しがち。  でも、指示命令を出すよりも、信頼して頼る、 相談する、お願いするという接し方をしたほう が、人はよっぽど勦いてくれます。  今、もしも部下との関係がうまくいっていな い人は、相手を自分の下に見ている姿勢が災い しているのかもしれません。  私は数年前、「言っても動いてくれない」と いう、よくある社内の不満を上司に漏らしまし た。すると 「それって、言うから動かないんじやない の?」  「言ってやらせようとするのは愚策」  「どうやったら相手が動きたくなるかを考えて みたら?」  この言葉に撃沈した囗を今でも忘れません。 言ってやらせる、管理するという行為は、相手 を自発的に行動できない人にしているとも言え ます。  自分ならどんなときにやる気を出したのか考 えてみると、指示命令されるより、頼られたり お願いされたときのほうが、よっぽどやる気に なったはずです。  部下に弱みを見せると、ばかにされるとか、 人が離れると思っている人がいますが、逆でし た。むしろ人が集まり、協力してくれるように なるのです。  自分ができない部分を見せることで、自分よ り優秀な人が助けてくれることになる。  これも《戦略的いい人》のパターンでした。 PO-NT 上に立とうとしなくていい相手の 立場に立って想像しよう カリスマになるより、〈話しやすい人〉 になる  多くの人に支持されるリーダー、人望が厚い 人とはどんな人か、という問いに  「カリスマ性があって人を惹きつける魅力があ る人」  と答える人はたくさんいます。そして自分と 比べ、落ち込む話をよく聞きます。  カリスマを目指すと(Iドルが高い。けれど リーダーがカリスマになる必要はまったくあり ません。実際、私はコミュニティのリーダーで すが、カリスマ性のなさが売りになっています (笑)  「話しかけやすい」とか、「親近感を感じる」 とか、「自分にもできそうに思える」とか、そ ういうところを評価してくれているのです。  とくにカリスマ性のある人のそばにいる私の ようなポジションの場合は、張り合っても負け 戦に出るようなものです。それより親近感で 売ったほうがいいのです。逆張りです。  私にも「カリスマ性のないところが悩みなん だよな1」と思っていた時期がありました。で も思い起こせば、私か人生で影響を受けたりI ダーたちは、みな人間味に溢れていて、私のこ とをひとりの人間として大事に扱ってくれまし た。  みんな自分のことがいちばん大切で、自分に いちばん興味があるのです。だから、最初から カリスマなんて目指さずに、先に相手に興味を 持って、「なぜたか話しやすいリーダー」くら いを目指せばOK。  「け1りん、最近カリスマ性があるように見え るよ?」  と、たまに言われますが、それは私の周囲に 「B」をしてくれる人がいるからです。  私をT‐UPしてくれる人がいると、多少カ リスマ感が出てくるのです。  つまりカリスマ性とは、周囲の人によりつく られるもので、決して自分で目指すものでもな いし、どんなカリスマも最初は自分から行動し、 自分から声をかけるというように、一歩一歩行 動してきた人だちなのです。 ピンチのときにどうするかを決めておく  いいときにいい大であることは普通のことで すが、例えば仕事でピンチのときにミスした大 を責めたりしないで、解決に臨もうとしている 姿は、人の心に刺さりますよね。ピンチになっ たときは、よくも悪くも人間性が出るもの。  ということは、逆にピンチのときにどうする かをあらかじめ決めておくのは、ひとつの戦略 と言えます。  私もかつて仕事でミスをしたとき、何も責め ずに解決に向き合ってくれた上司のことはよく 覚えていて、今でも感謝しています。  ミスやピンチは防ごうとしても必ず起きてし まうもの。  それが「人生のピンチ」というほど大きいと きほど、その状況をどうとらえて、どう行動す るかが大事。  うまくいけば高い山を越すほどの転機になり ます。  思い起こせば、私の人生が好転したときの きっかけには、必ずその前にピンチな出来事が ありました。  最初の会社でクビになったとき。3日くらい ショックで寝込みましたが、結局あのときクビ にしてもらっていなかったら、それまでと同じ 行動を日々続けていたでしょうから、人生に大 きな変化はなかったと思うのです。  人望のある人は、誰かがミスをしたときでも、 その人を責めません。  たとえ人を責めたくなるようなことが起きて も、解決するために考えるだけ。小田桐さんと お仕事する中で、彼女は絶対に人を責めない Iその姿勢を見てきました。  ということは、自分もそうすればいいんだと 考えるようになった私。  責めたくなる気持ちをコントロールできるよ うになりました。  いいときにいい人は、普通。  ピンチのときにいい人は、記憶に残る。  どちらが《戦略的いい人》かは、わかります よね。 売上が落ちたときの対策も  ちなみに、私たちは会社を立ち上げてから急 激な右肩上がりしか経験をしていません。でも、 ずっとそんな調子が続くわけがないことを知つ ているので、風向きが変わったら、下手なプラ イドを持たず、  「最近あんまりうまくいってない」  「●●さん絶好調ですけど秘訣を教えて」  など、うまくいってる人に自己開示して教え てもらえるようにしておこうと、すでにメン バーと話しています。  また、困ったときには助けてもらえるように、 うまくいってるときこそ出し惜しみせずに周囲 に貢献していこうと思っています。  ピンチは避けることはできない。  だからピンチのときにどうするか、決めてお きましよう。 PO-NT ピンチでもいい人でいられる対応 を決めておこう 正しいとされていることでも押しつけな い  争いの多くは、正しさの押しつけからはじま ります。「自分のほうが正しい」「●●するべき だよ」と発言する人がいますが、本当にそうな のでしょうか。  かつては私も、「こうするべき発言」の多い 人間でした。狭い価値観の中で「こうするべき だ」「こっちのほうが合っている」「私か言って いることが正しい」「がんばっていないあの人 がいけない」「手伝ってくれないパートナーが 悪い」のように、自分の価値観を人に押し付け てきたから、とても生きづらかった……。  子育てでも、「親としてこうするべきだ」と いう私の考えが、親も子も苦しめていた時期が あります。子育てや家事で、夫婦の考え方の違 いからイライラ状態になっていたとき、師匠か ら言われました。  「家族のこと、外国人だと思ってみたら? そ うすれば、部屋に靴で上がってきても、文化の 違いだよなって思うでしよ」  今当たり前に思っていることなんて、自分が 育ってきた家庭環境や地域で当然のこととされ ているだけ。地球の裏側に行ったら非常識にな ることは無数にあります。  生きていればいろんなことがある。仕事関係 者だって、自分とまったく違う考え方をする人 との行動を完全に避けることは難しいでしょう。  それは会社員であっても、起業してもです。 すべては人間関係でできているのだから、しか たありません。  本当は、異なる考え方の者同士が共存すれば、 組織は濃く強いものになれます。  「こうするべきだ」「普通は~」「常識的に~」 -そんな言葉が頭をよぎったときには、いっ たん立ち止まってみる。「そう思う人もいるん だね」と考えてみるのです。  物事はすべてが表裏一体。悪い面もあれば、 よい面もあるのです。相手を理解するため、起 きている事象をフラットにとらえ、メリットと デメリットを書き出すのがおすすめです。する と、異なる考え方をする人の別の面が見え、視 野が広がります。  