時代を生きる力_高城剛 まえがき  本書は、どのように二十一世紀を生きたらい      いのだろうか、について僕が考えた現状分析と      今後の展望、そしていくつかの提言である。       日本人は、二十年前とは大きく異なる、国家      から家庭に至るまでの財政状況の著しい悪化や、      天災をはじめとする様々な国難が続く日々を生      きている。そして世界に目を向けると、とっく      に冷戦が終わり、共産主義である隣国中国は経      済大国になって、新興国は続々台頭し、イン      ターネットが世界を網羅し、どこでも瞬時に情      報をやり取りすることが可能になって、その風 景は「フラット化された世界」と呼ばれること になる。  我が国は、この「フラット化された世界」の 変化に良くも悪くもついていかず、もしくはつ いていけず、独白の路線をこの二十年歩むこと になってしまった。それは、技術規格をして 「ガラパゴス」と呼ばれていたが、もはや技術 規格だけではなく、政策から情報提供にいたる まで、国際的な歩調とは同調せず、内需は成熟 しきっているのにいつまでも内向きで、時には 問題を秘匿し、結果、過去のしがらみを、いつ までも断ち切れずに温存することとなってし まったのである。僕はそれを「ひきこもり国 家」と呼んだ。  一方、ここ二十年でスポーツ選手をはじめと する個人が、海外へ出て仕事をする機会は増え ている。かつてのような日本企業の海外駐在員 や留学生ではなく、個人として海外へ転出し、 起業を含めその地の仕事と日本の仕事の両方を する人は増え、このような世界と、さらには日 本の双方で活躍する、もしくは内外問わず「ふ たつの地域で生活する」日本人は、きっと今後 ももっと増えることだろう。 『第三の波』で有名なアルビンートフラーは、 国家や企業ではなく、個人の力が増大するのが 二十一世紀の象徴的現象である、と言う。イン ターネット以降の個人情報発信力を見ればわか るように、二十世紀の発見であった「大衆」か ら「個人」へと力がシフトしつつあるのは、ど の分野でも明らかだ。トフラーは、発言力があ り、行動力がある個人の力の増大を「インデイ ビジュアルーエンパワーメント」と呼んでいる。 マスという大きな集合体から、力を持った個々 の集合体へ。実はこれが、大きな孑孑ルギーを 必要とした大量生産社会からの脱却を意味し、 この動きが、二十一世紀の力の鍵となると僕は 思っている。  すでにいくつかの国ではマスをターゲットに したテレビ広告費より、セグメントされたウェ ブ広告費が上まわり、個人ブログなどに割り当 てられる金額も年々増え、大量情報提供は、発 信力の低下が続いているのが世界的傾向である。 残念ながら、我が国では、まだまだ圧倒的にテ レビの力が強く、結果、二十年前までの日本式 システムをいまだに強固にし、「情報談合」が 日々行われている。この日本の「情報の壁」を 突破しない限り、日本が自ら大きく変わること はできないだろう。  では、日本の自浄作用を待っていれば、いつ の日か国民にあまねく情報が提供され、あらゆ る事象に対して、国民が適切な判断ができる日 がくるのであろうか? その回答は、僕にはわ からない。しかし、時間がかかるのは間違いな い。いますぐに「情報の壁」を突破する改革を はじめても、最低で7年から10年はかかるだ ろう。そして、その間に世界はもっと激変する のも間違いない。  だから、日本の自浄作用を待っている、もし くはあらゆる手法で働きかけてその速度を速め るのと同時に、個人個人がいままでの価値観と は違うあたらしい世界を並行して作るべきだ、 世界の中の日本人を追求すべき時なのではない だろうか、その強い個人の集合体が次の日本を 切り開くだろうというのが、ここ数年の僕の提 言である。その基本姿勢を「「イブリッド」と 呼んでいる。  自動車に代表される「「イブリッド」という 言葉は、石油にも電気にも、どちらにも極端に 依存せず、巧みにそのふたつを行き来する術で ある。これは、器用で賢い日本のお家芸とも言 える術だと思う。  わずか10年少し前まで、(イブリッドの自 動車は市販されていなかったが、いまや世界中 で当たり前の車種となった。あらゆる業界の 日々の変化は大きくなるばかりで、SNSなど で相互に情報を交換し、さらには自分のコン ピュータで映像や音楽を作って、それを配信し てビジネスにするようなことは、少し前まで まったく考えられなかったことだ。  だったら少し先の未来は、どうなるだろう? 可能であればふたつの場所に住んで行き来し、 できればふたつの仕事をし、そのふたつを合わ せると力が倍増するようなことが可能かどうか、 徹底的に追求してみるのは、いまなのではない か。そして、この過酷な時代を生きるリスクは 半減し、楽しさや仲間は三倍増するような生き 方があるのではないか。戦後復興から高度経済 成長時には、個人や家族を犠牲にして脇目もふ らず一丸となって働いて来た時を経て、成熟し た国家は、個々があたらしい自己を追求するこ とで強い個人が生まれ、その集合体でしか、次 の日本のビジョンはないのではないか、そのよ うな個性的であり責任感がある政治家や官僚が 増えなければ外交すらまともにできないのでは ないか、海外で働くスポーツ選手が、その国で の競技とは別に、世界大会になれば日本に集結 するようなことは、結果、世界的な俯瞰した目 を持つあたらしい強い日本人が増えることにな り、日本そのものがよりあたらしく強固になる のではないか、と思っている。  どちらにしろ、311以降は、あらゆる人た ちがあらゆる関係を見直す時期に来ているのは 間違いない。家族や友人、会社や国家に至るま で、その間の見えづらくなっていた関係が思わ ぬ浮上をしたため、多くの人々があたらしい現 実に直面しているからである。  今年は、奇遇にも年初に自分の中で執筆年と した。数多くの提言を続けていきたいと思って いる。  いまこそ、二十一世紀の生き方を皆で考え追 求すべき時だから。                  高城 剛     目次     劃刺が副 可川なぜ、この本を出版しようと思ったのですか? 可 剥311の東日本大震災は「未曾有の」という形容詞がま さに相応しい、甚大な被害をもたらす震災となりました。 以前から、著作等で地球規模の大きな気候変動について指 摘されていたわけですが、今回の東日本大震災の、この時 期と規模について、どのように感じられましたか? 可爿 今回の震災では、常々指摘してこられた「ひきこもり国家 日本」の問題点が続々と顕わになってきたという印象があ ります。例えば、政府の緊急事態への対応の鈍さ、責任の 所在の曖昧さは目に余り、また、原発事故に対しては、官 僚、東電、マスコミも含め「情報」を扱うことの意味や重 大さへの意識が根本的に欠けているように見受けられます。 政府の危機管理、メディアの情報の扱いなど、本来はどの ような対応が相応しいものであったとお考えですか。咄 刮不透明な日本式システムの正体と問題点を最初に指摘し たのは誰なのでしょうか? 咄引現在の日本式システムが 抱える、最大の問題点はなんですか? 咄剛なぜ、日本だ け、時代から取り残され、「日本式システム」なるものが 生まれ、そしていまなお存続しているのでしょうか? 可 刔硬直してしまっている日本式システムに比べて、諸外国 のシステムは、もう少しフレキシブルなのでしょうか? 可剛日本式システムを、すぐに変えることはできるので しょうか? 可俐311をきっかけに露呈した日本式シス テムですが、その病巣はかなり根深いように思われます。 もしこのまま日本式システムが変わらなければ、日本とい う国は、どうなっていくのでしょうか?     SURVIVA」 G()(){}X宕} エマージェンシー・ブ     ランケット 可川01「ただちに問題がない」ということが、本当はシリ アスな局面を見えなくしているのでしょうか? 。剛川11一 方で、直接被災したのではない一般市民は、一部で日常品 の買い占め等があったものの、総じて冷静に対応している とも言えます。しかし、原発事故に対し、むしろ鈍感なの ではないか、という意見もまた一方にはあります。このよ うな「東京」の対応をどう感じますか。 可川21今回の震 災、そして原発事故によって、日本の、そして世界の大き なイシューである干不ルギー問題が極めて現実的な問題と して浮上してきました。世界の、そして日本の干不ルギー 政策の抱える一番の問題点はなんだとお考えですか。そし て原子力孑孑ルギーの今後に関してはどのようにお考えで すか? 。剛月31今回の震災を受け、日本でも「安全はタダ じゃない」と意識しはじめるのではないかと思うのですが、 「安全」を個人レベルで「確保」するために、今後必要と なるのはどんな事柄、そしてどんな行動なのでしょうか。 可り41今回の大震災を、第二次世界大戦の敗戦に匹敵する 歴史的な転換点として捉え、これまで日本が抱えてきた諸 矛盾を変えていく大きなきっかけとして期待する意識も一 部の論評には見受けられます。こういった考えについて、 高城さんは、どのように感じられていますか? 。剛11−51未 曾有の災害に襲われ、経済的にもムード的にも、いっそう 閉塞感が漂ってしまっています。日本は、今後まだあらだ な脅威にさらされる可能性はあるのでしょうか? 咄川61 国家や政治の在り方より、なぜ、それほどまでに。個人” が重要なのでしょうか? 咄川刀咼城さん個人は、地震当 日からしばらくの間、どこでなにをしていましたか? 咄 川剛ロシアやアメリカの申し出に対して、動きが鈍いまま、 結局原発の水素爆発は起きてしまいました。・・。高城さんは、 その後、どのような動きをされていたのでしょうか。咄 川俐日本式システムが抱える問題からなんとか脱却するた めの第一歩は、なんだとお考えですか? 咄引01日本のテ レビの制作(ソフト)と送出((Iド)を分けると、なに が変わるのでしょうか? 咄引11具体的な打開策やアイデ アはありますか? 。咽引割テレビが変わると、これまで閉 ざされていた情報がオープンになるのですか?     SURVIVA」 G()OCX宕` 衛星スマートフォン 可引31インターネットはまだまだ非力だと前述されていま すが、現在のインターネット環境の発展は日々目を見張る ものがあります。日本を変えるためにインターネットを活 用する、良い手だてはないのでしょうか? 可引417年後 の2018〜2020年頃に、インターネットがテレビを 駆逐する時、どのような変化が日本に起きるのでしょう か? 。咽引引現在から2018年までの間は、日本の経済 や政治、文化はどのように推移していくか、高城さんなり に予想していただけますか? 咄引61「1860年前後の 世界的な動きの上に、1920〜1930年代の経済シス テムが乗っている」という状況を、もう少し詳しく説明し ていただけないでしょうか? 咄引71孑孑ルギーの変換期、 ブラジルーオリンピックなどを経た、ターニングポイント になるであろう2018年には、どのようなことが予測さ れますか?     SURVIVA」 G()OCX宕W 濾過ストロー 可判81これからの政治家に必要とされる資質はなんです か? 。咽引91震災後、経済的にも観光産業や輸出業も打撃 を受け、歴史的には経済恐慌や戦争がいつでも起こりうる ようなタームに突入してしまったと実感します。今後の日 本にはどのような対策や政策が、必要だと思われますか? 可引01震災復興で、一番大切なことはなんでしようか? 具体的にはどのような手だてがありますか? なにかモデ ルヶIスはありますか? 可引11東北を人が集まる場所に するには、どのようなプランがありますか? 。咽引割人を 集める場所をつくるため、高城さんが提唱している「第三 の土地」とは、どんなプランですか? 咄31−31「第三の土 地」のようなプランを実行するにあたって、一番の障害は            I なんだとお考えですか? Q34アメリカやフランスなど からの外圧があるようですが、原発はいまだ、孑孑ルギー 政策の主役であり続けますか? 。咽引引原発至上主義に替 わる新干孑ルギー政策は、どんなものが考えられますか? 咄引61そういった全世界の動きの中で、日本のIT産業も、 干不ルギーに向かっているのですか? 咄31−71これまでの 原発にとって代われる具体的な自然代替干不ルギーは、ど のようなものがいいと考えますか?     SURVIVA」 G()OCX宕卜 宇宙食 可爿81様々なしがらみや既得権益に縛られている中で、今 後、このような自然代替干不ルギー発電所が急ピッチで建 てられると思いますか? 可引91そうなると、いままでと 変わらず、ズルズルと原発が稼動したままなのでしょう か? 自然代替干不ルギーを提案するいい方策はありませ んか? 。剛41。01そんなアイデアを実現できる地域の首長が 日本にいますか? 。印41川脱原発、自然代替干不ルギーを 理想とすると、その実現可能性はどれぐらいありますか? 可引21世界は、混迷する日本のいまの状況をどう見ていま すか? 。剛41−31国もだめ、地方自治体もだめとなった場合。 。個人”としてできることはなんですか? 可引41「ジヤ パンーアズーニューナンバーワン」の時代に向け、個人個 人はどのように見直すべきでしょうか? 可41−51ご白身が 発電をしている中で、お感じになった問題点を教えてくだ さい。。剛41−61個人で発電をしても、現状だと「売電」で きないようですが、その問題を解決する手だてはあります か? 。印引刀子不ルギー自炊ではすべてを賄いきれない。 とのことですが、不足した「電力」はどうしたらいいです か?     SURVIVA」 G()(){}X宕J ソーラーパネル 可判81干不ルギー自炊をしたくても、個人で発電をできる 大は限られていると思いますが? 。剛41。91数人の管理者の 下のテンポラリーな共同体というのは、例えば、60年代 のコミューンのようなものでしょうか? 叨51.01週末の 。ヴァーチャルーヴィレッジ的場所”を持つことによって、 解決される問題はどんなことなのでしょうか? 。咽51。川新 しい共有コミュニティを、物理的、精神的、機能的に成立 させうる条件とはなんですか? 。咽51−21簡単に言うと、 ヴァーチャルーヴィレッジといままでの家の二重生活のよ うなものでしょうか? 可51−引実際に、高城さんご白身は 二地点以上で暮らしていますよね? 可51−制数年前からそ のような生き方を実践しはじめたのは、今回の震災や原発 事故の可能性を予期していたように見えますが。 可51−引 それを見通したからこそ、資産を処分し、住所不定として 生きているのですか?     SURVIVA」 GOOI)S 006 SKINS 可51.剛世界維新期を迎えて、個人は、どのように生きれば          I いいのでしょうか? Oヽ57ひとっぴとつについて、もう 少し詳しく教えていただけますか? まず「水・食料」を 個人で入手するためにはどうしたらいいでしょうか? 咄 引剛「孑孑ルギー」にはどうやってアプローチしますか? 可51−叫「外交」に関しては? 咄哨01今後、あらゆる職業 の日本人が、海外で仕事をすることをもっと追求すべきで しょうか? 咄哨E‥‥1海外で仕事をする上で、語学以外に大 切なことはなんでしょうか? 咄哨21「医療」に関しては いかがでしょうか? 。q61−31「娯楽」については、いかが でしょうか?     SURVIVA」 GOODS 007 iPad 可61.41宗教は、いままで以上に入信する人が増えると思い ますか? 可61.51宗教や哲学など精神的なものに注目が集 まる時代に、なにを大切にすべきでしょうか? 。剛61。61な ぜ自然を大切にし、ふれあう時間を増やす必要があるので しょうか? 可61.71なにか、自然を考える機会を持つため の良いアイデアはありますか? 。咽6181文明と自然は、衝 突するものでしょうか? 可61.91生活を近代前に戻す必要 があると考えますか? 可71.則人類は滅ぶと思いますか? 可引川最後に「二十一世紀の生き方」を教えてください。     巨が剞 時代を生きる力 QI なぜ、この本を出版しようと思ったのですか?   A 前作『私の名前は高城剛。住所不定、     職業不明』の1年後に、続編を出した     いと考えていました。しかし311に     よって、世界が急変しました。いま、     すべての人にとって「転機」が訪れた     のです。     家族や友人、会社や国家との関係まで、      見えなかったものが急浮上してきてお      リ、至急あらゆることを再考する時だ      と思つたからです。 Oヽ2 311の東日本大震災は「未曾有の」という形容詞 がまさに相応しい、甚大な被害をもたらす震災となりまし た。 以前から、著作等で地球規模の大きな気候変動について指 摘されていたわけですが、今回の東日本大震災の、この時 期と規模について、どのように感じられましたか?    A 二十一世紀に入り、太平洋プレートが 活発化し、極端に大きな地震が頻繁に 起きるようになりました。理由はわか りませんが、環太平洋地域の地震多発 地帯は、ここ数年万全の注意が必要で あり、それを僕の著書にも何度七記し ました。しかし、そのような警鐘を、 まるで人ごとのように多くの日本人は スルーして過ごしてしまいました。昨 年夏に、自身で訪れたニュージーラン ドの南島でも、地震が活発化している      ことは現地で多くの人の問で頻繁に出      ていた話題で、注意をお互い呼びかけ      ていました。その後、実際に震災に見      舞われることになってしまいました。      そして、日本を含む環太平洋地震およ      びその周辺地震は、今後も続くでしよ O、3 今回の震災では、常々指摘してこられた「ひきこも り国家日本」の問題点が続々と顕わになってきたという 印象があります。例えば、政府の緊急事態への対応の鈍さ、 責任の所在の曖昧さは目に余り、また、原発事故に対して は、官僚、東電、マスコミも含め「情報」を扱うことの意 味や重大さへの意識が根本的に欠けているように見受けら れます。政府の危機管理、メディアの情報の扱いなど、本 来はどのような対応が相応しいものであったとお考えです か。    A 今回の問題は、3つに分けられます。      「地震と津波」、「原発事故」、「その後の      対応」です。地震と津波に関しまして は、これは天災ですので仕方がありま せん。迅速で適切な復興計画を望むと 同時に、地震国に暮らしている以上、 常に細心の注意を払うしかないのです。 しかし、原発事故は、ここ数年の著書 にも書いてきましたが、起こるべくし て起こった事故です。日本のいくつか の原発は、構造上の問題があり、地震 大国ということもあって、保険の引き 受け手がなかなか見つからないことは、 世界では常識でした。この対応を適切 にしてこなかったのは、人災だと思い ます。一番の問題は、「その後の対応」 です。ここで近年の日本の問題点が一 気に露呈したと思います。 バブル崩壊以降、日本の問題は「速度」 と「責任の所在の曖昧さ」にあります。 バブル経済が崩壊した20年前に、日本 が破綻、IMF管理下になっていたら、 現在、日本は素晴らしい国になってい た可能性が高い、と多くの海外誌で言 われているように、日本は転機を逃し ました。経済状況が変わっても、借金 を続け、少子高齢化が顕著になっても 年功序列や学歴社会のような、かつて の「制度」だけが残ってしまったので す。その「制度」の典型例のひとつが 官僚をはじめとする公務員システムで、 少し乱暴に言えば、なにもしなければ しないだけ、出世し、儲かる仕組みな のです。黙っていても、年功序列でそ れなりに上に行きますからね。だから、 いろいろなことをゆっくり進めること が、この「制度」では日常的なのです。 そして、なにか失敗しても、自分に非 が来ないように、責任の所在を曖昧に すること、もポイントです。問題が起 きても、誰が悪いのかわからないうち に、うやむやにできるからです。これ  らが、日本が国際的に歩調を合わせる  ことを大きく阻み、日本式システムを  堅持してきました。政治家や官僚ひと  りひとりが問題ではなく、システムが  問題なのです。 実は311以降、我々が直面しているの  は、震災でも原発事故でもなく、この  日本式システムそのものなのです。即  座に対応できず、責任の所在が曖昧で あり、また、システムが極めて不透明 だということです。本来、この日本式 システムを暴き、改善させようとする のは、マスコミを通じた国民の意思で すが、我が国の問題は、マスコミもこ の日本式システムに入ってしまってい ることです。御用学者だろうが誰だろ うが「専門家の言うことが正しい」と いうスタンスが、テレビ番組の責任者 の考えです。独自取材しようとは、あ  まり本気で思っていません。あとで、  責任取りたくないですからね、番組  各々のプロデューサーは。御用学者だ  ろうが、なんだろうが、専門家の言う  通りに放送すれば、なにかあっても日  本だと責任は専門家ですから。 当たり前ですが、有事の対応は「迅速」、  情報の「透明性」が、絶対だと思いま  す。しかし、いまの囗本の問題は「拙 速」であり、「不透明性」である「日 本式システム」にあるのです。 今回、災害でお亡くなりになった人だ ちより、囗本の1年問の自殺者が多い のは、忘れてはならないことです。そ れこそが、「未曾有」の出来事のはずで あり、日本が本当に直面している問題 であり、そしてその多くの原因は「日 本式システム」にあるのです。 ですので、まずはテレビが変わらないと、 日本は変わらない、とも言えます。誰 が総理大臣になっても、あまり変わら ないことは周知の事実だと思います。 逆に言えば、テレビを見ていれば、日 本の未来が見えてきます。残念ながら、 インターネットは、まだまだ非力なの と、ユーザーの世界を狭くします。仕 組みが、自分の好みに合わせた情報を 得やすくなっていますので。 Q4 不透明な日本式システムの正体と問題点を最初に指 摘したのは誰なのでしょうか?   A 20年前に、『日本/権力構造の謎』を出      版したジャーナリストで国際比較政治      学者であるカレルーヴアンーウォルフ      レン(白)は、日本の問題を、「官僚シ      ステムの責任中枢システムの欠如であ      る」と指摘しました。その後出版した      『人間を幸福にしない日本というシステ  ム』では、管理されたリアリティの壁  に隠された日本式システムの支配から  日本人は脱出すべきだと説いています。 また最近、朝日新聞が掲載したウィキ  リークスから露呈したように、米政府  の在日大使館が2008年、地震も含  む日本政府の災害や危機への対応では、  「官僚制の縦割りや目先のリスク回避  の風潮」が弱点となり得ると内部文書  で指摘していたことがわかりました。 経済的に相互依存を深める米国にとっ て「日本での破滅的な出来事は重大な 影響を及ぼす可能性がある」と警告し ていて、公電は、自然災害や人的脅威 は様々な形態が考えられる中、「日本 の官僚制と計画制度は柔軟さを欠くか もしれず、結果として日本は、未知か あらだな備えを必要とする脅威には弱 点を持ち得る。そうした状況が重大シ ステムやサービスの長期間にわたる喪 失につながり得る」と指摘したと伝え られています。 この日本式システム下の311以降は、 日本の一部のエリートークラスターT 乙だけで密室で決められていたことの 露呈であり、既得権益、箱モノ行政、 ガラパゴスと呼ばれたものの正体であ り、すべて同じ根を持っています。こ の国難にこのシステムを変えられるか どうかの瀬戸際の日々に、すべての日     本人はいま生きているのです。この日     本式システムこそ、原発以上に老朽化     していると僕は思っています。今後日     本式システムがどのように変わるのか     が、いまの日本の様々な問題を解決す     る唯一の策であり、未来の日本と日本     人を大きく変えることになるでしょう。 Oヽ5 現在の日本式システムが抱える、最大の問題点はな んですか? A 一番の問題はいまの世界の考え方や標   準的速度に合ってないことです。不透   明すぎるのと、決定が曖昧なので、時   間がかかり有事にも向いていません。   家が火事の時に、合議制で誰が消すか   をゆっくり決めるような仕組みになっ   てしまっています。少し乱暴に言えば、   燃え盛る火を消さない人、問題を先送   りにするような人が出世するシステム  なのです。会議で決まる前に、率先し  て火を消そうとする人は叩かれるよう  な、出る杭をお互いが監視し叩き合う  ような、問題あるシステムで、日々、  大きく変化する世界情勢にも向いてい  ません。 さらに、システムの使い方次第では、  ちよっとした悪意を持てば情報を隠蔽  しやすく、責任を曖昧にできる仕組み  なのです。もっと柔らかくオープンな システムにしないと、日々世界情勢が 動き、変化のスピードを求められる現 代社会には合いません。いまのままだ と、明らかに成長が鈍化してしまって いる上に、表面化していない危機が浮 上するだけですから。福島原発のこと でも、多くの人がわかったと思います。 また、大きく変わった明治維新から第 二次世界大戦終戦まで、その問約80年。 そろそろ、日本は再び大きく変わる頃     であり、その前にいろいろな問題が露     呈してくる時なんだと思います。老朽     化した家を建て替えるように、システ     ムを再構築するタイミングでもあるの     です。ここで舵取りを間違えると、こ     の先80年日本はお先真っ暗になるで     しよう。 Oヽ6 なぜ、日本だけ、時代から取り残され、「日本式シ ステム」なるものが生まれ、そしていまなお存続している のでしょうか?   A 根幹は、バブル経済の崩壊とその後の     対処にあると思います。日本特有の事     象たった高度経済成長期には、それな     りにうまく行っていたと思いますが、     いつまでもコントロールできると思っ     ていた経済が、バブル崩壊であっとい     う間に手に負えない状態になってし     まっだことに起因すると思います。ピ  ンチ=想定外に弱いということなのだ  と思います。 また、その後対応を間違えたまま、方向  転換せずに借金だけを重ね、システム  だけは残ってしまったことが大きいと  思います。同時に、いつまでも高度経  済成長の日本の成功体験にしがみつき、  世界に目を向けなかったこともあるで  しよう。ですので、グローバリゼー  ションに乗り遅れ、古いシステムを堅  持し、生産年齢人口の激減、超高齢化、  内需が萎み、企業はリストラもし、そ  してデフレと悪いスパイラルに陥って  しまって自浄できない。結果、問題は  先送りし、多くの日本人は言い訳と責  任逃れ、そして突出せずに「空気を読  むこと」を第一に考えるようになって  しまいました。問題を先送りしても、  どこかで問題は露呈するのですが。 当時学生たった僕から見ても、バブル崩 壊までの日本は「加点方式」に見えま した。それが、バブル崩壊後から「減 点方式」に変わり、失敗か成功かわか らないけどやってみる気骨より、絶対 にミスをしないことに正義や完璧さを 見いたしたのだと思います。さらに、 失敗者を排除し、表面的なコンプライ アンスによって、お互いがお互いを監 視し、首を絞め合い、強度に閉ざされ た村社会を再構築したのです。 そして、まだまだ日本は年功序列なので  す。政治家の年齢を見れば、わかるこ  とです。ということは日本式システム  では、なにもしなければ、ミスもなく  なり、年齢とともに出世することがい  まも継続されているのです。実際、バ  ブル崩壊後、一般企業は苦しみました  が、あまり苦しまず、この方式に乗っ  て育つだのが多くの官僚や役人です。  なにしろ、一般企業は金融機関さえも  経営が大変でしたが、官僚が持つ予算  はあまり減ってないどころか、相対的  に増えたので、ひとり勝ち状態になり  ました。これが日本式システムにさら  に力を与えたのです。 さらに日本は、法治国家です。ですので、  法を作れる人すなわち東大法学部出身  の官僚が一番偉いのです。各省庁とも、  その分野の専門家より、法学部出身の  文章を書くのがうまい人たちに力があ  るということになります。 政治家は、法律などほとんどわかりませ  ん。弁護士出身の政治家でさえ、法案  すべてに目を通し、理解する人はいま  せん。そして、日々法律はできよかっ  ていきます。一見、公開し審議を重ね  ているように見えますが、実は出来  レースに近いことが、原発事故で露呈  しました。すべての業界がそのような 仕組みで、近代日本は構築されてきた のです。これは、独裁者のようなわか りやすい仕組みとは違う、非常に複雑 なシステムで、しかも、作ってしまっ た人たちが自分たちの首を絞めるよう な仕組みになってしまっているのです。 東電や官僚、政治家を見ればわかるよ うに、お互いがお互いの秘密を握り 合っている状態なのです。だから、誰 が悪いのではなく、日本式システムの      問題なのです。僕が知る限りにおいて      は、官僚ひとりひとりは、日本を愛し      人間的にもしっかりした人たちが多く      います。しかし、システムが問題なの      です。これが、今回の原発事故から連      なるその後の対応までの問題の本質な      のです。 Oヽ7 硬直してしまっている日本式システムに比べて、諸 外国のシステムは、もう少しフレキシブルなのでしょう か?   A 先進国に限って言えばどこの国にもな     んらかの問題はありますが、どこの国     も、システムそのものはもう少し柔軟     にできています。アメリカでは、政権     交代時に数千人規模で政府上層部が入     れ替わるのです。また、大企業の系列     ではない独立型の小さなシンクタンク     が、官僚に代わって法案作成をし、客      観的なものさしを持たせるようにして      います。また、それなりに中立的なマ      スメディアの目も光っています。 Oヽ8 日本式システムを、すぐに変えることはできるので しょうか?   A 難しいと思います。もし、変えられる      としたら、それはマスメディアの仕事      からはじまると思いますが、マスメ  ディアそのものが官僚化してきていま  すので、かなり難しいと思うのです。 先も申し上げましたが、インターネット  の力では、当面変化を望むのは難しい  と思います。最近の言葉で言う「原発  村」のようなものである「マスコミ  村」がありますので。  テレビを中心とするマスコミの仕事は  本来、国民が必要とする情報を偏りな  く報道することです。これは、マスコ  ミが、視聴者の方を向いていれば、で  すが。しかし実際は、祝聴率には向い  ていよすが、祝聴者の方を向いておら  ず、スポンサーや長いものに巻かれる  ことをよしとします。そして、著名夕  レント起用などの別の手法で視聴率を  稼ぐことを是としているのです。 逆に言えば、テレビが変われば日本は大  きく変わる可能性があるということで  す。実は、テレビが変わることが唯一      の日本再生スタートの機会だと思いま      す。 O、9 311をきっかけに露呈した日本式システムですが、 その病巣はかなり根深いように思われます。もしこのまま 日本式システムが変わらなければ、日本という国は、どう なっていくのでしょうか?   