例えば対象が、遅刻しがちな後輩の場合。  〈デメリット〉  ◆ヒヤヒヤする  ◆待たされて暇な時間ができる  ◆指導不足を指摘される可能性がある  〈メリット〉  ◆自分が遅刻しても何も言われない  ◆待たされている時間に他のことができる  悪い面ばかりが気になっていたけど、いい面 もあることに気づき、総合的に判断できるよう になります。  試しに次の表へ、テーマを決めてデメリット、 メリットを書き出してみてください。 真逆な資質の人こそ味方につけよう  「自分の正しさ」の押し付けから離れれば、真 逆な資質の人の力も借りられるようになります。  まさに弊社の運営メンバーは真逆な資質の人 の集まりです。夫婦2人で細々やっていたころ より、会社は大きく成長しました。  仕事を先回りするのがうまい大、納期がいっ も早い人、納期はぎりぎりだけど土壇場の力が 強い人、楽観的な人、慎重な人、行動力はある けど分析が苦手な人、分析は得意だけど自分で 行動となると荷が重い人、ピンチに強い人、コ ミュニケーションが細やかな人、大雑把な人と いろいろ。  私で言えば、細やかなコミュニケーションや 行動力はあるほうです。  昔の私は、自分が得意とすることをできない 人に対して「どうしてできないの?」と思った り、できるようにさせることに一生懸命になっ ていました。  でも人は「役割」を全うすればいい。真逆な 資質の人を味方につけたら足りないものを補完 してくれるということに気づきました。  例えば学校でもつい似たような性格の人で集 まりがちです。でも発展する組織という観点で 考えると、ビジョンさえ共有できていれば資質 は真逆くらいのほうがちょうどいい。  自分とも真逆だけど、関係者同士も真逆だっ たりするので、その人たちが仕事しにくくなら ないようには心がける必要があります。  そのため、常日頃から人には「役割」がある よねという考え方を共有し、「B視点」で 「●●さんが、●●君のこと褒めてたよ」「●● さんがいると助かるね」と、常に「Bする」こ とを心がけています。  ここでも「B」を意識していれば関係性が良 好になり、組織の運営に役立つのです。 ライバルでも敵ではなく仲間に  先ほど紹介した考え方の延長で、同業他社は ライバルであっても、一緒に業界を盛り上げる 仲間にしていこうと思えば、いい関係を築けま す。  同業他社と接するときは、「お客様を取られ るのではないか」と怯えるのではなく、むしろ 「どうやっているんですか?」と興味を持って 教えを請うチャンスです。  人というのは、自分のことを話すことが好き な生き物です。だから、インタビュアーのよう に聞くと、相手は喜んで話してくれることが多 いのです。  例えば、私と同じようなジャンルの仕事で活 躍しているリーダーに会ったら、自分のコミュ 三アイメンバーに、  「ね1ね1、●●さんだよ! 知ってる? ●●で有名なんだよ」  と普通に紹介するわけです。  同業者はライバルであっても敵ではありませ ん。意見交換したり、紹介しあったりすれば仲 間になります。  お客様を囲おうとする人は多くいますが、人 は囲われたら逃げたくなるもの。  自分のサービスのファンで居続けてほしいと 願うなら、出ていかないように囲うのではなく、 魅力的なサービスにして、「離れたくない」と 思ってもらうしか道はありません。これは、恋 愛や結婚と同じことだと思います。  結局、お客様を囲ったり、一緒に仕事してい るメンバーを引き抜かれないように策を練るの は無駄です。そんなことに労力を割くくらいな ら、自分が魅力的な人間になることに時間を 使ったほうが建設的ですよね。人をルールや契 約で留めることなんてできないし、たとえでき たとしても、それって嬉しくはないはずです。  私は、私と一緒に仕事したいと思ってくれて いる人と時間を過ごしたい。そのためには、そ こに魅力を感じてもらうしかないのです。  「こんなこともわからないの」と思った ときは  「なんで、こんなこともわからないんだろう」  「こんなことまで言わないと、わからないのか なあ」  誰かに、こんなことを感じたことはありませ んか? 私はあるし、それで怒ったり呆れたり して、後輩のやる気を削いだ経験もあります。  こんな意見を聞くこともあります。  「部下が全然意図を汲み取ってくれない」  「周囲が気が利かないから、いつも自分が気を 回している」  人に不満を感じたときの思考のクセを変える と、実は自分の大きなチャンスになります。  「私のように考えられる入って少ないんだ。こ れができるだけで重宝されるんだ。それってす ごい’・ そこを教えてあげれば仕事になるか も」  こんなふうに自分の特性を見いたして、不満 をチャンスに変換してしまうクセをつけてしま えば、周囲にイライラすることが減り、人間関 係が円滑になります。  みんながやらない・やれないということは、 同じものを見たときに、人の見ている視点や物 事の解釈はみな違うということ。同じ場にいて も、何を見ているのか、感じているのかは大に よって異なるわけです。  何かに気づいたということは、自分の特別な 解釈とも言えます。違和感を感じたときは、自 分の視点や解釈の特別さH人との違いを知る機 会になるということです。  そこを理解すると、ビジネスチャンスに発展 していくことにもなります。  私か主宰している講座も、この本も、「そう か、みんなこれを知らないのか」というところ から生まれたものです。自分の当たり前はみん なの当たり前とは隕らない。そこにチャンスが あるのです。 仕事でつき合う人はとことん選ぶ  さて、ここまでに書いてきた人間関係のコツ を試しても、うまくいかない場合はあると思い ます。「人を選ぶ」というと聞こえは悪いです が、この世の人間関係は相性だと思うので、無 理してつき合っても、お互いろくなことはあり ません。  それがわかってから、私は仕事で関わる人を 常に限定するようにしています。  仕事は人間関係でできています。だからこそ、 つき合う人は選びましょう。  プライベートでも、仲がよかった人との関係 が疎遠になることはありますが気になりません。 縁があればまたつながるでしょう。  人間関係というのは日々、変化し続けるもの。  私の人間関係も、いつもゆるく変化していま す。仕事仲間も友人も、長いつき合いになるこ とが多いのですが、連絡を取り合わないことが 数年続くことも多々あります。でも何かあれば、 いつでも会えると思っています。  私か仕事をお願いする人は、先に貢献してく れた人。できるだけそうしたいと思っています。 いきなり営業してくる人には、原則として仕事 は頼みません。  昨今SNSやHPから、こちらの話を何も聞 かずに自分の提案だけをしてくる人がいますが、 うまくいくわけがないだろうと見ています。  相手の何に役立てるのかを聞いたり考えたり もせず、自分の提案だけ通そうとする気配があ る人に、私は仕事をお願いしたくありません。  また、私は問題解決思考の強い人間なので、 悩みを言いたいだけの大、本当は悩んでいたい 人の話は聞かないことにしています。そういう スタンスを日頃から囗にしていると、そのスタ ンスに合う大しか近寄ってこなくなります。  大づき合いは、時間とともに自然と淘汰され ていくもの。みんなにいい顔をするのがくいい 大〉ではありません。スタンスを明確にして伝 えておくことで、自分の考えに共感してくれる 人とだけ時間を過ごせるようになります。  これは、次から紹介する組織づくりにも関わ ること。  自分に合う組織ができれば、短期間でグッと 成果が出るのです。 PO-NT スタンスを明確にして、共感して くれる人と仕事をしよう トップになっても「B視点」を忘れずに  前章までをおさらいすると、私はここまで、 《戦略的いい大》になるメソッドの「イージー モード3原則」 (第1章)をベースに、お話 ししてきました。  1 大に頼り、お願いする  2 人の手柄を周囲に伝える  3 巨人の肩に乗せてもらう  成功への大きなステップとしては、  ◆まず1と2で組織に貢献することからス タートし、  ◆3の「巨人の肩に乗る」ことで自分にも影 響力がつく  という道筋です。  そして、最終段階がこちら。  ◆自分が中心の組織をつくる  注意したいのは、この段階でB視点を失う人 が多いこと。  〈残念ないい人〉はB視点を忘れて、うまく いかなくなる。  《戦略的いい人》は自分中心の組織作りでも B視点を活用します。  うまくいくのは、自分がトップになってもB 視点を使い続けている人なのです。 PO-NT B視点をキープしながら、トップ になろう 「B視点」は人ではなく関係を生んで育 てる  自分がトップになったとき「リーダーを育て ることができない」という悩みをよく聞きます が、「自分が育てる」という気持ちを捨てて 「B」に徹したら、勝手にリーダーが育つ組織 ができ上がります。  私も、人を育てられないと悩む時期がありま した。そんなとき、師匠から、  「なぜ自分が育てようとするの?」  と言われて[ツとしました。亘]逆の発想です。  「自分が育てたら、自分以上の人にはならな い」  この考え方が、私の組織運営の全体を貫いて います。私自身はほぼ人を育てられないままで すが、そこはできる人にお願いしています。す ばらしい考え方に一緒に触れたり、教育が得意 な人の力も借りたりしています。私自身が直接 教えようとするより、同じものを一緒に聞いた り、考えるということを心がけています。  その大にとっていい先輩を見つけて、自分が 間に立ち「B」する。そして教育者のT‐UP をする。これをしっかりやり続ければ、自分が 直接教えなくても大丈夫です。  これは家族にも言えることで、子どもの教育 に関係する人(夫、祖母、教師など)のT‐U Pを常にする。子どもに先生や夫の悪口を言え ば、子どもはそういう態度になってしまいます。  会社の部下を連れて取引先に行ったときに、  「彼は新人なので、何か気になることがあった ら言ってください」  という先輩は、一見、取引先に気をつかって いるように見えますが、全方位的にはトクにな らない紹介法です。  その部下は新人だけど優れていること、会社 から評価されていることなどを伝えてあげるほ うが、先方は喜ぶだろうし、部下本人は気を引 き締めて成長するでしょう。取引先と部下とは いい関係になりやすいはずです。  人の成長につながるのは、いい環境といい人 間関係です。人と関わっていく中で、気づきを 得て育つもの。だから私は「B」に徹すること を意識しています。  自分が育てるとなれば、見られる人数が隕ら れます。それよりも、考え方の指針を示して、 育成が得意な人にお願いしてまかせれば、組織 全体を育てていけます。  現に、私より能力のある人がチームに集まり、 リーダーになってくれています。私は、その人 たちのすばらしい部分を伝えることを日々繰り 返すのみ。自分が直接育てた人はいないけど、 組織は大きく育ってくれています。  これが「B的組織運営」であり、メンバー数 が急増しても応えていける組織づくりになって います。 外部のリーダーでさえ協力者にできる  《戦略的いい人》は、まわりだけでなく自分も 幸せにします。手柄を人にどんどん渡していけ ば、結局自分に返ってくるからです。  B視点で物事を見るようになると、組織の発 展には「Bポジ」の存在が不可欠だと気づきま す。そして「競争」ではなく「協力」の世界に なります。  前章で書いたように、一般的にはライバル視 するような人の力すら、借りることができるの です。  私のコミュニティにも、すでにご自身で組織 を主宰しているようなリーダーが何人も参加し てくれています。なかには似た業種の大も。こ こで私か競争視点でその大に接していたら、こ のようなことは決して起きなかったでしょう。  では、具体的にどう接すればいいのでしょう か?  例えば私は、業界で名前が知れている同業者 の人にお会いしたら、必ず白分から挨拶に行き ます。  「●●さんの配信で勉強させていただいてま す」  「いつも一方的に見させていただいておりま す」  このように本当のことをお伝えしています。  そうすると、先方も「こんなギャラの人だっ たのか……」という感じで仲良くしてくれるこ とが多く、気づいたら私の主宰するコミュニ ティにまで参加してくれるようになった、とい うことが多々あります(本当にありがとうござ います士。  すでに活躍されている方も私のコミュニティ 内で名前を知ってちらつたら、その人にもメ リットがあります。それこそがくつながる時 代〉の成功戦略であり、自分も人も幸せになる 力なのです。 トップになっても「弱み」を見せ、仲間 をヒーローに  第2章「隙を見せると慕われて応援してもら える」でも書きましたが、「隙」や「弱み」は 最大の武器。むしろなんでも自分でできるよう になろうとしてはいけません。  自分でがんばるのではなく、人に頼ること。 するとヒーローが現れるのです。  でもトップになるほど、「大に頼る」ことが できない大は多くいます。  囗本の教育は自立を目指し、平均を目指して 凸凹を埋めていく傾向があります。  それが、今は自由に大とつながれる時代に なったのです。それならできる人の力を借りら れる人のほうが明らかに有利。 「できるようになってから頼みたい」 「できてない部分を人に見せるのが恥ずかし い」  という悩みもよく聞きます。  相手は「解決してあげたい」と思っても、本 人が弱みを見せられない。  そんな私も、内部の仕事を人に依頼するとき、 最初はとても勇気がいりました。  それ以前は、デザイン制作などを単発で誰か にお願いすることはあっだのですが、次第に 「一緒に考えて動いてくれる人」がどうしても 欲しくなり、チームメンバーとしての仕事をお 願いしたい、という案件です。  でも、いろんな業務がぐちやぐちやで、PC のデスクトップ画面も片付かないタイプの私は、 それを見せるのも恥ずかしくて。  もはや過去のデータがどこにあるかも、自分 で探せない状態でした。  また、当時の私は、何をお願いすれば自分が ラクになるのか、売上を伸ばせるのかもわかっ ていませんでした。  そのときお願いした2人に私か伝えたのは、 「困っているという事実」と、「自分のビジョ ン」「将来の可能性」だけ。〈相談する〉という 形でスタートしたのです。  そのうちの1人が私の課題を可視化してくれ、 その解決法を知っているもう1人と3人でミー ティングすることになりました。すぐに2人も 打ち解けて私の課題の解決に真剣に話し合って くれました。  この2人の間で難しい用語が飛び交うので、 結局、  「私にはわからないから、2人にお願いした い」  ということになりました(笑)  今でも、この囗のことは伝説のミーティング として語られています。  話し合いのあとで2人から言われたのは、  「け1りんは助け甲斐があります」  という匸言。盲点でしたが、助け甲斐がある 天になれば、逆に相手をヒーローにすることが できると知りました。  この2人は現在、運営のリーダーとして関 わってくれています(第2章)。  なし得たいこと、ビジョンさえ自分で決めた ら「弱み」は最強の武器。  