A よくある例の携帯電話の「ガラパゴス」      規格によって、世界に出遅れたような      ことが、第一次産業から第三次産業ま  で、すべてに起こり、国内同士でモタ  モタしているうちに、あらゆる面で他  国の餌食になるでしょう。最近の言葉  で言えば、「ガラパゴス」に群がる「八  ゲタカ」ということかもしれません。  それが、国家レベルで行われるという  ことです。既に原発の事故処理などで  はじまっていると思います。 もしかしたら、問題がある寡占的業界を  自由化するには、一度この道を通らね ばならないのかもしれません。今後日 本が行く道は、多くの国々のように一 度早急にグローバル化し、短期的に外 資参入されても長期的にあたらしい日 本を考え直すのか、あるいはすぐにマ スメディアを正し国民が的確な情報を 得ながら日本式システムを一刻も早く 自浄していくのか、もしくは相変わら ずの速度で徐々に国家が疲弊していく のか、の三方向に分かれるのではない  でしょうか。 僕はいま、最後の徐々に疲弊していく道  に進んでいると見ています。なぜなら、  「ただちに問題はない」からです。 SURVIVA」 GO(){}X目← エマージェンシー・ブランケット  僕が海外旅行時の必需品として持ち歩いているのが、エ マージェンシー・ブランケット。NASAのアポロ宇宙計 画による超断熱性材料開発の副産物として1964年に開 発された緊急用毛布で、呼び方が様々あり、サバイバル毛 布とか緊急用ブランケットなどとも呼ばれますが基本的に は同じ物です。最近はキャンプ用品店でも見かけるように なったコストパフォーマンス抜群の逸品です。  一見、巨大なアルミホイルに思えますが、薄手で携帯性 に優れ、なにより保温効果が抜群にあります。アルミ蒸着 を施した極薄のポリエチレンフィルムで作られ、1枚で毛 布数枚分の保温力があり、防風・防湿の効果もあります。  僕が海外旅行に持ち歩く理由は、南国に夏服だけで行っ たのはいいけど、思ったより夜が寒くて、宿には暖房がな くて風邪引きそう、のような際に使います。最近も、お正 月の(ワイのノースショアで活躍しました。  また、表面が金色、裏面が銀色といったタイプもあって、 銀色は太陽光を跳ね返しますので、夏の自動車などの車内 に熱が溜まらないようにフロントガラスに置いておくのも 効果的です。  難点は、素材が薄くて軽いため、風に吹き飛ばされやす く、また石などで破れやすいこと。筒状や袋状タイプも販 売されているので、自分に合ったものを選びましよう。  また、夜寝る際に体に巻いていると、思ったよリガサガ サ音がしますが、緊急時にはそんなこと言ってられないで しようね。音が気になるくらいの際は、まだ大丈夫、だと 白身でご判断くださいませ。 Q10 「ただちに問題がない」ということが、本当はシ リアスな局面を見えなくしているのでしょうか?   A 財政破綻やテロ、異常気象や政権を揺      るがす暴動なら、まだ国民が耐えられ      ることも多いと思いますが、強皮のウ      イルスのようなものが蔓延しても、こ      の日本式システムは、発病するまで      「ただちに問題はない」と今回と同じよ      うに言うでしょう。実際、現代社会に おいて、疫病やウイルス、いわゆるパ ンデミツクの可能性はとても高くあり、 その可能性を各国重く受け止め対応し ています。このようなことは、もはや  一国の事態ではないので、国際社会と どう協調するかが、大切になります。 福島原発事故により放射能汚染水を海 に流し、それに浸かった魚を海鳥が食 べて、そのフンが陸地に再び戻ってく ることを懸念している生態学者のコメ ントは、世界のマスコミを賑わしてい ます。日本はいまだに原子力の学者ば かりの意見が多くの誌面を飾っていま すが、既に問題は多面的になってきて、 事は生態系までに広がっているのです。 特に海洋汚染は想像を絶します。政府 が秘匿していることも多いと思います。 僕は「鳥」が、放射能に隕らずこの10 年でなにかの災いをもたらす可能性が 大変高いと睨んでいます。それは、こ     こ数年で明らかに鳥の生態系が変わっ     てきているからです。    どちらにしろ、このままの日本式システ     ムの体制では、遅かれ早かれ日本は国     家として機能しなくなる日が来る可能     性があると思います。    そして、311以降の対応を見て、その     日は遠くないと感じます。 O、11 一方で、直接被災したのではない一般市民は、一 部で日常品の買い占め等があったものの、総じて冷静に対 応しているとも言えます。しかし、原発事故に対し、むし ろ鈍感なのではないか、という意見もまた一方にはありま す。このような「東京」の対応をどう感じますか。   A 現実を悲観的に見るのも、楽観的に見      るのも、どちらも問題があるように思      えます。先ほど話しましたように、こ      れは、情報の透明性が低いことに起因      していると思います。極端なワースト ケースを想定する必要はないと思いま すが、現実的なワーストケースを考え る必要はあるでしょう。「ただちに」と いう言葉に表されていると思いました が、考えるべきは「いま」ではなく 「少し先」だからです。 これは、日常的な「情報中毒」に問題が  あると思います。テレビもインター  ネットも、「いまより昔」の話題は尽 きませんが「少し先」のことは伝えて いません。ですので、どんなに「情 報」を集めても、「少し先」はわから ないのです。 僕は首相官邸、米国ホワイトハウス、 ロシア原発専門家、海外の報道機関か ら直接情報を得ながら、いくつかの ケースを考え、また今後についても現 実的なワーストケースを考えました。 少なくとも、僕の知る限り、首相官邸 は一般報道とは違うことを話していま した。記者の何人かは、そのことも 知っていますが、報道することはあり ません。先も申し上げたように、大手 テレビ局は「専門家が安全と言うなら 安全」という立場で、自分たちで真実 の取材や可能性の追求をしようとは、 あまり思っていません。よく、圧力と 言う人もいますが、それは少し違って。 テレビが勝手に自主規制しているだけ      です。なにしろ、日本で大切なのは      「真実より空気を読むこと」ですから。      多くの国民もこれに甘んじていたわけ      で、情報を受け取る側の問題は、これ      に尽きると思います。 Oヽ12 今回の震災、そして原発事故によって、日本の、 そして世界の大きなイシューである干不ルギー問題が極め て現実的な問題として浮上してきました。世界の、そして 日本の孑孑ルギー政策の抱える一番の問題点はなんだとお 考えですか。そして原子力孑孑ルギーの今後に関してはど のようにお考えですか?   A 50年前は冷戦まっただ中で、戦後復興     から高度経済成長中の干不ルギー不足     の時代であり、干不ルギー資源に乏し     い日本の状況は、理解に値します。ま     た、当時日本政府の一部は核武装をし     たかったため、そのための技術移転の     ための原発推進という側面も否めませ     ん。しかし、二十一世紀に入る直前か ら、冷戦が終わり、太陽光や風力など の発電コストが原発と近くなったこと、 チェルノブイリの苦い思い出と重なり、 世界は脱原発に向かったのですが、日 本は、その世界的な流れを一切無視し ました。僕はそれを問題ある「ひきこ もり国家」と称しました。これはエネ ルギー問題に限りません。国家システ ムそのものが古くなってしまい、さら には誰もそれを正すことができないま ま、現在に至ります。 今後は、世界に遅れること十数年、本 来たどるべき道である、新設の原発を やめ既存原発を止める方向に向かいな がら、自然代替エネルギーへと急速に 転化することがまずは必要でしょう。 周回遅れの感は否めませんが、蓄電技 術は伸びるでしょう。そして、10年だ つと、恐らく2020年ぐらいですが、 日本のエネルギー政策は再び次の分岐 点にさしかかります。様々な自然代替 エネルギーの限界が見えるのか、発展 し続ける社会の電力消費に追いつかず 原発に戻すのか、の議論になります。 ここまでは、チェルノブイリ以降の ヨーロッパの動向通りです。その問に、 人間社会は発展し続ける必要があるの か、経済成長は幸せなのか、という哲 学に近い議論も深く討議されるでしよ  2020年ぐらいに日本が選べるあら  たな道は、メタンバイトレートTこ  の実用化でしょう。2020年ぐらい  までにメタンバイトレートの実用化が  見えれば、日本のエネルギーの未来は  大きく変わることになります。希望の  光が見えるのは、2018年頃でしょ しかし実際は、この日本式システムが変 わらないまま進むエネルギー戦略は 「脱原発をうたいながら、実際は原発 な国」という曖昧な路線でしょう。自 然代替エネルギーも、脱原発七半端に やると思います。表面的というか、そ のようなもので国民感情の溜飲を下げ ることに使われるでしょう。エネル ギーは外交問題であり、いまや一国だ けで考えられることではないのです。 いくつかの原発は停止されるかもしれ      ませんが、あっちにフラフラこっちに      フラフラと半端な政策になるでしょう。      原油の価格もさらに上がるかもしれま      せん。これは、エネルギーに隕っだ話      ではありませんが、情報が不透明なひ      きこもり国家と思われている日本は、      今後、さらなる厳しい外交の局面に立      たされると思います。 O、13 今回の震災を受け、日本でも「安全はタダじやな い」と意識しはじめるのではないかと思うのですが、「女 个」を個人レベルで「確保」するために、今後必要となる のはどんな事柄、そしてどんな行動なのでしょうか。   A いま、気をつけなくてはいけないのは、      「ショック・ドクトリン」です。別名、      災害資本主義とも呼ばれ、2008年      秋に僕がブログで紹介したカナダ人      ジャーナリスト、ナオミークライン(勺      当の著書のタイトルです。残念ながら、 まだ邦訳されていません。 この「ショツクードクトリン」とは、 災害時に「安全はタダじゃない」と触 れ回り、災害時に極端な税率変更をし たり、法律を変えるようなことを指し ます。権力というのは非常時のどさく さにまぎれて大きな政治改革を行う、 とナオミークラインは著書で警鐘を鳴 らしています。これは、体のいい火事 場泥棒とも言えます。また、海外から の支援を装い好機を狙う国家も続々と 現れるでしょう。TPPTう)推進も 先送りするように見せて、実際は形を 変えて行われるかもしれません。アメ リカでは「日本は貧民国になる」と公 に言われていますし、中国や韓国は日 本を追い抜き引き離すチャンスだと思 い、尖閣諸島や竹島に開発を前提とし たプロジェクトを進めています。です      ので、まずは冷静に、いま日本で、世      界で、なにが起きているか、を個人個      人が俯瞰的に見て、物理的かつ精神的      なあたらしい自分の場所を考えること      から、すべてははじまります。 O、14 今回の大震災を、示二次匹外人戦の敗戦に匹敵す る歴史的な転換点として捉え、これまで日本が抱えてきた 諸矛盾を変えていく大きなきっかけとして期待する意識も 一部の論評には見受けられます。こういった考えについて、 高城さんは、どのように感じられていますか? A 今回の震災と明治維新や第二次世界大   戦後の社会が根本的に違うのは、維新   や戦後到来と同時にそれまでの「日本   のシステム」が変わったことがあげら   れます。今回は、終戦後の焼け野原の   状態に、そのままの「日本のシステム」   がなにも変わらないまま存在する、と   いうあまり良くない状態だと言えます。   いまも矛先が東電や与党だけに向いて いることからも、よくわかります。残 念ながら、このままの現状だと100 万人のデモを繰り広げても、あまり大 きなニュースになりませんが、AKB 48が解散すると、とても大きなニュー スになるのです。ですので、AKB48 が反原発!と言うことがもっともいま の日本には必要なことかもしれません が、多くの芸能人や著名人は被災地の ボランティアには参加しても、反原発 は。ご[いません。これを誰が言い出すか、 で囗本の未来は変わってくるでしょう。 このあたりは、ノーム・チョムスキー 千回の『メディアーコントロール』な どの著書が参考になると思います。 911以降のメディアの研究を続けて いるチョムスキーは、災害時にスポン サー、メディア、知識人や有名人、政 府が一体となって、民主主義社会にお ける「世論の合意」を形成していくこ とが危険だと話しています。興奮した 人々は、「敵」を求め、さらに興奮する ことによって、実は思いのままに動か されているということです。 当時米国では、中東への戦争を反対し た者は、非国民と叩かれました。僕自 身、メディア研究の一環で、チョムス キーの講義を何度か聞いたことがあり ますが、彼は一貫して現代社会のメ ディアの在り方を「教化システム」だ と言います。教化とは、W・lk・lpe d・laによると「特定の政治・宗教の 価値観を、学習する立場の者に、盲目 的に内面化させることを指す」と書か れています。バブル崩壊からテレビを 通じて「囗本のシステム」を盲目的に 内面化されてきた現実に、多くの国民 は、いまやっと直面していると言える と思います。 先ほど話したナオミークラインの  『ショツクードクトリン』の中でも、  目先の「できること」を、空気のよう  にソフトに押し付け、なにかに「協力  しなければならない」という思い込み  を人々に与え(実は、これが全体主義  の前段階です)、その裏でじっくりと  政府や国際資本がさらなる強制力を準  備、もしくは発揮し、それは情報統制      から行われる、と書かれています。い      まの日本の呪文はメディアを通じての      「できることをする」空気感でしょう。      いまや、「できることをする」のは当      然で、さらに「できないことに見える      ものでも、無理にする」しか、日本の      未来を切り開く術はないのですが。 O、15 未曾有の災害に襲われ、経済的にもムード的にも、 いっそう閉塞感が漂ってしまっています。日本は、今後ま だあらだな脅威にさらされる可能性はあるのでしょうか?   A 日々情報に翻弄されていると思います     が、忘れてはいけないのは、まだ、な     にも終わっていないことです。さらな     る地震も、原発事故も、日本のシステ     ム変換も。     今後は、大不況や国債の暴落、異常気     象、疫病やウイルスなどパンデミツク     といった新しい障害も出てくる可能性 があるでしょう。テロや地域紛争もな いとは言えません。ミネラルウォー ターの争奪戦を見ればわかるように、 いまの日本はI週間で考えられないよ うな「部分的インフレ」になる可能性 があります。今後もオイルショックや ウォーターショックは、きっと起きる でしょう。そして、本当に大切な情報 はテレビで放送しないどころか、イン ターネットにも出てきません。これら  は、所詮メディアであり、いまより先  のことは、いくらテレビやコンピュー  タの前にいてもわからず、わかった気  になると同時に不安になるだけなので  す。ですので、自分の足で動くしかあ  りません。 ソ連の崩壊を見ればよくわかりますが、  国がなくなリイデオロギーもが変わっ  ても、国民はそのままです。1997  年に財政破綻しIMF管理下になった  韓国は、当時多くの人がアメリカに渡  リ、数年後に韓国に戻って、様々な産  業を立て直しました。