隠さずに見せてしまえば、ヒーローが現れま す。 PO-NT 助け甲斐のあるトップでいよう  「居場所」と「役割」は新たなリーダー も生む  私は、一緒に働くメンバーにも、コミュニ ティの参加者にも、「居場所」と「役割」を感 じてもらうことを意識しています。  ◆「居場所」を感じてもらうと、そこに長く いたいと思ってくれます。  ◆「役割」を感じてもらうと、そこで能力を 発揮してくれます。  では、どうやって居場所をつくるのかという と、気が合いそうな人を紹介してつなぐ「B視 点」を使います。  「●●について聞きたいなら、この人が詳しい よ」と伝えたり、会話が弾みやすいように話題 を提供したり。  例えばコミュニティの親睦会のような、初め ての大も参加する場では、古くから参加してく れている人のT‐UPをしながら、全部の席を 回るというのを私の基本行動にしています。  そうすると、少し古株の大は「先輩の役割」 をもらった気持ちになって、初めての大にいろ いろなことを教える役割を担ってくれますし、 初めて参加した大は疎外感なく楽しんでくれる ようになります。  これは、メンバーが組織で長く働いてくれる かどうかにも関わる大切なこと。  人は、金銭的な待遇が上がるかどうかより、 「居場所」と「役割」を感じられるほうが、組 織への愛着が大きくなるのです。  ですから、一緒に働くメンバーとは、横のつ ながりをつくる機会を定期的につくつたり、先 輩に頼りやすい雰囲気づくりを心がけています。  私の講座では、希望する人には卒業後にリー ダーをお願いしています。  最初はできるかどうか不安だったという人も、 「立場が人をつくる」という言葉があるように、 リーダーの立場になると人はりIダーらしく なっていくもの。  私の会社の運営メンバーも同じです。私の発 信を見て集まってきた人たちに、私か運営メン バーのT‐UPをしたら、その人はまわりから 話を聞いてもらいやすくなります。  こうして相手が立ち位置をつくりやすくなる ように、常に心がけています。そして先輩ポジ ションをもらった人は、組織への愛着や当事者 意識を高めるようになる。  この動きを続けていると、メンバーが増えて いっても、「居場所」がなくなったとは感じに くいのです。 PO-NT 少し古株の人に「先輩のポジショ ン」を渡そう  「自己重要感」は新リーダーも組織も強 くする  もうおわかりのように、メンバーの「自己重 要感」を満たすことでリーダーが生まれ、組織 は強くなっていきます。そのコツは2つ。  1つ目は「自己重要感」を満たす紹介で、そ の人を輝かせること。そうするほど、やる気の あるチームができていきます。  例えば私は、一緒に働いているメンバーを初 対面の人に紹介するとき、「うちのスタッフで す」とは伝えません。契約形態が社員ではない ということもあるけれど、それ以上に「自分の 部下」という見方をしないようにしているので す。  ビジネスパートナーだと思っているので、彼 らの仕事の「役割」を紹介することにしていま す。  そして必ずT‐UPをすると、本人もやる気 を出し、責任感が強まります。  2つ目は、社外から褒められたことを本人に も報告し、さらにみんなの前でT‐UPするこ と。  こうして、お客様と直接接触することがない 立場のメンバーにも、現場の声を届けると、 「自分の作業が役立っているんだ」という手応 えを感じてもらえますし、本人だけに言うより、 みんなの前で話すことでリーダー意識が高まり ます。  そして「自己重要感」が満たされるのです。  このように常に心がけていると、彼らの組織 内での立場が上がるので、責任感も高まります。 メンバー間にも尊敬の念が生まれることで、 リーダーとしての意識もより高まり、周囲との 関係もよくなります。結果、組織がうまく回る ようになる。  トップがメンバーをT‐UPすれば、そのメ ンバーは必ずリーダーになっていくということ です。  このリーダーが育つということが、組織の発 展にいちばんつながります。だから、とにかく 手柄は彼らに渡して、リーダー意識を高めてく れる人を増やす。これが組織拡大の最大のカギ です。  例えば起業においても、自分の課題の次は、 必ず組織の課題にぶち当たります。仕事ができ る人ほど、誰かにまかせるより自分でやったほ うが早く確実だと考え、組織づくりのほうで苦 戦する人が多いようです。  しかし、組織を回せるようになると、ひとり ではできないことが実現できたり、苦手な仕事 もどんどん進むようになります。まずはメン バーのT‐UPをして、その人にリーダーの役 割の一部を担ってもらいましよう。  このように、リーダー育成でも常に「B視 点」を貫くのが《戦略的いい人》です。 リーダーに、動きたくなってもらうに は?  私か今のチームや組織運営で強く意識してき たのは、とにかく「どうやったらその人がやる 気になるのか」、これだけです。 ①言ってやらせるのは最も愚策  私はかつて自分ができたことを人に教えられ ないという悩みがありましたが、それは人にや らせようとしていたからです。  (ツとしたのは、誰かが動かないのは、相手 のせいだと思い込んでいたこと、自分が相手を くその気〉にさせられなかったんだということ に愕然としたのです。  「言ってやらせるのは最も愚策であり、どう やったら相手がやる気になるかだけを考えよ」  何度も伝えたい、私の視点を大きく変えた師 匠からの言葉です。 ⑦人を管理しないで、〈その気〉にさせる  管理されて喜ぶ人はいません。喜ぶことがあ るとしたら、その人が自分の意思で管理された いと思ったときだけ。例えば、ライザップなど はそうでしょう。  だから、その気になっていない人を管理で動 かそうとしても自分が疲れるだけです。 ③指示命令ではなく信頼  人は、信頼されていると感じたときにやる気 を出すもの。ですからトップは、「期待はしな い、でも信頼はする、もし困ったら助ける」と いうスタンスを心がけるほうがうまくいきます。  人に動いてもらいたいときに指示命令する人 は多くいますが、そうではなくて、相手が動き たくなるにはどうしたらいいかを考えます。  人に動いてもらうという目的を達成するため に、指示である必要はありません。「お願いす る」「困っている姿を見せる」「相談してみる」 「頼ってみる」でもOK。そのほうがよっぽど やる気になってくれます。  これは相手によって変わるので、自分の関係 者がどんなときにやる気を出してくれたのか、 思い出して書き出してみましよう。  ●●さんがやる気を出してくれたときは、ど んなときでしたか?  それはなぜだと思いますか? 仮説を立てて みましよう。  これは本人に直接聞いてもOK。  「●●さんはどんなときにがんばろう! つて 思う?」  自分に興味を持ってもらえたんだなと感じる ので、考えながらも答えてくれるはずです。 第三者の言葉を活用してリーダーを動か す  人を動かすということを考えるときに、組織 の規模は関係ありません。最も小さい規模の組 織、宗族で考えてみましよう。  「パートナーも子どもも、自分が言わなきや動 いてくれない!」  それは、白分か言って聞かせようとしている からではないでしょうか。とはいえ、身近な人 こそ、いちばん難しさを感じるところです。  パートナーと一緒に経営をしている私は、も ちろん毎日この問題にぶち当たりながら家庭と 会社を運営しているわけです。  言ってやらせようとしてもテコでも動かない 相手に、やる気になってもらうにはどうしたら いいのか。たどり着いた答えのひとつは、私以 外の大にやる気にしてもらうという方法でした。  身近な人の言うことは耳に大らないIこれ は夫婦や親子はとくに意識したほうがいい。だ からこそ、相手が尊敬や信頼している人の言葉 を借りて言うのが効果的です。私の場合は。  「●●さんが●●だと言ってたよ」  というふうに伝えたこともあれば、事前にお 願いしておいた人から相手に直接話してもらっ たこともあります。  不思議なことに、私か100回言うよりも、 このような影響力を持った天からの意見は、1 回ですんなり聞き入れられるものです。  「私か何回も言ってたじやん!」とは思わずに、 人間そんなものだと諦めましよう。この方法は、 リーダーや部下など身近な仕事関係者でも同じ ことが言えます。 幹部の「当事者意識」がプロジェクトを 推進する  「け1りんのチームメンバーは、なぜそんなに 主体的に動いてくれるんですか?」  よくいただく質問です。  自分が成し遂げたいプロジェクトを、優秀な メンバーが集まって自分事として動いてくれる なんて、理想的ですよね。  当事者意識を持った人の数でプロジェクトの 成長は決まります。だから、私か優秀たったわ けではなく、私は大を巻き込むのがうまかった だけなんです。  大を巻き込むためには、自分は何を目指して いて何をしようとしているのかI成し遂げた い目的やその向こうにある未来をしつかり語り、 一緒に行動してもらう理由を伝えます。それが 相手に伝わり、同意を得たら、あとは「相談」 です。  相談すると、人は自分事として考えてくれま す。  「どうしたらいいと思う?」  「どうするとよくなるかな?」  ポイントは、「志、目的、メンバーを頼る理 由」をしっかり伝えること。  質問したり相談したりしていくことで、 「ちょっと手伝ってほしい」とお願いした人が、 プロジェクトの「幹部」のようになっていくの です。そして、  「採用した●●さんのアイデア、最高たった ね!」  と伝えて満足感を高めてもらい、その相手の 立場を上げていくことを意識します。  さらに、その幹部的なメンバーが、  「け1りんのプロジェクトを手伝っている」  という発想から、  「白分たちのプロジェクトを成功させようとし ている」  という、ひとつ高い当事者意識を持ってもら えるようになれば、プロジェクトは成長してい きます。  かといって、相手もこのプロジェクトに参加 することでメリットを感じてもらえないと関係 は長続きしないので、報酬や立場や、あらゆる ところでメリットを感じてもらえるようにして いきましよう。(報酬については、第5章「還 元すると拡大するお金の仕組みとは」でも紹介 します)  そして、そのプロジェクトの幹部だちと楽し そうに活動することで、周囲がどんどん巻き込 まれていくようになります。そのためにも、当 事者意識を持った幹部を生み出すことが大切で す。 PO-NT プロジェクトの幹部メンバーをつ くっていこう 目標はチームで共有するとラクに達成で きる  トップが掲げる目標に向かってみんなで行動 することは大事です。それによって数値目標は 達成しやすくなります。リーダーや幹部級の人 たち以外のメンバーの協力も欠かせません。で すから私は、プロジェクトごとの売上目標や目 標動員数をざっくりと設定した時点で、内容を チームで共有するようにしています。  チームだけでなくお客様であるコミュニティ メンバーにも自分の目標を常に言っていると、 助けてくれる人が出てきます。  あるとき、コミュニティの会員数を●人にし ようという目標を掲げて伝えたところ、みんな がシェアや拡散に協力してくれて目標を達成し たことがありました。  そして、達成を一緒に喜んでくれたのです。  そこでわかったプロジェクト成功のポイント は、次の3つ。  1 傍観者ではなく当事者になってもらう。  2 当事者意識を持ってもらうために、目標 と現状と課題を共有する。  3 協力してほしい内容を具体的かつシンプ ルにひとつ示す。  3は、お願いしたいアクションをひとつに絞 り込むことが重要です。そうすることで、手 伝ってくれる人、力を貸してくれる人が協力し やすくなります。しかもかんたんにできること であれば、助けてくれる人は大勢現れるでしよ  そう考えると、トップは常に「今、何を目指 しているのか」「何を手伝ってちらったら嬉し いのか」を、わかりやすくしておくことが大切 になります。  そして、協力してくれた人にはたくさんの感 謝を伝えましよう。  「みんなの協力で達成できました」と伝えるこ とで、一緒に喜ぶ仲間になれます。 成果をみんなで分かち合う仕組みをつく ろう  成果を独り占めしないで、分かち合う。  これをしていくと、組織は大きくなっていき ます。  自分の力だけでがんばれるものなどありませ ん。役割をメンバーで分けて、みんなでひとつ のものをつくりあげていくケースは実際多いと 思います。  そして、真剣に関わった人に還元される仕組 みがあると、やる気が長く続きます。私は最初、 ひとつのイベント収益の一部を、他のみんなが やりたい企画の資金に充てるという取り組みか ら始めました。そして余剰が出たら、みんなで 打ち上げをしようと決めてからは、成果が大き く出るようになりました。  現在も、運営陣やプロジェクトへ参加してく れた人に、成果を還元する仕組みを続けていま す。  そうすることで、自分の取り組みを自分と同 じように真剣に考えてくれるようになります。 自分か売上を上げれば、身近な人たちを一緒に 豊かにしていけるのです。  目標が自分の生活レベルを上げることだけで は、売上はすぐに頭打ちになります。買いたい ものをひととおり買って、快適な暮らしをする ためだけだったら、その分のお金があれば十分 なのですから。  組織全体の利益を考えられる人のところには、 自然に応援者が増えていきます。  そのプロジェクトに加われば、自分も豊かに なれると感じられるからです。  人のプロジェクトに当事者意識を持って関 わった大は、自分が何かをするときにその経験 が必ず役立ちます。どんどん関わってもらって、 どんどん還元する仕組みをつくりましよう。  みんなで共有できた経験により組織の絆も深 まります。 トップとしての貢献心発動で、成果が増 大  自分が組織のトップになったときも「競争が 苦手でプレッシャーを感じる」という人は、自 分が結果を出すことが組織への貢献になると 思ってみましよう。  トップが結果を出すことは、組織の発展に大 きな影響を与えます。  結局やることは一緒なのですが、何のために やるかを決めると湧き上がるエネルギーが大き く変わります。  人には貢献したいという気持ちが備わってい るものです。自分もその気持ちをうまく使って、 成果につなげるのです。  私も法人2期目で年商5億円になったとき、 これからさらに上を目指す必要があるのかとい う問いに向き合いました。  その結果、関係者や応援してくれる人たちが、 もっと大きく成長できる機会として、上を目指 すことに決めたのです。  そうやって、自分のためという発想を手放し てみると「必ず達成したい」という強い意思で 改めて戦略を組むことができ、人に力を貸して ほしいとも言えるようになります。結果、さら なる高みを目指している最中です。  白分のつくったストーリーが組織への貢献に なるIそう思えたら強いのです。  短期間に成果を出したある講座生は、会社勤 めを辞めてデザイン業のフリーランスとして月 30万円くらいの売上たったところから、半年間 で2500万円の売上を上げて有名になりまし た。  彼は最初に会ったときから、  「僕が結果を出して、け1りんやこの講座の実 績をつくりたいです」  と言ってくれていました。  