映像産業や音楽  産業は、特にその傾向が顕著で、実際  成功しています。 日本が今後どうなるかは、わかりません  が、想定外のことを、日本式システム  ではなく、各々が考える必要がある、  ということが、今回唯一の教えだと思 います。それを「人まかせ」、「事なか れ主義」にするかどうかは、各々の判 断でしょう。 ちなみに、当時の政府が情報を秘匿し、 大惨事になったチェルノブイリ原発事 故からソ連崩壊まで、およそ6年であ り、関東大震災から震災国債を乱発し、 昭和恐慌を引き起こし、世界恐慌にな るまで6年です。どちらにしろ、いま この僕の本をお読みになってくれる人 たち全員は、いま物凄い時代の変辰に期 にいる、と自分を賍認識したほうがい いと思います。時代や国家が変わる時、 自分も変わらざるをえません。そして、 時代は早く動きますが、日本の速度は 遅いままです。その狭間に覦つ個人は、 どう変わって行くべきなのか、それを 自問自答すべき時なんだと思います。 Q16 国家や政治の在り方より、なぜ、それほどまでに 。個人”が工要なのでしょうか?   A 端的に言えば、政府が退避にすら「白     主」と言っていることに集約されます。     要するに「ただちには」面倒見きれな     い、と遠回しに言われていることに、     気がつかねばなりません。経済的組織     的などのいくつかの理由はあると思い     ますが、いま政府が言っていることは、 もう「自己リスクで、各々で行動して ください」ということなのです。誰が 決めたかわからない「想定外」は、す べて自己リスクなのです。そして、そ の想定と理由は、一般的に知らされる ことはありません。 いつまでも、政府に文句を言っていて も仕方がありません。政府の見通しが 甘い、動きが悪いなどと言っても、な にも解決しないのです。これは、今回      に隕らず、今後あらゆることにあては      まると思います。ですので、「想定外」      を生き拔く力を。個人”でつけるしか      ないのです。 O、17 高城さん個人は、地震当日からしばらくの間、ど こでなにをしていましたか?   A 地震の少し前から、写真週刊誌の取材      のため沖縄・西表島に滞在し、そこで  地震のことを知りました。偶然にも自  分たちで手がけている風力発電システ  ムと循環型の水システムの取材でした。  取材直後から、子供がいる知人家族の  受け入れをはじめ、当地のスタッフは  ボランティアで食料を被災地に届ける  などをしていました。 取材を終えて、すぐにロンドンに向かい、  ロシアの原発の専門家と会ってレク  チャーを受けていました。数年前ロン ドン滞在中に知り合った人物で、チェ ルノブイリの土壌汚染に詳しく、僕に オーガニックを教えてくれた人のひと りです。 そのロシアの大が話していたのは、福 島の原発はとっくに絶望(廃炉)で、 それは初期段階でわかっていたので、 はじめの数時間が勝負だったが、すで に後手に回っている。すぐに経験的手 順で冷やし、閉鎖してコンクリートの 壁や膜を作り、漏れないようにコンク リか鉛を流し込んで、まずは周辺から 固めてしまわないと大気や海に放射能 が出てしまい手遅れになると結論付け ていました。実はロシアは日本政府に それを経験値の高いクレムリンTこ がやると提案したそうですが、ロクに 聞きもせずに斷られたので、ロシアの 高官たちは怒っているとのことでした。 その話を聞き、僕なりに動いてみたの ですが、官邸をはじめパニックになっ ている状態で聞き入れられるものでは ありませんでした。実は、外交問題も あったんだと思います。 そこで、海外の友人だちと結託して、 あらゆる手だてを尽くし、首相官邸か ら(原子炉を処理するコントラクター TS)を探している」と一筆貰えれば、 ロシアが外交問題にならないようにフ ロンド企業を出し、クレムリンがその 下請けで処理部隊(つまり関わった口 シア人部隊も決死隊として死ぬかもし れないが覚悟して)を出動させる。た だし実費だけは日本政府が持ってもら いたい、ということになり、しばらく スタンバイしていたのですが、肝心の 日本サイドがまったく動かない状況で した。アメリカも同じように出番待ち の人々が多くて、ずっと待機していた  そうです。 僕は、このことを通じて、日本式システ  ムの問題を、自身で改めてかいま見た  のです。 また、多くの海外の専門家は「日本の政  府は正しい発表をしていない。マスコ  ミもそれを深く追及していない。爆発  後の数日間は東京もあまりいい状態で  はない」と言っていました。海外メ ディアの友人だちと話すと皆不思議が るのですが、バルセロナの僕のうちに は頻繁に来る日本のメディアは誰も東 電の社長や保安院のメンバーの家には 行きません(笑)。事故直後に東電の 社宅まで行ったのは、CNNだけです。 これは、今回誰もが目撃した日本式シ ステムの病巣そのものです。テレビも そのシステムに組み込まれていますか らね。 Q18 ロシアやアメリカの申し出に対して、動きが鈍い まま、結局原発の水素爆発は起きてしまいました・…高城 さんは、その後、どのような動きをされていたのでしょう か。   A その後、急遽ヨーロッパ各地を回り、      紹介を受けてチェルノブイリで放射能      汚染された土壌の専門家と討議を続け、      いまも、仕事の合間を縫って土壌放射      能を除去する可能性を追求し、あちこ ちを回っています。少しだけですが、 その可能性も見つけ出しました。 また、並行して僕と内外の友人たちは、 アメリカの新薬「CBLB502」を、 どうにか早急に認可検討するように、 厚生労働省に働きかけていました。 このバッファローのクリーブランドー バイオラボが開発した「CBLB 502」は、放射能対策薬と呼ばれ、  核兵器や原子力発電所の事故を想定し、  米国食品医薬品局の認可待ちであり、  致死レベルの放射能の中で80%以上の  生存率を誇る未発表の新薬です。 現在、一般に売るためにアメリカでは3  段階中2段階目の治験段階ですが、急  遽米軍は必要性に応じ、効用が確認で  きた段階で早々に導入したばかりです。 一方、日本の厚生労働省の回答は、早期  検討どころか、返答すらもいつまで  たってものらりくらりの挙げ句、5年  から8年後に認可が通常というもので、  まあ、どんな状況でも相変わらすの日  本式システム的な「速度」である間は、  当分、自身のネットワークを駆使して  自分で情報を集め決断し、自分のこと  は自分でできる限りするしかない状況  は続く、という知らせなんだと思いま  した。 世界の速度は日々速まって、日本の速度 は日々鈍化していると痛切に感じたの です。 同時期に、ドイツでは、反原発のデモ が100万人を超えました。ロンドン では、緊縮財政の反政府デモが50万人 を超えています。これは、北アフリカ の蜂起がヨーロッパに飛び火したもの と考えられますが、福島原発事故と同 じ時期に、実は「匪界維新」も、はじ      まっているのです。歴史のサイクルな      んだと思います。歴史は繰り返すので      す。なぜなら、人間の思考や欲望はあ      まり変わっていないからです。 Oヽ19 日本式システムが抱える問題からなんとか脱却す るための第一歩は、なんだとお考えですか?   A まずは、可能な限りシステムや情報を      可視化することです。 秘匿されていることを暴くのは、本来マ  スメディアの務めですが、なかなか機  能していません。マスメディアが他の  マスメディアの横暴を暴くことも滅多  にありませんからね。社会が人間に付  与した肩書きや立場を、人間そのもの  より優先するようなものの見方は、ま  だまだ今日のテレビの姿なのです。  テレビが変わる時が、この回が変わる  時でしょう。ですので、電力の発電と 送電の分離も大事な議論ですが、情報 を提供する力が集中し、それを監督す る機関がないテレビ局を分割し、テレ ビの制作(ソフト)と送出(ハード) を分けることをしっかり議論する、国 民にあまねく情報が届き、偏向した報 道がないようにすることが大事だと思 います。それが、日本が変わる時で しようね。それがなされるまで、恐ら く誰が総理大臣をやっても、あまり日      本は良くはならないと感じます。 Oヽ20 日本のテレビの制作(ソフト)と送出((Iド) を分けると、なにが変わるのでしょうか?   A 数年前に『あるある大事典』のやらせ      問題が発覚した際に明らかになった数      字は、スポンサーは広告代理店に1億      円払っていたが、孫請けのVTR制作      会社には800万円しか払われていな かった、ということです。大半のお金 が、「波代」と呼ばれるハード(送出シ ステム)を独占しているテレビ局に 渡っただけなのがわかったのです。こ れでいいソフト(番組)が作れるわけ はありません。実は、いままで何度も ソフトとハードの分割は議論されてき ましたが、先送りにされてきました。 ハードを持つテレビ局に力が集中して いるのです。電波は公共物であり、テ レビは免許制度なので銀行の自己資本 比率と同じように、本来は介入できる 組織のはずです。案のひとつとして、 銀行と同じように本業の放送収入が悪 いところの免許を停止させるか、半ば 強制的に合併させるといいでしょう。 情報保安院などの、かなりの強制力を 持った公的委員会設立もいいのかもし れません。最近討議されている日本版 FCCT・り)のような中途半端な監視 機関では、原発と同じ道を歩むでしょ う。なにしろ、新聞もテレビの系列組 織なので情報を厳しくチェックする機 関がありません。チェックする機関が ないと、偏った情報提供だけでなく、 放送外収入のために公共電波を使って 事実上の広告に近い番組を放送したり、 不動産などの放送外収益をあげるため の手段として電波を使ってしまい、本 来の目的と日々離れてしまいます。ソ     フトと(Iドで久に々監督省庁も分ける     べきでしょう。実は、ここが肝だと思     います。各省庁は、他の省庁を「別の     会社」と呼んでいますので。 Oヽ21 具体的な打開策やアイデアはありますか?   A まだまだ極論のひとつだと思いますが、     電波帯の緊急オークションもいいと思     いますよ。本気でやれば、数兆円稼げ て、すべて被災地や新規エネルギー手 当に回すことができます。まあ、オー クションまでしなくても、他国並みに 電波利用料金を大幅に値上げしてもい いと思います。囗本の電波利用料は安 すぎます。しかし、実際には検討ぐら いはしても、やらないと思いますが。 また週に1時間、深夜の空き時間に自 由に放送できる「編成蜥」を国民にじ えることもいいと思います。いまなら、 被災地の人たちに機会を与えるべきで しょう。本当に伝えたいことがあると 思うから。でも、テレビ局は編成を死 守するでしょうね。たとえ放送終了後 の深夜でも。なにしろ、情報の寡占を 守りたいでしょうから。多くのテレビ 番組は、いい番組だから多くの人が見 ているのではなく、誰でも無料で見ら れるのが地上波だからであり、日本は 情報寡占状態下にあることを、もうI 度考えたほうがいいと思います。 さらには、広告税の導入でしょう。こ れもずっと先送りにされてきました。 広告は、大量生産品やマニュアル化さ れたサービスを普及する手段であり、 このマスプロダクツやマスサービスが 生産過程から宣伝まで含めて、もっと も電気を使っています。1年間の広告 費の10%=5000億円、20%で1兆 円になりますので、復興財源は、もう これだけでかなり賄えるのです。ヨー ロッパの付加価値税と同じの15%ぐら いがいいのではないでしょうか。これ を5年続け被災地復興にあてればいい のです。こういうことをいつも公の場 で堂々と言う僕は、叩かれますけどね (笑)。さらにこれを、(自然エネルギー ソブリンフアンドT川)」にし、回収で きるようにすればいいのです。勝手に 国が復興名目の土建ばかりに使わない ように。一番いいのは、一時的なテレ ビ局の国有化です。もし10%に消費税 を上げるなら、国民が国の現状を正し く理解できるような放送局を持つこと です。一番業績の悪いテレビ局を税金 で売収し、もしくは皆で買いあげて 「自由国民テレビ」にすればいいのです。 もしくは、テレビ産業に本格的な外資 参入を認めることでしようね。どこか の国が地上波に本格参入してきて、 ニュース専門局にするかもしれません。 専門店が台頭し百貨店が衰退している のは時代の流れだと思いますが、日本 の放送に関しては、いまだに各局百貨 店状態ですしね。また、ニュース番組 に提供がついているのもおかしいので、 スポット広告だけにするのもいいで しょう。どちらにしろ、あまりにテレ ビ産業は守られすぎている、外部から なにかを言われることが皆無だと感じ ます。そのせいで国民の国際意識や危 機意識が低下しているのが事実だと思 います。まあ、そうすることが一部の 人の狙いなのかもしれませんが。かつ てのローマ帝国のT「ンとサーカス」 T圉)だと、僕はずっと思っています。 これは、国家が滅びる前兆ですね。大 げさではなく。 Q22 テレビが変わると、これまで閉ざされていた情報 がオープンになるのですか?   A あらゆることが可視化されれば、国民     があまねく公平な目を持つこと、視野     を広く持つことができると思います。     日本人は優秀な民族だと思うので、そ     こでちゃんと判断するでしょう。いま     大切なことは脱原発というより、脱二     十匪紀な囗本のシステムだと思います。  テレビが変われば、多くの人の気持ち  や価値観が大きく変わるでしょう。 また、発言力を「分散」させ、人々が真  剣に考えることは、とても大事なこと  です。結局、どの党になっても日本が  変わらないことはわかったと思います。  それは、なぜでしょう? バブル崩壊  後、もしくはそれ以前の日本式システ  ムであまりに隠されている部分が多い  のは、政治の問題だけではないからで す。 先ほどお話した国際比較政治学者であ るカレルーヴアンーウォルフレンは、 この日本式システムの源泉を山県有朋  − T12)まで遡っています。山県有朋が、 見えないシステムを構築し、政治家の 力を弱めて、軍部や官僚主導国家にし たと言及しています。その水脈が今日 まで受け継がれてきたのです。実は、 日本は明治以降変わってないのかもし  れません。 もう、情報が行き届かない明治や戦時中  の大本営発表とは違うのですから、可  能な限り可視化して幅広く伝え、国民  が不信にならずに一丸となるしか、日  本は変わりえないのです。だからいま  強固に監視すべきはネットではなく、  テレビなのです。寡占状態の「情報談  合」をやめさせ、情報の自由化を実現  した時こそが、日本のターニングポイ  ントになるでしょう。 ですので、たとえ東電が分離し、すべて  の原発が停止しても、エネルギーの一  部が変わるだけで、日本の本質的問題  は変わりません。きっと別の問題が起  き、また、首相が変わっても日本は変  わらないことは、もうわかっているは  ずです。 少し乱暴ですが、マスメディアの仕組み の解体と再編が何年でできるかで、日 本の未来を開く速度は変わります。そ の速度が速いか、日本式システムの問 題が次々露呈して国家が崩壊に向かう のが早いのか、の時間との戦いになる でしょう。 SURVIVA」 GO(){}XOON 衛星スマートフォン  災害時にもっとも役立つツールがコミュニケーション・ ツールなのは、言うまでもありません。いまだったら、携 帯電話であり、なかでも情報も取得できるスマートフォン は、抜群の威力を発揮します。  