彼以外にも、競争に苦手意識のある人たちは、 「自分のため」から「組織のため」に意識を変 えることができるようになると、自分の数字を しっかりつくれるようになっていきます。  あなたがもし今の会社が嫌いな場合、大きな 組織の成功をイメージするというよりは「貢献 したい先輩、上司、部下」を意識してみましよ  私七美容室で働いていたときは、その会社の 全体までは意識を持つのがまだ難しかったので すが、「お世話になっている店長や先輩のため に売上を上げられるように貢献しよう」と思っ たら、やる気が出ましたし、実際に感謝されま した。  フリーフンスでコミュニティに属していない 人は、「お世話になったクライアントの担当者 に喜んでもらおう」とか「業界全体のイメージ UPのため」、また「自分が成果を出すことで 今後その職業につく人の希望になる」など意識 を自分以外に向けてみることで、急に力が湧い てきたりするでしょう。  そのことを踏まえて、私は相手によっては 「私のためにがんばってほしい」と伝えること すらあります。それは、その大が自分の結果だ けのためにがんばるのが苦手だと知っているか らです。 PO-NT 組織や仲間のためなら、強い力が 出る  「戦略」は周囲にネタバレしたほうがう まくいく  ここまでをまとめると、私の会社が短期間で 大きく成長できた理由は2つです。  1 自分が《戦略的いい人》だったから、巨 人の肩に乗せてもらえた  2 自分のまわりに《戦略的いい人》を増や した  「自分だけが戦略を知っていたほうがいいので は?」という発想は真逆です。  私は戦略を言いふらすようにしています。さ らに、本にまで私の戦略を書いていますが、い いことしかありません。この本に書いてきた戦 略は、相手にネタバレしていたとしても有効で す。  私の夫も仕事関係者も、誰もが私の戦略を 知っているけれど、効果はまったく衰えないど ころか、むしろ倍増しています。  まわりにもこの考え方を浸透させていくこと で、相手も《戦略的いい人》になり、お互いに 関係性がよくなり、気持ちよく仕事をしやすく なります。  講座の参加メンバーも、「この考え方を知っ ている人たちが集まる環境が、自分の事業の発 展につなかつている」と言ってくれています。  本書に書いたことは身近な人間関係や組織運 営でとても重要な視点なので、自分の身近な人 にも《戦略的いい人》の考え方を浸透させてい くと、驚くほど関係性がよくなるでしょう。  では、どうやって教えたらいいのか。第1章 でも書きましたが、「自分の身近な人には自分 の囗では伝えない」が鉄則です。この本を相手 に読んでもらうと伝わりやすいと思います。  私の最大の戦略は、自分だけでなく周囲も 《戦略的いい人》で固めていくところにあるの です。それがここまでの組織の発展につながり ました。  「回収思考」は広く長い視点で  《戦略的いい人》がお金を使うとき、誰かに 払うとき、重視するのは「回収思考」です。  普通は、すぐに回収できるものに目が行きが ちですが、私は広く長い視点で回収を考えるこ とにしています。使ったお金がまわりまわって どうなるのか、というところまで考えてお金を 使ってみましよう。  では、何に使ったら回収しやすいか?  私は「人が喜ぶことに使う」のを意識してい ます。それが、長い目で見ると大きく回収され るからです。  例えば、私はよく仕事の関係者にプレゼント したり、ご馳走したりします。それはくいい 人〉と思われたいからやっているわけではあり ません。このことでやる気を出してもらえる確 率が極めて高いからです。おまけに良好な人間 関係や仕事へのモチベーションになるので、む しろ安いのです。  さらに言うと、そういう姿を見て、一緒に仕 事をしたいと言ってくれる人が次々と現れてい ます。ということは、求人効果すら生み出して いるわけですから、コストパフォーマンスは最 高です。  また、コミュニティが2周年を迎えたタイミ ングで、記念パーティーを開催しました。メン バー300名を招待し、総予算600万円超え のパーティーです。  当時のコミュニティ月会費総額より高い予算 ですが、そのパーティーを開催した1ヵ月後に は、会員が400名も増えました。すごい宣伝 効果です。  参加した人には喜んでもらえて、組織への愛 着が増し、新規集客にまでつなかつているなん て、おトクすぎると思いませんか?  広告費を広告会社に支払う人は多くいますが、 私は内部の人に還元して広告効果を生み出す施 策を打つことにしています。そのほうが満足度 は上がり、広告宣伝にもなるからです。  ただのくいい人〉だと思われがちですが、戦 略に組み込まれていれば、回収もしつかりでき るということです。ですから、回収思考には、 全体像が見えていることが大事になります。 PO-NT お金は内部の人が喜ぶことに使い、 回収までの戦略を立てよう 安いからではなく、ほしいものを買つて いますか?  「広く長い視点での回収思考」を身につけるた めに、身近なものから価値観を考える練習をし てみましよう。  まずは、安いから買ったけど、結局はあまり 使わないIそういうもの、ありませんか? あるいは、割引率が高いからトクした気分に なっていたけど、それって本当にトクだったの かと思うようなもの。  かつて私の価値基準では、より安く手に入れ られるもののほうがいいと思っていました。で も、結局使わなかったり、気に入らなかったり したら、これって無駄な買い物じやないかと思 うようになったのです。  そうではなくて、ちょっと高くても本当にほ しいもの、本当に食べたいものを選ぶようにし ましよう。そうしたら、私は、自分を満たして くれるものにお金を使えるようになりました。  子育て中は390円のTシャツをワゴンセー ルで買うなど、汚れてもいい前提で買うのが習 慣だったので、仕事用だからといっても、高い 服を買うときはとてもドキドキしたものです。  レストランに行っても、値段で選んだときは いまいち満たされず、同席した人が頼んだもの が羨ましくなる始末でした。  でも少しずつ、お金を本当にほしいものに使 えるようになると、次は稼ぐエネルギーが湧い てきます。そして自分が満足いく経験をすると、 それを身近な人とも分かち合いたくなるもので す。  私は仕事の関係で海外に行くことも多々あり ますが、次は宗族で行きたいな、次は仲間と行 きたいなと思い、そのすばらしい体験を実現す るために、もつとがんばる気持ちになります。  人に与えられる人は、自分が満たされている 人。  お金の使い方は毎日の意識で変わります。 PO-NT 自分が幸せになる使い方をすると 稼ぐエネルギーが湧く 時間を買って快適に仕事するのも投資  次は、「時間を買えるもの」にお金を使いま しよう。  私か最初に投資したのは、家電。自分の家事 を代わりにやってくれる家電を揃えるところか らはじめました。  自分でできる家事にお金を使うのは抵抗があ りましたが、コロナ禍で国民全員が手にした給 付金で家電を買い、時間をつくることにしたの です。  乾燥機が働いてくれた30分が私に与えられた 最初の時間でした。1囗30分でも1週間なら3 時間半。30日なら15時間にもなります。  そして、その時間でお金を生み出し、次も 「時間を買えるもの」に再投資。  例えば我が家は、家事代行も取り入れました し、仕事では、自分の作業を代わってくれる人 の人件費などに充てていきました。  これを私はフリーフンス時代からずっと繰り 返し、法人化してプロジェクトを増やし、拡大 して事業規模を大きくしてきたのです。  また、「快適さ」を買うことも意識してきま した。  かつてはタクシーやグリーン車は贅沢なもの だと思つていましたが、移動の快適さを優先す ることで、自分の干不ルギーの消耗をかなり抑 えています。  大きなお金を受け取れる人は、それだけ大き な干不ルギーを人に分けられる人だと思います。 なので、自分の干不ルギーの消耗には敏感にな りましよう。  「疲れの予防」にお金を使うこともポイントで す。  疲れているといい仕事はできない。なので先 行投資をする気持ちで疲れを防いでいます。私 か定期的にマッサージに通っているのもこうし た理由からなのです。  疲れてからどうにかするのではなく、疲れる 前にルーティーン化してなるべく余計なことを かかえ込まない。リスクを減らしているわけで す。  これらは、イライラを防ぐことにもつながり ました。  私はかつてすぐイライラする人間でした。急 に不機嫌になる面倒な人。パートナーが寛大 だったからなんとかやってこられたのですが、 よくイライラを抑える本をすすめられていまし た。性格だからしようがないと思っていたので すが、そうではなくて疲れが原因だとわかった ときに、イライラを防ぐためにも、快適さをお 金で買うようになったのです。  宗族も仕事関係者も、イライラされて嬉しい 人はいませんよね。  それなのに自分の不機嫌で大切な人間関係を 壊している人は大勢います。  疲れが慢性化している日本人は本当に多い。  イライラはほぼ疲れから来ているので、疲れ 予防にお金を使いましよう。  これも《戦略的いい人》を保つ秘訣です。  お金に余裕が出てきたのも、「時間をお金で 買う」習慣が身についたからです。  昔はひと駅分の電車賃を浮かして歩いていた のが、今ではグリーン車に乗っているというの は、価値を生み出す時間にこそ投資しているこ とであり、仕事をする自分の心身をよく使える 状態に保つためにこそ投資しているということ。  これも、「広く長い視点での回収思考」につ ながります。 PO-NT 時間、快適さ、疲れ予防に投資し よう 見極めたいのは多くの人にメリットがあ る使い方  「お金は稼ぎ方じゃなくて使い方。お金を何に 使うかの見極めが経営者の仕事」  これは法人設立のタイミングで、先輩経営者 に教えてもらったことです。  おかげで私は、元手20万円から小さく始めた 個人事業を、法人化した2年後に年商5億円の 会社に成長させることができました。  SNSを用いた個人起業家は、一瞬は売れて も長続きしないケースが多い中で、私か躍進で きたのは、売れたあとのお金の使い方がポイン トだったと思います。  初めて起業すると、稼いだお金をそのまま使 いたいものに使ってしまって、なくしてしまう 人が多くいます。宝くじを当ててもお金持ちに なれないと言われるのは、受け取ったお金を何 に使うかを考えていなかったからです。それと 似ていますよね。  私は売り上げたお金の一定割合を、次の成長 やサービスのクオリティ向上、自分やチームの 作業環境改善、新たな人件費に使うことを、早 いうちから決めていました。  これも前著に書いたプロセスの中で葛藤して いたことが役立ちました。  「時間や快適さにお金を使う」「最も重要なこ とに孑孑ルギーを注ぐ」という考え方を一貫し て続けてきた、その流れです。  それにより生み出された自分の孑不ルギーや 時間が組織の拡大につながったり、次のビジネ スを生み出しています。  そう、つまり「広く長い視点での回収思考」 ですね。  私の会社の場合で言えば、最初は2人の運営 メンバーと一緒に仕事をはじめたところから売 上が伸び、同時にサポートメンバーという毎月 一定の仕事をしてくれる協力者を集め続けまし た。それがうまくはまり、今でも仕事に関わっ てくれる大は増え続けています。  その間の投資はどうだったかというと、東京 の表参道に撮影もできる事務所を借りたり、撮 影機材を買い揃えたり、イベントのノベルティ をつくつたり……仕事にまつわることで「あっ たらいいな」にお金をかけてきました。  また、働くメンバーとの親睦会やコミュニ ティ参加者への還元イベントを企画するなど、 新たな面白い企画制作にお金をかけたりしてい ます。  多くの人にメリットを感じてもらえるように、 お金を使うところを見極める。  そういうやり方をしていると、支持してくれ る人は確実に増えていきます。  当たり前のことですが、人は自分にメリット がある人を応援するもの。  だから私は、関係者がトクするところにお金 をかけるようにしているのです。 還元すると拡大するお金の仕組みとは  第4章「成果をみんなで分かち合う仕組みを つくろう」で、成果をみんなで分かち合う仕組 みづくりをお話ししましたが、それを行うこと でみんなのやる気が向上し、チームがさらに拡 大していきます。  私たちの組織は、具体的には次のようにして います。 個人の報酬を決める場合  ◆仕事を依頼したい人に、通常その人が受け    ている金額帯や、今後やりたい方向性な    どをヒアリングしたうえで、金額を提案    する。  ◆ある程度、売上見込みを予測して計算し、   相手が確実にトクできるように提案。  ◆すべて、ヒアリングしながらのケースバイ   ケースでお互いの納得点を探す。  ◆必ず、お互い事前に納得してからはじめる。  このように、仕事をお願いするときはまずヒ アリングから。  そして、相手にとってトクを感じてもらえる ことを添えて提案しています。  また、単発で頼むより継続案件のほうがお互 いにラクなので、それも考慮した内容と金額を 提案しています。  依頼先がフリーフンスのクリエイターさんた ちの場合、よくあるお悩みとして「単発での仕 事依頼が多く、売上が安定しない」という声が あります。そのため、月額固定金額で依頼し、 メリットを感じてもらいます。その分、例えば バナー制作の場合、1枚単価だとお得になる計 算で契約させてもらったりしています。  私にとっては、相手がうちの仕事に慣れてく るほど、細かい指示を都度出さなくてもいい関 係性になれる点も、メリットが大きいのです。  その際、相手に「実績をつくりたい」という ニーズがあれば、経験が積めるということも加 味して金額を相談させてもらいます。 報酬をチームで分配する率を決める場合  ◆相場や業務量を加味してその都度決めてい   ます。  ◆目に見えないコスト、時間コストなどへの   理解も常にお伝えするようには心がけて   います。  ◆報酬の割に作業が多くなってしまったとい   う案件などのときは別のことでフォロー   するように心がけています(他の案件を   別途依頼する、食事をお誘いするなど)  ◆%で配分する場合は、自分が売り上げる能   力を伸ばすと相手にもトクをさせること   ができます。 先方の予算がない・少ない仕事の場合  コーディネーター職の人から「予算のつく仕 事がない」「予算があっても低い」という悩み をよく聞きますが、私たちの場合、その案件だ けでお金にしようと思わないで全体の設計の中 でお金を受け取れる仕組みを考えるようにして います。  私の場合だと、メディア関係のお仕事や、著 名な方とのお仕事、大手企業とのお仕事、出版 にまつわることで似た状況になったとき、それ 自体でお金にならなくても、その効果を使って 売上をつくれるような仕組みを考えます。  例えばネームバリューがある仕事を引き受け たけど、報酬が安かったとしたら、そのネーム バリューを自分の実績に使わせていただいて( クをつけていけば、自分の仕事の単価を上げて いけるという考え方です。  