スマートフォンであれば、公衆3G網のターミナルが落 ちて通話ができなくなった際も、パヶツトが生きていれば、 VOlPと呼ばれるインターネット電話で会話することが できます。有名なのは、スカイプですが、このアプリを事 前に入れておくことで、緊急時に役立つ上に、国際電話な どが普段から安価で使用することができるのです。v・lb erなどもいいでしょう。  また、クレジットカードを事前登録しておけば、スカイ プから一般的な携帯にかけることもできますので、普段か ら海外通話が多い場合や旅先からの電話などは、一気に 10分のIほどの通話料金にすることができます。  また、アメリカでもっとも普及しているスマートフォン のひとつであるブラックベリーが、米AT&Tから(イブ リッド携帯「GENus」を発売しました。衛星回線サー ビス米TerreStar Networksと提携開発し、3G公衆網、w ・・−F・・、そしてそれらの電波がない場所では衛星につ ながるのです。衛星電話と言うと、馬鹿でかいアンテナが 目立っていましたが、いまはこのサイズ。これさえあれば、 いかなる環境でも通話することができる最強の携帯電話で す。  また、日本ではあまり知られていませんが、・IPhon eを衛星電話として使う小型アンテナシステムなども販売 されています。 Q23 インターネットはまだまだ非力だと前述されてい ますが、現在のインターネット環境の発展は日々目を見張 るものがあります。日本を変えるためにインターネットを 活用する、良い手だてはないのでしょうか?   A インターネットがテレビを超えてマス      になるには、もう少し時間がかかりま      すが、デモのようなことを呼びかけ、      行動する人は今後も増えるでしょう。      しかし、もっとも効果的な活用方法は、  オランダ政府がING銀行T川)に対  して、情報をあまり公開しないまま公  的資金を入れようとした時のようなこ  とが良い例です。ツイッターで国民が  呼びかけ合って、INGの預金を皆で  一斉に引き出そうとしたのです。 同じように、日本もある曜日のある時間  のある放送局のくだらない番組に対し  て、ツイッターなどで呼びかけ一斉に  テレビを消し、その視聴率の下降を公 開することがネット対テレビの有効な 手だてでしょう。結果、その視聴率が 下がれば下がるほど、テレビは自浄作 用を少しずつ持つことになるでしょう。 これが、情報社会に対する情報ツール の革新的使い方だと僕は思います。 また、デモを呼びかけるツールとして、 インターネットを利活用するのもいい と思いますが、街頭を歩くより、10万 人で明治神宮にご祈祷に行くことを呼  びかけたほうが、より多くの人が集ま  り、効果的だと僕は思います。原発反  対だけでなく、福島原発の地鎮を10万  人でお祈りするのです。初詣などの群  衆に、明治神宮は慣れているでしょう  し、その美しい日本人の姿は、国際報  道を通じて、ただデモをする他国とは  違う日本の心を世界に伝えるのにふさ  わしいと思います。 実際は、インターネットがいまより活用      され、テレビを駆逐する可能性が来る      のは、2018〜2020年頃になる      でしょう。これは、情報ディバイドの      問題のひとつである日本式携帯が衰退      し、スマートフォンが普及する速度と      関連することになると思います。 O、24 7年後の2018〜2020年頃に、インター ネットがテレビを駆逐する時、どのような変化が日本に起 きるのでしょうか? A これは、あたらしい節目のサイクルで   す。  2001年911から、その後の対応を   見て米国民が大きなChangeを希   望し、オバマ大統領が決まるのが   2008年です。選挙の時期もありま   すが7年かかっています。  2011年311から、日本国民がCh    angeを希望し、あたらしいりI ダーが出るのが、きっと2018年頃 でしょう。 また、イギリスを見るとサッチャー改 革がはしまった1979年から、 1997年のニューレイバーと呼ばれ るフレア政権になるのに、18年かかり ました。 善くも悪くも2000年の小泉改革か ら18年ぐらいの2018年前後が、次 の節目だと思います。     ちなみに、チェルノブイリ原発事故から      ソ連の崩壊は、約6年で、関東大震災      から震災国債を乱発し、昭和恐慌を経      て世界恐慌までも6年です。     そして、安政群発大地震(1853〜      1858)から、250年以上続いた      江戸幕府崩壊までは、9年です。 Oヽ25 現在から2018年までの間は、日本の経済や政 治、文化はどのように推移していくか、高城さんなりに予 想していただけますか?   A 混乱が続きます。     福島原発の事後処理を見れば明らかです。      多くの人にはよくわからないまま、混      乱を伴って少しずつ悪化に向かい、マ      スメディアは別の話題へと切り替えて      いきます。実は、終わりはいつまで      たっても見えません。日本経済も同じ      です。わかることは、人々の生活が良 くなることはない、ということだけで す。 また、いまの日本を取り巻く状況と、 匪界の状況は、非常に近いと僕は感じ ます。あちこちで話していますが、 1860年前後の世界的な動きの上に、 1920〜1930年代の経済システ ムが乗っているように思えます。 一方で江戸末期の「ええじやないか」 のような人たちも出るでしょう。あた らしいおかげ参りのようなものです。 前述した、神社に10万人でご祈祷のよ うなものかもしれません。いまの日本 人のメンタリティを考えると、ガス抜 きが必要で、かといってまだまだデモ には向かわず、二十一世紀の「ええ じやないか」が、はじまるでしよう。 これはメディアもスポンサーに遠慮な      く取り上げるので、大ブームになると      思います。刹那的に生きてきた人や      ファッション関係、ゲイカルチャーな      ども、ここに集約されるでしょう。 O、26 「1860年前後の世界的な動きの上に、 1920〜1930年代の経済システムが乗っている」と いう状況を、もう少し詳しく説明していただけないでしょ うか?   A これは、近年のインタビューで何度も 発言していますが、1860年代とい うのは、日本では幕末から明治維新で す。アメリカですと、南北戦争から、 いまのアメリカの原型となるリンカー ンによる統一が行われます。イギリス は(パクスーブリタニカT闢)」と呼ば れ、世界を征服しているまっただ中で した。世界中で各国の内政、そして他 国との関係が大きく変わった時期です。 この1860年前後の、揺れ動く国家 の枠組みの上に、1920〜1930 年代のグローバル化による経済バブル が起こり、不況へと続く経済の動き方 が重なっている状況です。30年代には ニューディール政策が行われましたが、 結局本質的な解決にはいたらず、世界 恐慌の10年後の1939年に第二次世 界大戦へと向かいました。各国の人々 が、混乱する時代によりどころとした のは「国家」のアイデンティティであ リ、それは、第二次世界大戦前の 1936年ベルリンーオリンピツクの ソフトなナショナリズムの表面化から はじまって、日に日に強固になって いったのです。 また、この時期はエネルギー資源の変 換の時期でもあります。石炭から石油 ヘシフトした時期でもあり、いまのエ ネルギー資源の変換は、石油から電気 への時期なのでしょう。できれば発電 は自然代替エネルギー中心であるのが、 いまは経済的にも政治的にも望ましい と思います。現在、オバマはグリーン ニューディール政策T即)のようなも のを掲げています。これは、実は次世 代原発を目玉のひとつとしていたので すが、たぶん、今回の福島事故の影響 でうまくいかないでしょう。 そうなると、2008年のりIマン ショツクのあと、グリーンニュー ティール政策が不発に終わり、アメリ カにとってもリーマンショックの10年 後の2018年前後がターニングポイ ントになると思います。2016年の ブラジルーオリンピックで各国の動向 が顕著に表面化されるのではないか、 と僕は思っています。その2016年 にファシズム化する国がないか、要注 意です。かつてレニーリーフェンシュ タールT圈)が撮った1936年のべ ルリンーオリンピツクのドキュメンタ リーを見れば参考になるでしょう。 また江戸末期、開国を迫ったのは黒船 という抽象的な言い方をされますが、 実はマルコーニ通信システムT閇)の 原型なような装置に人々は驚きました。 なにしろ、瞬時にアメリカに情報を送 れるのですから。 1853年にペリーの黒船来航の通信機  からはじまるグローバリゼーションか      ら、安政の大地震を経て、明治維新と      流れるストリームは、現代のインター      ネット、東日本大震災と福島原発事故、      そしてその後に大きな国家の動きに似      通っていると思えても不思議はありま      せん。 Oヽ27 干不ルギーの変換期、ブラジルーオリンピックな どを経た、ターニングポイントになるであろう2018年 には、どのようなことが予測されますか? A これには、いくつかの選択肢があると   思います。先も言いましたように時代   の節目であることは、間違いありませ   ん。ですので、ここ数年で囗本の舵取   りを間違えると、大変なことになるで   しよう。乗り換えの駅で間違った電車   に乗ってしまうのと、同じですので。   僕は男性がリーダーシップを取るよう   な国家や集団は、危険な方向に向かう のではないか、と思います。これから は、たとえ表面的でも力を競い合う時 代は終わり、協調を求める時代へと世 界が変わっていくからです。実際、ド イツ、ブラジル、オーストラリアなど は女性首相で、いままでにはない政策 を次々と出しています。日本のトップ が男性になるか、いままで一度もな かった女性になるか、で2018年以 降の未来は大きく変わるでしょう。残 念ながら、男女共にいまの日本の政治 家の顔ぶれから有望な人材は見当たり ません。でも、もう男性の政治家の時 代は終わったのかもしれませんね。 2008年オーストリアのバイダーT − 18)が事故で死んだ時に、個人的に感じ ました。余談ですが、彼はオバマ以上 の演説の名手だったと思います。僕が ウィーンで見たスピーチは、スティー ブージョブズの比ではありませんでし た。 SURVIVA」 GO(){}XOOψ 濾過ストロー  インドや中南米の奥のほうに行くと、水を飲んでおなか を壊すのは、旅人の通過儀礼のようなものです。都会から 少し離れれば、ミネラルウォーターが売っていない場所も、 当たり前のようにあります。そんな場所に限って、大自然 は最高で言うことはありませんが、肝心のこちらがおなか を壊してしまって、苦しい日々を過ごしては仕方がありま せん。  そこで、僕がいつも常備しているのが濾過ストローです。 このストローを通すことによって、有害物質や残留塩素な どを除去することができ、これ一本でコップ500杯以上 の濾過した水を飲むことができるのです。  また、災害時にコップなどがないことも考え、僕は冷凍 保存バッグを併用しています。ジャマイカに行くと、スカ イジュースと呼ばれる屋台で売っている不思議な怪しい飲 み物があります。ビニール袋に色付きの冷えた水のような ものを売っていて、その経験からコップがない時は、冷凍 保存バッグで代用するのです。  また、冷凍保存バッグは真空調理法にも使えます。災害 時などで困るのは、いまは食事が余っていても、明日ほど うなるかわからない、ということと、余った食事の保存方 法です。僕は真空調理法と呼ばれる、素材を冷凍保存バッ グに入れて空気を吸い出し、冷凍保存して後日解凍する調 理方法からヒントを得て、冷凍保存バッグを濾過ストロー と併用して持ち歩いています。真空調理法は、フランスで 開発され、焼く、蒸す、煮るに続く第四の調理法と呼ばれ、 旨味成分を逃さず作り置きできる素晴らしいアイデアで、 僕はこの理論を応用し、冬のキャンプなどで試しています。  都会でコンビニに慣れてしまった生きる力は、旅行や キャンプに行くことで、多くのアイデアを見つけられるの は言うまでもありません。 Q28 これからの政治家に必要とされる資質はなんです か?   A これもここ数年ずっと言っていますが、     囗本に必要なのは政権交代ではなく、     匪代交代です。あたらしい囗本の政治     家は、高齢ではないことです。そして、     各大臣にかなりの権限を持ったプロ     フェツショナルな専門補佐官が必要で     しようね。特に官僚の人事権に囗を出      せるようなことも大事でしょう。民主      党の最大の挑戦と失敗は、ここにある      と思います。 Oヽ29 震災後、経済的にも観光産早や輸出業も打撃を受 け、歴史的には経済恐慌や戦争がいつでも起こりうるよう なタームに突入してしまったと実感します。今後の日本に はどのような対策や政策が、必要だと思われますか?   A 当面の課題が、震災復興なのは間違い      ありません。続いては、干不ルギー政 策でしょう。財政問題や少子高齢化な ども大きくありますが、忘れてはなら ないのが、あたらしい観光戦略です。 国家コミュニケーション戦略とも、リ プランテインクとも言えるでしょう。 あまり焦点があたっていませんが、世 界における日本の風評被害は酷いもの です。国内における福島も大変ですが、 匪界における囗本の風評被害は、それ 以匚だと思います。 まず、原発事故が終結しないであろう今  後数年間は、各国が日本からのすべて  の製品や農産物をチェックする手間が  増え、そのことで実質関税率が上がり  ますので、あらゆる輸出製品の国際競  争力が落ちることになります。  人も、いわゆる海外からの観光客、イ  ンバウンドT梶jも激減するでしょう。  フランスのインターネット調査では、  戦火のリビア以上に「行きたくない国」  第1位となってしまいました。もう  「クールジャパン」も「ビジットジャパ  ン」キャンペーンも吹っ飛びました。  一刻も早く日本のリプランテインク、  コミュニケーション戦略、あたらしい  観光キャンペーンなどのマスタープラ  ンを、はじめるべきです。 しかし、観光庁は国土交通省の一部であ  り、運輸や鉄道の効率的な運用を軸と  した国内のハードを請け負う人たちの  庁であり、コミュニケーションなどを  設計するのが不得意な人たちです。僕  自身も仕事をするので、よくわかりま  す。 また、国内の文化財は文化庁、ホテルな  どの産業は経済産業省と、縦割り行政  がマスタープランを作る足かせとなる  でしょう。ですので、これを首相官邸  直轄で早々に行うのが急務だと思いま  す。人が動かなければ、宣]の復興はあ  りません。それは、被災地だけを指し  ているのではなく、日本そのものを意  味します。そのためのリブランディン  グなのです。  僕はいまのうちに長期ビジョンを作り、  およそ10年で、日本の観光産業を国際  平均であるGDPの10%の半分、25兆  円産業に育てるべきだと考えます。 また、国内の大手広告代理店ではなく、  世界一の旅行大国である英国などの海      外PRエージェンシーを使うように、      個人的には首相官邸にずっと進言して      います。 Oヽ30 震災復興で、一番大切なことはなんでしようか? 具体的にはどのような手だてがありますか? なにかモデ ルヶIスはありますか?   A 前著でも記しましたが、一般的なビジ      ネスでも政策でも、大切なことは「人、 金、時問」の3つしかありません。い まの日本は、この時間=「速度」が一 番欠落しています。中国の発展速度を 見れば、明らかです。