そういう仕事は報酬がなくても引き受けるよ うにして影響力をつけていくことを意識してい ます。  このように、単純に金額だけを考えず、他の 価値も含めて判断するのも大切です。  チームに還元する仕組みとしては、次のよう なことも実践し、みんなに喜ばれています。  ◆新しい案件でも依頼をする。  ◆食事や楽しい経験を一緒にする。  ◆「こんなことしたら面白いよね!・」という   企画にお金を出して実現させ、新たな経   験や実績を共有する。  うちの場合だと、例えば表参道に事務所を借 りたことの他、国際フォーラムへの登壇、MV 撮影、映画プロジェクト、グランドプリンスホ テル新高輪の「飛天」を借りてイベントをする なども、その考え方です。  (FNS歌謡祭でお馴染みの空間を借りるとい うことで盛り上がりました・笑)  また、メンバーが「いつかつくってみたい な」と思っていたアイテムをうちの予算でつく るなども、普段別の仕事をしている人からした ら面白いんじやないかと思い、積極的に行って います。そうそう、以前、金太郎飴をつくった こともありました。  つまり、自分ひとりでは実現できないような ことが、みんなで大きくした組織のお金でなら 実現できる。その面白さを共有するようにして いるのです。 PO-NT お金以外の価値でもお互いトクを 感じる仕組みに  「顧客体験」を重ねて仕事に取り入れよ う  私は、講座やコミュニティの運営を仕事にし ているので、自分の勉強のために他の講座を受 けたり、人のコミュニティにも参加しています。  自分が提供するサービスが発展していくには、 自分が「顧客体験」をし続けることが大事だと 思っているからです。  業界は違っても、買い物をするときにはいつ も「顧客心理」を考えています。パイプランド 商品の販売も勉強になります。なぜ同じような ものが高く買われるのかを学べるからです。  また、こんなふうにしてもらうと人は嬉しい とか、買いたくなるんだ、など自分で心の変化 を感じることも役立つのです。  買い物だけでなく、サービスを受けるときも、 そうです。私の最初のキャリアは美容師でした から、自分の髪の毛は自分か働いている店で カットすれば無料でも、わざわざ名のある美容 室に行って、お金を出してカットしてもらって いました。  それはいいところもよくないと感じたところ も、どちらも学びになるからです。  そして、そのときに顧客として感じたことを、 自分が提供する側として活かす。  このように自分が顧客体験をしていると、顧 客心理、購買心理が身をもってわかり、事業に 活かしていけるのでおすすめです。  それを考えながら、お金を使ってみませんか。 PO-NT 顧客心理を学ぶつもりでお金を使 おう 人が喜ぶことや応援に使うと豊かさが増 す  ここまで紹介してきたように、収入の一部を 〈人が喜ぶことや応援〉に使う習慣を、ぜひ身 につけていきましよう。  もうおわかりのように、人に応援されながら 大きなお金を稼いでいる大には、次の共通点が あります。  ◆自分が稼いだお金で人の応援をする。  ◆周囲の大にくいい思い〉をさせている。  例えば、起業するのを家族に応援されたいと 思うなら、稼いだお金で宗族が喜ぶことやメ リットのあることなどくいい思い〉をしてもら うように計画を立てるといいでしょう。  部下や関係者も同じです。  常に自分の稼ぎの一部を人に還元していく習 慣を身につけると、人から応援されるようにな るのです。  大切な人が応援してほしいタイミングでお金 を出す。  私も人を、応援できるチャンスがあったら喜 んで応援しようというのを習慣にしてから、お 金が回り始めました。  これは会社で続けている社会貢献活動への寄 付も一緒です。  また、私のまわりで言うと、お世話になった 方が本を出版するときや、クラウドフアンデイ ングをしているとき、あるいは時間をかけて準 備してきたプロジェクトのスタートなど。もち ろん、結婚式やお祝いごとにもお金を払うこと を意識しています。  もうひとつ。私は、駆け出しでも一生懸命仕 事をしてくれる人の商品を買うのも好きなので すが、後々、ちょっといいリターンがあること に気づきました。  (私か気に入っだ商品は、売れていく傾向があ ります。すぐに紹介してしまうからですね)  人は、駆け出しの時期に応援してもらった 恩って、忘れないもの。  さらに、どんどん実力を上げて、うちの組織 の重要な戦力に育っている人も多数。  ……と思うと結局は私もトクをしているんだ と思います(笑)  最近は、私の会社の規模が大きくなってきた ため、自分の時間を使って応援することが難し くなってきました。そのとき、お金というツー ルを使って人を応援できるのは本当にありがた いことです。  それにより新たな人間関係もできています。  あなたもぜひ《戦略的いい人》のお金の使い 方を今日から実践してみませんか。  稼いだお金の一部を、人が喜ぶことや応援に 使うことを習慣にする。  そうすることで自分も応援されながら、大切 な家族や仲間たちとの豊かさを大きくしていけ るのだと、実感しています。 おわりに  この本を最後まで読んでくださりありがとう ございます。  「いい人と言われるのに、いつもちよつと損し ている気がする」 「競争は苦手でつい遠慮してしまう」  「がんばっても報われない」  そう感じている人が、ちょっと考え方を変え るだけで成果が大きく変わったり、人間関係を 飛躍的によくする方法があるということを伝え たくてこの本を書きました。  これまで《戦略的いい人》の考え方は、  「運がよかった」  「あの人はセンスがあるから」 「人間関係に恵まれていたから」  そんな風に片付けられて、あまり言語化され てこなかった部分かもしれません。  私白身も数年前までは、努力しても報われな いと感じていましたし、白分にあと何を足せば もっと人生がよくなるんだろうと真剣に悩んで いました。  でも、結局自分ひとりでできることなんて大 したことないと気づき、いい意味で自分の実力 を上げることを諦め、どうやったら人に力を借 りられるのかを真剣に考えるようになったこと で人生が大きく開けていきました。  人を頼れるようになると、これもいい意味で 「自分を信じる力」が強くなります。それは、 いま見えている成果は自分の力で成り立ってい るのではなく、たくさんの人たちの想いや経験 が支えてくれているものだと思えるようになる からです。  過去の私はちょっと成果が出ると、それを維 持していくのが怖くなって白分からやめてしま うことさえありました。  その当時は「白分かがんばらなきや」とかか え込んでいたからだと思います。  でも今は、支えてくれているメンバーがいる、  この組織を大きく発展させることで喜んでく れる人がいる  Iそういう気持ちで新たな挑戦を繰り返せ るようになり、どんどん規模が大きくなってい ます。  この《戦略的いい人》の考え方を、まずは身 近な人に実践してみてください。  人間関係に必ず変化が表れます。  私は講座生に対して「この考え方を歯磨きレ ベルの習慣になるまでやり続けよう」と話して います。  そう、大は考え方が変わって習慣が変わると、 自分をとりまく現実が動き出します。  「いい人のままでうまくいく」 まさにそれが現実になっていくんです。 この本が、そのきっかけになれば嬉しいです。                け1りん  スペシャルサンクス(順不同・敬称略)  小田桐あさぎ、〈Bポジ名付け親〉長倉顕太、 山崎潤弥、  ライフキャリアcirc-e関係者一同、B 本ずの皆様、BポジけIりん大学関係者の皆様