政府の問題提起 でも、「なにをやるか」は公表されても。 「いつまでにやるか」が公表されること は滅多にありません。まず、いつまで に、いくらでなにをやるかをキチンと 公表し、同時に達成できなかった時の 責任を明確にすることです。そして、  世界に類を見ないあたらしい囗本のビ  ジョンを提案することです。 東北は、ただでさえ過疎化が激しいので、  お金をかけて建物を復興しても、見た  目が整うだけで、経済的復興には至り  ません。あわてて、同じように見た目  だけ作っても、長期的にはマイナス要  因ばかりです。  阪神大震災の際に、神戸港は急いで復  興したために、次世代の大型船対応の  港にはなりえませんでした。そのポジ  ションは、韓国の釜山に奪われること  になります。既に、韓国は日本の造船  産業をしのぎ、世界最大の造船大国と  なり、北極海航路のハブとしての準備  を着々と進めています。 長年、氷の壁に閉ざされていた北極海航  路は、近年の温暖化の影響で、氷棚が  崩れ落ち、削氷船ではない大型船が行 き来できるようになったのは、地政学 の大きな変動を意味しています。いま まで、ヨーロッパからアジアに物資を 運ぶためには、南アフリカの喜望峰を 回るか、紛争地が近いスエズ運河や海 賊が多いマラッカ海峡を通るしかな かったのですが、それが半分の時間で、 危険も少なく、また天然の冷蔵庫であ る北極海航路の開通は、いままでには ないモノの移動を意味し、それに伴う  人の移動も意味するのです。いわば、  大もモノもあたらしい道を通って集  まってくるのです。 この恩恵を求め、北方領土に大型船が停  泊できる次世代港の開発がロシアに  よって着手され、工事を請け負ったの  は韓国でした。今後、ウラジオストッ  クと釜山は、大きな恵みを受けること  になるでしょう。 きっと震災復興プランでは、このような 世界情勢は無視されるでしょう。 要は東北が、人が集まる地域に変われ るビジョンがあるかどうか、これに尽 きます。ですので、お金の問題以前に アイデアの問題が大きいのです。増税 や震災国債を発行して、お金をばらま いて、ただあたらしい建物を建てれば どうなるか、歴史の教えを見るとよく わかります。 Q31 東北を人が集まる場所にするには、どのようなプ ランがありますか?   A 政権に限らず、復興委員会なるものが      設立されたら、その平均年齢で成功す      るかどうか、わかるでしょう。いわゆ      る審議会のようなメンバーなら、なに      も変わらないことを意味します。      新規干不ルギー関連開発企業の法人税      ゼロの特区にして、地域空港の国際L  CC乙201)誘致などの当たり前の検討  議題すら、出てこない可能性もありま  すね。エコなどの耳ざわりの良い古い  言葉を言いはじめたら終わりです。 僕は、DEMOSなどの世界の優秀なシ  ンクタンクの競合にさせるのがいいと  思いますよ。DEMOSは、「ビル  ディングーエブリティーデモクラシー  (Building Everyday Democracy)」をポ  リシーに、自由でパワフルな市民社会      の実現のために、政策や政治分野に焦      点をあてだシンクタンクです。イギリ      スの労働党は、このシンクタンクの政      策と国家プランテインクで成功しまし      た。僕は欧米至上主義ではありません      が、囗本のターニングポイントは、い      つも外圧でした。明治維新も戦後も。 Oヽ32 人を集める場所をつくるため、高城さんが提唱し ている「第三の土地」とは、どんなプランですか? A 僕がまだ30代の頃、10年以上前に出し   たアイデアで日本人の生き方を提言し   た、絶版となってしまったコアジタル   日本人』(講談社刊・1997年)の中   に記していることをひとつ紹介したい   と思います。   当時、日本の高度経済成長が終わり、   世界的な情報革命のイニシアチブもと  れないだろうと思われる中、内需を再  燃し、あたらしい地域社会を構築する  ことがやがて国益につながるだろうと  思って、まだ20代後半で若かった僕は、  生意気にもあちこちの省庁や自治体に  提案をしました。 それは、「第三の土地」と呼ばれるもの  を想起しよう、というものです。 「第一の土地」とは、いま住んでいる家 を指します。僕の祖父の時代は、住職  一体と言って、住んでいる場所も働く 場所も同じ場所か、ほとんど離れてい ないことが多く、第一次産業や小規模 第二次産業中心時代には、ほとんどこ れだったと思います。 続いての「第二の土地」とは、通勤や 通学する場所を指します。高度経済成 長に伴って、住む場所=第一の土地と、 働く場所、学ぶ場所=第二の土地は、  距離的に大きく離れ、「通勤」「通学」  という概念が生まれ、都心部と郊外の  関係が明確になり、多くのモノやサー  ビスが生まれることになりました。僕  の父の時代です。 ここで発達したものは、電車、ターミナ  ル駅、デパート、マイカー、電話、テ  レビなど、言い出したらきりがありま  せん。いわゆる高度経済成長です。 その後、間違った土地神話がバブル経済  を引き起こして、土地は住む場所や働  く場所ではなく投機の対象となってし  まい、その負の遺産はいまだに払拭で  きていません。特に精神的に。 それが、いまの責任者不在の日本式シス  テムの根幹を作り上げてしまったと思  います。  そこで僕は、暴落した土地、特に都心  とは遥かに離れた場所にある地に再び  光をあてることが、日本の次のビジョ  ンにつながるのではないか、と90年代  前半に提案しました。 月曜朝から木曜夕方までは、いままでの  ように「第一の土地」(住んでいると  ころ)から「第二の土地」(会社や学  校や病院)に、日々通います。 木曜夜から、フレツクスとなる金曜と  土・日曜は、「第三の土地」と呼ばれ  るあたらしい場所で過ごすようなライ  フスタイルに、経済成長後の日本人は、  なっていくのではないかと、若者なり  に次世代日本のグランドデザインをし  ていました。 「第三の土地」は、別荘のような高級な  住居をイメージしていなくて、プレハ  ブのようなお手製の小さな家から、  しっかりとした住居までコストによっ て幅広く考えていて、なにより、生活 基盤を分散させることが第一義である と考えていました。それは、デジタル ネットワークが全国に完備され、仕事 のスタイルが変われば、ライフスタイ ルも変わるべきだし、そしてあたらし い場所ができれば、人々はまたテレビ、 車、インテリアなどを再び買い込み、 その地やひいては日本経済の大きな内 需喚起になるのではないか、と考えて  いたからです。 だから、僕は「ネットワークとフット ワークは比例する」と説き、そのため には、全国の高速ネットワークを安価 で完備、移動コスト軽減(提言は定点 移動者の高速道路の定額、新幹線や飛 行機などの交通機関の大幅割引)と、 省庁と自治体の協力が必要でしたが、 90年代中盤の当時は、ほとんど耳を貸 す者はいませんでした。 いま、もう一度、東北を東京における  「第三の土地」として捉えてみてはど  ’つでしよ’つか? 木曜の夕方には東京生活を脱し、コス トをかけずに東北まで移動できて、自 然エネルギーと光ファイバーが完備さ れ、可能な限り自給自足に近い田園を 持ち、近隣に夏の里山と冬の温泉が楽 しめるような場所があれば、多くの人 の日本観も変わってくるのではないで しょうか? 中央と地方という関係か ら、地域と地域のあたらしい関係と大 と大との交流。食べ物も干不ルギーま でも地産地消する試み。必要なのは、 目に見える復興の前に、目に見えない あたらしい人々の「動き」=ムーブメ ント。そこから、いつもはじまると僕 は思っています。まずは大が動かな      きや、なにも変わりませんからね。 Oヽ33 「第三の土地」のようなプランを実行するにあ たって、一番の障害はなんだとお考えですか?   A 既得権益や縦割り行政、そして国際感      覚に未来ビジョンの欠如でしょう。     とにかくあたらしいことは、やらないは      うがいいし、失敗した時の責任を取ら      なくて済みますので。     既にLCCをはじめ、世界で当たり前に      なった交通網さえ、日本は後進国です。      東北に人を呼ぶためには、まずは、東      北道の完全無料化を含めあらゆる交通      費を安くするのは当たり前なのです。      JALさえ、国が助けたのですから。 O、34 アメリカやフランスなどからの外圧があるようで すが、原発はいまだ、孑孑ルギー政策の主役であり続けま すか? A 原発推進は難しいと思います。また、   世界的な動きにも反しています。しか   し、アメリカの一部とフランスは、囗   本に原発をやらせたがるでしょう。  政府は、国民感情とアメリカおよび経団   連に挟まれ、これから数年間は干不ル   ギー政策立案で大変な思いをするで   しよう。2013〜2014年頃に、   不透明な干不ルギー大綱を発表し、多      くの人は驚くと思います。 Oヽ35 原発至上主義に替わる新子不ルギー政策は、どん なものが考えられますか?   A 新規には自然代替干不ルギーでしょう。      送電の効率的な変化もあるでしょう。     世界では、いまスマートグリッド(次世      代送電網)に注目が集まっています。 オバマが2009年に発表した「米国 回復再投資法案」の目玉のひとつであ り、2014年には全世界で17兆円の 市場規模と言われているからです。 その後、中国は今後10年で50兆円を投 資予定と発表し、いまや日本は完全に 出遅れています。 スマートグリッドは、中国語で「智能電  網」と呼ばれ世界の耳目を集めていま  す。 電話などの通信業界も、かつては極めて  政府に近いところの独占企業のI対1  通信が基本だったけれど、いまは、  各々が複数の通信業者から選べて、情  報送信で言えばこちらからのI対複数  通信なども可能になりました。 これから電力も同じようになり、極めて  政府に近いところの独占企業から個々  へのI対Iの一方通行送電関係から、  複数の電力業者から各々が選べて、双  方向(売電可能)で、I対複数の関係  になっていくでしょう。 これを「スマートグリッド」と言います。  また、巨大なオフコン(川211)からパソ  コンペと変わっていったように、発電  も、ドンドン小さく個別発電の時代へ  と変わっていく。 これも、スマートグリッド時代の特徴で  す。 危機管理の上でも、発電を分散化するこ  の方向は極めて正しいと思います。 もう、おわかりだと思いますが、IT産  業の次のターゲットはエネルギー産業  なんです。  実は、米国での新エネルギー産業の筆  頭はご存知ビルーゲイツ。東芝などと  組んで、トラベリングーウェーブーリ  アクターと呼ばれる次匪代小や原発を  世界に売り込む先頭にいます。ゲイツ  は、このシステムに5000億円以上  出資しています。 そして、その個別エネルギーを管理調査  する会社のひとつが「グーグル」です。 スマートグリッドのトップ企業のひとつ  で、既に売電認可を得た「グーグル・  エナジー社」を設立済みです。ダーク  ルは、代替エネルギーへの投資会社と  してもトップ企業のひとつとして有名  です。 今回、米国が福島原発事故を問題視して  いるのは、小型原発を中心としたこの  戦略を大きく転換させられたからで、  情報戦争の覇者米国の次の戦略が、次  世代エネルギー覇権だったのに、白紙  に近くなってしまったからでしょう。 石油に限らずあらゆるエネルギーも、一  国ではなくグローバルで見なければわ  からない時代にあると思います。従っ  て、かつての(もしくは現在の)IT 産業のように、基本エネルギーはビ ルーゲイツが担い、ネットワークは グーグルが行う。国内の企業で言えば、 東芝はパーツ作りのひとつの会社とい うような構図の新エネルギー産業体系 も、ここI、2年急速に固まりつつあ りました。実は次世代小型原発中心で。 しかし、この福島原発の事故でスマー トグリッドは進むでしょうが、次世代 小型原発はなかなか進みづらくなるで      しよう。 O、36 そういった全世界の動きの中で、日本のIT産業 も、孑孑ルギーに向かっているのですか?   A 残念ながら囗本のIT産業は、いまだ      に株価を気にしながら国内だけのコ      ミュニティサービスやモノを売つてる      ような会社ばかりです。ITの先駆者      こそが向かう先は、次世代干不ルギー  なのは間違いないし、いまからでも遅  くはないと思っています。 どんなに大変でも、たとえ小さくてもエ  ネルギー産業を考えるべき時がいまな  のです。 それは、まだコンピュータが世の中に普  及する以前のような感じに近く、黎明  期のコンピュータ業界にはスーツを着  ている人は誰もいなくて、皆自由な発  想を持っていました。当時の大企業の  IBMを東電だとすると、アップルの  ような会社の登場が待たれる時代が、  いまなんだと思います。 だからいまは、「スーツを着ていないけ  ど、エネルギーを仕事にしようとする  人」たちに、次の囗本の光があると思  います。 フロンティアースピリッツは、どんな時  代もスーツを着ていないから。 Q37 これまでの原発にとって代われる具体的な自然代 替孑孑ルギーは、どのようなものがいいと考えますか?   A わかりやすいのは、太陽光発電です。     元来、我が国は世界最先端の太陽光パネ      ルを作っていて、それはシャープや三      洋などの新興電機メーカーです。しか      し、原発を推進する国や経団連からは      疎まれ、国際競争力を失い、その間に      米国ファーストソーラー社などの他国  のパネルが、ほとんどグリッドパリ  ティに近いシステムを提供できるよう  になってしまいました。また、効率が  いいのは、風力だと思います。日本は  島国ですし、洋上風力もいいと思いま  す。 グリッドパリティとは、風力や太陽光な  どの自然エネルギーが、従来の発電と  同等になることを指します。 今回の事故で、リスクコストを考えると、 原発をやめて自然エネルギー発電に換 えたほうが、コスト的にも安価という ことが、大事なポイントだと思います。 実際、ドイツやスペインでは大規模な ソーラーパークが近年続々建設され、 あたらしい原発を作るのが徐々に難し くなっているのが、世界の大きな流れ です。雪国仕様の熱線入りタイプもあ りますし、太陽の方角とともに動く、 より効率の高いパネルもあります。 エネルギー政策においてもガラパゴスは、  絶対に見直したほうが良いと思ってい  ます。 震災被災地に、一刻も早く巨大なソー  ラーパークを作ることがいいと思って  います。スペインだと2年かかるソー  ラーパークの建設も、いまの囗本だっ  たら1年もたたずにできるのではない  でしょうか? この先もなにが起きる  かわからない停電対策は、これでかな  り回避できるのではないでしょうか? ソーラーパークのいいところは、建設が  早いところ、そして建設ができたとこ  ろまでの部分通電が可能なところです。  さらに、この「太陽の畑」とも言うべ  きソーラーパークは、土壌残留放射能  による影響も風評被害もありません。 被災地沿岸に、一刻も早くシンボルのよ  うに建てるべきです。 また、地熱発電も有効です。なにしろ 地熱に関しては匪界第3位の干不ル ギー源を日本は持っていますから。地 震大国だからこそ、逆を考えれば地熱 は有効利用すべきであり、先端の技術 であれば、少し前に問題視されていた ような環境破壊も回避されています。 個人レベルで地熱発電をしている例は、 北欧にかなりありますね。では、なぜ 地熱発電所を作らないのか? それは、  政府が世界第3位のエネルギー源をい  かさないどころか、原発に地熱の倍の  額の補助金を出したからです。むしろ  補助金を出さなくてはいけないのは、  小型地熱発電のために穴を掘って調査  するためのボーリングコストです。 勿論、海上風力発電七十二分に目があり  ます。スペインでは、既に風力がトッ  プのエネルギー源です。 SURVIVA」 GO(){}XOO恥 宇宙食  災害用品一式やサバイバルグッズに、カンバンなどの非 常食をお持ちの方は、結構多いと思います。また、登山家 などが遭難した際に、1枚のチョコレートを2週間かけて 食べて生き延びた、という話も聞くことがあります。  しかし、一般的な非常食としてはチョコレートは溶けて しまうので、飴のほうが良いと思いますし、さらに僕が推 奨しているのは、NASAの宇宙食です。  かつての宇宙食と言えば、チューブに入ったペースト状 のものが主流でしたが、最近は宇宙ディナーもすっかり近 代化しました。  また、サバイバルという観点からは、宇宙より過酷な状 況はなかなか想像できません。まず酸素があまり十分では なく、長期保存が可能で、温度変化や衝撃に強く、栄養価 が極めて高く、携帯性にすぐれ、そして食事の開発が随時 行われている最先端のサバイバルーディナーと言えば、や はり宇宙食に尽きるのでは、と僕は思います。  最近は、日本人宇宙飛行士の活躍もあり、宇宙食のバリ エーションも豊富で、日本食はもとより、「たこやき」や 「杏仁豆腐」なども開発され、なかなか楽しめます。  お湯が必要だったり、ちょっとした加工が必要なものも あるので、購入の際には白分か持っているサバイバルグッ ズに合わせて、商品を選びましよう。 Q38 様々なしがらみや既得権益に縛られている中で、 今後、このような自然代替孑孑ルギー発電所が急ピッチで 建てられると思いますか?   A 正直難しいでしょうね。経団連との関      係や、アメリカの現政権やフランスか      ら原発推進を実は内々で言われている      でしょうし、被災地のみに少しだけ代      替干不ルギー発電所を作ってお茶を濁      すのではないでしょうか?     なぜなら、エネルギー政策はすでに外交      政策の一部であり、それを囗本の経済      が健全な時に関係修復してこなかった      からだと思います。公約だけはいろい      ろ言うと思いますが、実行することは      ほとんどないでしょう。 Oヽ39 そうなると、いままでと変わらず、ズルズルと原 発が稼動したままなのでしょうか? 自然代替孑孑ルギー を提案するいい方策はありませんか? A 日本はお金がないので自然代替干不ル   ギーにする、という説明がいいでしょ   う。リスクコストを見れば、原発が高   いのは誰もが知ることでしょう。いま、   日本の政府はリスクコストを小さく収   めるために必死だと思います。原発事   故の収拾にコストをかければ、それが   実績になってしまい、今後の世界的な   原発導入のコストを高くすることに  なってしまいますから、アメリカもフ  ランスも地域避難の補償額を最小限度  にするよう遠回しに申し伝えるような  ことをするでしょう。自国民ではない  ですからね。 もうひとつ、僕が考えている脱原発の良  い提案の仕方は、国民として「国旗に  描かれている。日の光”に、未来を託  したい」です。太陽光導入には、いい  と思います。 また、経済面での話をさらに言うなら、  いまなら、いつまでだっても遅い国で  はなくて、地域が独自に自然代替エネ  ルギー発電システムを建てたほうがい  いのではないでしょうか。海外に貸し  出すドイツ復興金融銀行か、太陽光発  電に積極的なドイツ銀行からお金を借  りて。外資ファンドやグーグルなども  いいと思います。実際、グーグルはド  イツの中規模発電にまで出資をしてい  ます。  便乗にすら思える震災国債の発行を増  やすと、円キャリーや国際投機の餌食  になるかもしれないので、地域が独白  にドイツの金融機関や海外ベンチャー  と交渉して、発電量と排出権を担保に  特別地方債=東北自然干不ルギー債を  買ってもらう。 そして、東電の競合として東京に電力を  売れば、多少高くても、いまなら都民  は「東北太陽電力」を買うでしょう。  もしくは、そのまま電力を東電に買い  取ってもらえばいい。どうせ、当面電  力は足りないんだし。 ドイツに個別発電が普及した背景には、  代替エネルギーを国が長期で買い取る  保証をしたことがあります。それが銀  行金利より高かったからなのです。ま  た、金(ゴールド)に投資するより太  陽に投資しよう、というトレントが日  本でできると面白いと思います。太陽  も風も先物市場にあかっていませんか  ら。 そして、東北自然エネルギー債は、原資  の問題というより、国際公約の意味合  いが強いでしょう。なにより「あたら  しい次の日本」を、提案することにな  ると思います。 これからは、観光も含め地域外交の時代      だと思っていますし、首長はその力量      が問われることになります。ここも外      交手腕ですね。     このように、まずはアイデアをドンドン      出す姿勢から、すべてははじまると思      います。 Oヽ40 そんなアイデアを実現できる地域の首長が日本に いますか?   A 法的にはちょっとした工夫さえすれば     可能でしょうが、決断力と実行能力が     地方自治体や首長にないと思います。     小さい規模ではやると思いますよ。票     田もあるでしょうし。     ですので、中央政府が増税や国債乱発を      して、経済面で日本は酷いことになる      でしょう。 Oヽ41 脱原発、自然代替干不ルギーを理想とすると、そ の実現可能性はどれぐらいありますか?   A 短期的に見れば、脱原発と言いながら、     ジリジリ引き延ばす人だちとのせめぎ     合いになるでしょう。     これは、マスコミがどっちにつくか、      フェアに報道するか、で経過時間が大      きく変わるでしょう。     同時に、自然代替干不ルギーの発電設備      コストが著しく低下してきて、蓄電技  術も向上し、個人だけでなく、中小企  業や小さな集団での導入が続々はじま  るのが望ましいでしょう。 また、国家としてはメタンバイトレート  の実用化を急ピッチで進めると思いま  す。実際の実用化は、2020年代後  半になるでしょう。  長期的には、2040〜2050年の  実用化を目指して、二十一世紀の原子  力の代わりとなる巨大エネルギー、 ダークマター(川221)などの異次元エネ ルギーが本格的に見えてくるでしょう。 これは、ヒッグス粒子(川201)の発見次 第だと思います。 現在、スイスのCERN(川241)が巨大 加速装置を使って、ヒッグス粒子の発 見を急いでいますが、僕はこれに替わ り凌駕する施設を福島に作るべきだと 思います。今回の福島原発事故の失敗 を、大きくプラスに変えられるのは、 巨大加速装置を使ったヒッグス粒子の 発見しかないと思いますし、次世代エ ネルギーの中心のひとつになるからで す。ただし、このエネルギーの使い方 を間違えると、100年後200年後 に、今回の福島を超える大惨事が、ま た世界のどこかで起きるでしょう。下 手をすると、I立方センチで日本が消 滅しますから。このエネルギーの善し 悪しに関する論議ももっと必要ですが、  30年後に他国に押し付けられるのであ  れば、日本が率先して開発と正しい活  用をすべきだと思います。 この実験は、世界的に見ていまはまだ日  本人の学者が優位であり、また、予算  から言ったらまったく動かない高速増  殖炉「もんじゆ」にかけたお金より、  よっぽど安くできるでしょうからね。 Q42 世界は、混迷する日本のいまの状況をどう見てい ますか?   A ギ透明。     そしてビジョンがなく古い。 O、43 国もだめ、地方自治体もだめとなった場合、。個 人”としてできることはなんですか?   A 勿論可能性は徹底的に追求したほうが      いいと思いますが、政府や地方自治体  に個人が完全に依存するのはあまりに  も危険だということは、311以後の  状況でわかったことも多いと思うと、  前述しました。ですので、個人個人で  考え方や生活を変えるしかありません。  それは、個人の価値観を変えることか  らはじまります。大変とは、大きな変  化を指し示す、と僕はよく言います。 変化の目的は、どんな状況にも対応でき  る柔軟な姿勢を通じ、個人のリスクを  減らすためと、より楽しく良い生活の  ため、のふたつです。総じて、その危  機回避も自立して行える集合体が新  生・日本を作ることにつながると、僕  はずっと考えています。 簡単に言えば、自分のことは、もっと白  分で考えていくしかない、そして早め  に生活や考え方を変えれば、そのほう  が安心できて楽しいのではないか、と  いうことになります。 ここまでをもう一度、現在の問題から今  後の展望を考えるために、組織や価値  観の変化についてお話したいと思いま  す。 通信業界の変化を例にとるとわかりやす  いと思いますが、はじめは独占的中央  集権システムからはじまります。かつ  ての逓信省から電電公社、そしてNT Tになり、その後自由競争となって、 外資も含め各社が固定電話通信、携帯 電話通信に参加しました。これが、今 日の姿です。今後、さらに突き進める と、ハンズオーバー機能を持ったIP ベースのスマートフォンが登場し認可 されれば、特定地域の広域公共無線L ANのようなサービスで、自由競争下 の携帯電話キャリア会社そのものが、 あまり必要なくなるのです。いまなら スカイプと・IPhoneの組み合わせ で、どこでも無料電話が使えることを イメージするといいでしょう。 そうすると、大切なのは広域無線LA Nや、自作の携帯電話やアプリを提供 する地域共同体や小さな集団と、そこ に出入りする個人、ということになり ます。「中央集権」から「白由競争」を 経て、「地域共同体や小さな集団と、そ こに出入りする個人」へと集合体が変  わるのです。「独占、寡占」から「分  散」を経て、「共有、シェア」の時代に  なっていくのです。 この動きが、今後電力やマスメディアま  で、あらゆる独占、寡占の業界に変化  をもたらすでしょう。 なぜなら、中央集権は古いシステムで、  お金がかかりすぎるからです。ですの  で、増税のような議論にいつもなるの  は、古いシステムを維持するためなの です。そして、自由競争は、中央集権 システムを壊すためや過渡期にはいい のですが、行きすぎたグローバル化の 問題を浮上させることにもつながりま す。 日本は、政府も電力もマスメディアも 前近代的な「中央集権」「独占、寡占」 の古いままの体質であり、今後はその 勢力が「自由競争」と競争している間 に、個人個人は「地域共同体や小さな  集団と、そこに出入りする個人」の  「共有、シェア」へのパラダイムシフト  −  T荅)を一気に進めるしか遅れを取旦戻  す方法はありません。 また、いまは個人個人が価値観を抜本的  に見直す良い機会でもあるはずです。  もし、電力が十分満足いくほどの供給  態勢が整ったとして、再び戻ったネオ  ンギラギラの街並を、どのように思う  か、ということです。そこに違和感を 感じる人は、ライフスタイルを見直し、 あたらしい価値観を追求すべきでしよ そして、この日本人の世界に誇れるあ たらしい感性をチャンスと思い、ビジ ネスにしなければいけません。エネル ギーに関して言えば、20年かけて、ス マートグリッド時代を睨んだ次世代E V車や個別発電テクノロジーを包括し たジャパンーアズーニューナンバーワ ンの一翼を担う産業に育てるべきです。 そのお手本作りが急務だと思います。 そして、そのお手本作りは経団連企業 からは出てこないでしょう。宣]の復興 は、震災だけを指すのではなく、日本 式システムの崩壊からの復興であり、 その後あたらしい日本がはじまるで しよう。すべては、個人が変えていく、 あたらしいライフスタイルからはじま ると思います。 Q44 「ジヤパンーアズーニューナンバーワン」の時代 に向け、個人個人はどのように見直すべきでしょうか?   A このあたらしい囗本による「ナンバー      ワン」とは、経済だけを指しません。      世界に誇れるあたらしいライフスタイ      ルを意味します。いままで、モノを      買ったり、ほとんど金利かつかない貯      蓄をしてきたお金の使い方を、「分散」      や「共有」することに振り分けるべき  です。例えばですが、賃貸でも購入で  も首都圏の不動産コストを減らして、  水源に近い田舎の不動産にコストをか  けたり、モノに使っていたお金を移動  コストに変えたり、預金の何分の一か  を発電装置にあてたり、各々のライフ  スタイルの中で、考えられることは  いっぱいあるはずです。 都会で各々が「節電」だけをするのでは なく、田舎で何人かで「発電」してみ るような発想も併せ持つようなことだ と思います。週末の家庭菜園の、エネ ルギー版と言えばいいのかもしれませ ん。そこからの技術蓄積は、次の囗本 の財産になるでしょう。 発電と言うと大げさかもしれませんが、 携帯電話用の小さな太陽光パネルから 個人ではじめて、共同ではじめる大型 の風力発電機まで、各々のライフスタ     イルとコストに合ったことをすればい     いのです。そして、これは費用対効果     だけでなく、危機管理にもあたり、な     により誰かとなにかを共有することや     次のライフスタイルの価値観を得られ     ると思います。これが大事でしょう。 Oヽ45 ご白身が発電をしている中で、お感じになった問 題点を教えてください。 A 数年前から、沖縄の西表島に仲問たち   と風力で電力を作りはじめました。そ   こで一体どれくらいの電力ができて、   一体どれくらい使って、一体いくらで   売れるのだろうか?と思って、ホーム   メイドエナジーをばしめたのです。実   際にやってみていろいろわかったこと   は、余った電気を売ることが一番難し   い、ということでした。  まあ、小さい電力をチョコチョコ買って いたら地域電力会社が面倒くさがる気 持ちもわかりますが、一番の大きな壁 は地域電力会社の言う「前例がない」 という日本式システムそのもので、と にかく品質に問題がなくても余った電 力は、あらゆる口実をつけて買っても らえず、結局無理に発電量を上げずに。 できた電力はカフェなどを併設して自 分たちだけですべてを使うようにした のです。西表島で個人レベルで風力発      電所をやる前例など、あるわけがない      ですよ。やってみると、本当にいろい      ろわかってくるものです。 Oヽ46 個人で発電をしても、現状だと「売電」できない ようですが、その問題を解決する手だてはありますか?   A これは前述しましたが、法整備されて、      国が買い取り価格を長期高値固定にす      れば一気に中規模発電システムは普及 するでしょう。ドイツなどが良い例で、 銀行金利や長期国債より、国のソー ラーからの長期買い取り保証のほうが 高利だったので、ドイツ国民は預金よ リソーラーの設置を選び、一気に普及 しました。 また、スマートグリッド、結果的な電 力発電売電自由制度が一般的になれば、 大きく変わるでしょう。それが、世界 のトレントですからね。おわかりだと 思いますが、これは干不ルギーの問題 ではなく、日本式システムの問題なの です。再度繰り返しますが、この国難 に、国家がソーラー発電の長期買い取 り保証をしようとするのか、増税しよ うとするのか、で日本と日本人の未来 は、大きく異なるでしょう。これは電 力に限ったことではありませんが、「独 占」から「分散」「共有」が、二十一吐 紀のキーワードになるでしょうから。 また、現在「売電」に問題がある間は、 自分たちの分は可能な限り自分たちで 発電する気概が大事だと思います。こ れはやってみるとわかりますが、日々 僕らが使う電気の使用量はかなりの量 で、結果、すべてを個人では発電でき ないでしょう。しかし、可能な限り自 分たちでエネルギーを作ってみること は、少しでも政府や東電に依存しない 気持ちであり、それこそが「できるこ     と」のはずです。これを僕は「干不ル     ギー自炊」と呼んでいます。 Oヽ47 干不ルギー自炊ではすべてを賄いきれない、との ことですが、不足した「電力」はどうしたらいいですか?   A ライフスタイルを変えて、少しでも電     力を使わない生活に変えることです。     それは、道徳的意味、経済的意味の他     に、過剰ではなくスマートやソリッド、 コンパクトな生活、国に依存しないと いった二十一世紀の考え方になると思 います。前著でも書きましたが、「室内 で夜」といういままでの囗本のトレン トは、「屋外で昼」に変わるでしょう。 原発は、実は過剰な電力を作り、その 分夜の街が明るくなり、電力を消費さ せていました。そのせいで、星が光害 により見えなくなるだけでなく、植物 がストレスで生態系までおかしくなっ ているのです。インテリアが華美な個 室でディナーより、ランチや自宅に招 くことの重要性が相対的に上がると思 います。音楽ライブが、ライブハウス より屋外フェスに中心が移ったように。 カッコいい悪いで言えば、「室内で夜」 はカッコ悪く、電気を無駄に使うこと は本当の駄目な見本になり、さらに、 電気だけでなく「余剰」のようなもの、 例えば必要のないコレクションや、過 剰に大きな屋敷は、カッコ悪い時代に なっていくでしょう。目指すべき社会 は、少し不便だけど楽しい礼会、適切 なサイズを持った生活ということにな るでしょう。 SURVIVA」 GO(){}XOOJ ソーラーパネル  「干不ルギーを自炊する」と決めたら、一番はじめはソー ラーパネルからはじめるといいと思います。ポヶツトに入 る携帯電話用の小型のモノから、自宅の屋根の上に設置す る本格的なものまで多種多様あり、なかでも手軽で実用的 なのが、丸めたり折ったりできるフィルムータイプのソー ラーパネルです。  実際、携帯のストラップぐらいのソーラーは、ほとんど 使い物になりません。ソーラーは、パネル面積と発電量の かけ算で、おおよその出力量が決まりますが、あまりに小 さなものはオモチャと割り切ったほうがいいでしょう。  お勧めは、充電池がチャージできて、USBアウトなど の出力がついているタイプ。バックパックや自転車などに も装着可能。日中は太陽光で充電池にチャージができて、 太陽が沈んだ夜間や室内では、充電池から電源を取ればい つでも使えます。携帯電話や・IPodの予備バッテリーと しても機能します。  また、USBなどの出力があれば、携帯電話から・IPh one/・IPadの他、ゲーム機にデジカメ、USBライ トや扇風機、カイロと幅広い活用、応用ができます。  そして、さらにソーラー上級者は、アメリカ軍用のソー ラーパネルがお勧めです。広げると2畳ほどの大きさにな る折りたたみパネルは、出力55Wでコンピュータも充電 可能。リチウムイオンバッテリーと併用すると、効果も倍 増します。  個人で手軽にできるソーラーパネル発電は、小さいもの からでもはじめてみることが大事で、一体日々自分はどれ くらいの電力を使っていて、そのためには、これくらいの ことをしなくてはいけない、とわかるきっかけになるので す。 Q48 孑孑ルギー自炊をしたくても、個人で発電をでき る人は限られていると思いますが?   A その通りです。今後重要だと思われる     クラスターは、個人でもなく、地域や     国家でもなく、ある程度信頼がおける     人だちとの小さな集団であり、そこで     の「共有」という概念です。友人同士     で作る小さな村を想像するとわかりや     すいと思います。そこで「発電」シス     テムなどを共有すればいいのです。僕     は常々インターネットで起きたことは     実社会でも起きる、と話しています。     ネットの中にある緩やかなコミュニ     テイで、数人の管理者がいるような、     常にテンポラリーな共同体が生まれる     ことでしょう。 Oヽ49 数人の管理者の下のテンポラリーな共同体という のは、例えば、60年代のコミューンのようなものでしよ うか?   A 違います。まず、閉ざされていません。     田舎である必要もありません。また、     強固な思想も持ち合わせていません。     もっと流動的で人々も出入りし、そこ     でずっと暮らす必要はありません。前     述した「第三の土地」のような場所で     あり、各々がいくつかの場所を持って     いて、そのうちのひとつです。週末の  ヴァーチャルーヴィレッジのようなも  のです。ここで「危機管理」や「エネ  ルギー」、時には子供たちや若い人たち  と「教育」や「学習」を共有する必要  があると思います。 また、スマートグリッドが実現したら、  やがてはひとつの場所に集まる必要も  なくなります。各々が別の場所に住み  ながらも、信頼する仲間同士で中規模  の発電システムを持つようなことが可      能になるでしょう。それは、今日のイ      ンターネットとサーバーの関係と似て      いると思います。 O、50 週末の。ヴァーチャルーヴィレッジ的場所”を持 つことによって、解決される問題はどんなことなのでしょ うか?   A 近代社会の問題のひとつは、中央集権      とそれとは真逆の作用で作られた核家 族化やモノの個人化です。コンピュー タの普及以降、特にモバイルが一般化 してから、より一層モノの個人化が強 くなりました。例えば、ミネラル ウオーターを買うにも、小さなペット ボトルを皆がパラパラで買います。飲 料メーカーは、そのほうが儲かります し、小売店もそのほうが儲かりますが、 もはや前近代的仕組みです。これはあ くまでも例えですが、良い湧き水のそ ばに実際の週末だけのヴァーチャルー ヴィレッジを作って、そこの誰かが巨 大なウオーターサーバータンクに湧き 水を貯めて分けて、そこで暮らす。 人々は都会に戻る時に、それをペット ボトルに入れて持ち帰ります。すなわ ち、個人化・核家族化と、共有を前提 にした、国でも地方自治体でもないサ イズのコミュニティを行き来するよう なことだと思います。物理的にも精神      的にも機能的にも。 Oヽ51 新しい共有コミュニティを、物理的、精神的、機 能的に成立させうる条件とはなんですか?   A 共産システムではないので、各々が      しっかり確立していることです。お互      いに依存しすぎてはいけません。助け      合うことと、助けてもらうことは、大      きく違うのです。 Q52 簡単に言うと、ヴァーチャルーヴィレッジといま までの家の二重生活のようなものでしょうか?   A 二重生活ではなく、ライフスタイルの      「分散」を意味します。住む場所も、で      きれば仕事も二地点以上でふたつ以上      の仕事をすることを、ずっと勧めてい      ます。僕はこれを「ハイブリッド」と      呼んでいます。東京で営業職のサラ      リーマンをやり、週末だけ農業でも力  メラマンでも作家でも電カマンでも構  いませんし、明確に仕事を分けづらい、  オンラインでなにかを販売するような  ことでもいいかもしれません。やって  みることが大切だと思います。 僕はいまから5年ほど前に出版した自著  でハイブリッドのライフスタイルを以  下のように定義しています。 1.ひとつのことにこだわりすぎず、可  能性があるふたつのことを並行して進  めるやわらかい発想を持つこと。 2.組み合わせ可能なものを探したり、  組み合わせるのがうまい職業の人を評  価し、観察し、まねてみること。 3.実際に、何と何とを組み合わせると  可能性や楽しみが広がるかを、自分な  りに試してみること。 4.マルチスペシャリストを目指し、ふ  たつ以上の分野でスペシャリストにな  るためにどうしたらいいか徹底的に挑  戦すること。 5.生活時間帯を見直し、住む場所を見  直し、自分なりのバランスポイントを  早急に探し出すこと。 この変化の時代に、誰よりも素早く大胆  に変わること。変化に受動的でなく、  能動的で挑戦的かつ楽しく柔軟である  こと、が大事なのです。 同じように、干不ルギーも電力会社から  購入する場合もあれば、白分たちで  「干不ルギー自炊」もする、できる限  リハイブリッド化するのがいいでしよ 食物も同じで、スーパーやコンビニで購  入するのと、自作や目の届く範囲から  入手するようなことができれば、なお  良いと思います。 このような提案は、お金がかかると思わ  れますが、しっかり計画すればお金は  かかりません。むしろ、コストリスク  を分散できるのです。実際、利便性が  少し悪ければ、安い土地はかなりあり  ます。それより、ライフスタイルを変  える自分自身の決断のようなものが、  最大の障害になるでしょう。それは二  十世紀との決別を意味するだろうから。 また、このハイブリッドとは、個人のラ      イフスタイルだけを指さなくなりまし      た。先日、スイスの製薬会社を買収し      たばかりの武田薬品は、「今後は海外      と日本の2本社制度もありうる」と      言っています。日本的な企業が次々に      変化し、ハイブリッド化するでしょう。 Oヽ53 実際に、高城さんご白身は二地点以上で暮らして いますよね? A 僕の場合は、もっとシンプルかつ極端   です。前作『私の名前は高城剛。住所   不定、職業不明。』というタイトルにあ   るように、決まった拠点を持っていま   せん。数年前に、あらゆる資産を処分   し、スーツケース4つだけの暮らしに   しました。そして東京を離れ、欧州や   オーストラリアに移り住みながら暮ら   しています。   シンプルに生きるというより、コンパ      クトに生きる、というかモバイルに生      きる、ということだと思います。イン      ターネットのように生きている、と言      えるかもしれません。 Oヽ54 数年前からそのような生き方を実践しはじめたの は、今回の震災や原発事故の可能性を予期していたように 見えますが。   A 震災は確実に予期することはできませ  んが、はじめに申し上げたように二十  一世紀に入り太平洋プレートの大型地  震が頻繁に起こっているので、囗本に  そろそろ来てもおかしくない、とここ  数年思って自著で警告していました。  また、原発は福島と浜岡に問題がある  ことは、世界の常識でした。保険の引  き受け手がいないことからも、明らか  です。 さらに、世界経済や政治的情勢も二十一     世紀に入り、明らかにおかしくなりま     した。それは、2001年の同時多発     テロにはじまりました。     これも何度かお話をしていますが、ど     の匪紀も、はじめの10年は匪紀の乗り     換えの10年です。問題などが表面化す     るのは、10年たってから、すなわち     2011年からなのです。 Oヽ55 それを見通したからこそ、資産を処分し、住所不 定として生きているのですか?   A その通りです。2007年に資産の9     割を処分し、友人だちと風力発電など     をはじめました。     このような危機に備え、仕事のために     移動しながら生活するスタイルは、僕     だけが言っているわけではなく、ヨー     ロツパーの頭脳を持つと言われる     ジヤツクーアタリ(勺頌)も、同じよう  に言っています。彼は、あたらしい二  十一世紀の移動貴族を「ハイパーノマ  ド」と呼んでいます。アメリカの経営  学者ロバート・E・ケリー(肩)は  「ゴールドカラー」と呼んでいます。ど  こかに長期的に住むことはいつでもで  きますからね。 今後は世界維新期に入り、情勢が複雑に  なり、地球は地殻変動期に入るのです。  そして囗本のシステムは旧式のままで す。民族大移動もはじまるでしよう。 職業や食べ物や水、安全性を求めて。 SURVIVA」 GO(){}S 006 SKINS  防寒着と言えば、ダウンジャケットのようヘビーデュー ティなアウターを考えますが、実は肌と衣服の隙間の空間 がもっとも体温を奪い、動きを悪くする原因を作ります。  このSKINSは、本来、コンプレッションインナーと 呼ばれ、身体に圧をかけ、パフォーマンスアップと疲労回 復に用いられるインナーウェアです。勿論、肌にピタッと しているので、抜群の防寒性を誇りますが、発汗作用も高 い素材であり、圧力に関しては科学的な研究を重要視し、 競技で着用が禁じられていても隠れてまで着るアスリート が多い商品です。  また「着るマッサージ」とも呼ばれ、サバイバル時のス トレス回復に大いに役立ちます。  いろいろなスポーツ種目に合わせたタイプがありますが、 お勧めはアウトドア/(イキングのロングスリーブの上下 セパレートタイプです。ちなみに、個人的な趣味ではあり ますが、自を買ってしまうと、体にピタッとしているだけ あって人に見られるとかなり恥ずかしいので、できれば黒 の購入をお勧めしています。  機能性抜群のインナーウェアであり、携帯にも便利なの で、重ね着対応で逃げがきくアウターの前に、このイン ナーを装備するのが、体温を逃がさない秘訣になるでしよ Q56 世界維新期を迎えて、個人は、どのように生きれ ばいいのでしょうか?   A ライフスタイルを、できるだけ「分散」      するのと、「水・食料」「干不ルギー」      「外交」「娯楽」に関しては、個人で人      手する手段を確保することや、信頼で      きる仲間だちと共有するのがいいで      しよう。 Q57 ひとつひとつについて、もう少し詳しく教えてい ただけますか? まず「水・食料」を個人で入手するため にはどうしたらいいでしょうか?   A お金がある間の日本は、世界から安全      な食料を買えますが、今後は正直わか      りません。なにしろ、40年後には地球      の人口は卯億人を突破しますからね。      食料価格が上がるのは、明らかなこと      です。また、なにかあればすぐに買い  占めがはじまるのは、もうご存知だと  思います。ですので、日本は有事には  I週間で信じられない部分的インフレ  になるのです。 原発と同じで、日本の経済七食料危機も  政府が言う「問題ない」というのを、  どこまで信じるかでしよう。 また、さらなる安全な食べ物、という観  点も重要視しなければならないでしよ  う。情報そのものが信頼性を欠く時代  になっていくでしょうから。 先はどの。第三の土地”と呼ばれるよう  な場所で食物を作ってみるか、目の届  く範囲の場所から入手できることを心  がけるべきです。すべてが難しくても、  可能な限りの量からはじめて、少しず  つ増やしていくべきです。そうすると、  いろいろなことがわかります。適正な  食べ物の値段や作り方など。なにしろ、  都心の野菜や魚の値段のほとんどは、  不動産代と流通コストですからね。 また、発電のパートのところでも話しま  したが、自分の生活のための電気を使  う量を減らしたように、食べる量を減  らすこともいいと思います。先進国の  人間は飽食だ、と言われていますが、  100年前まで人類は一日二食でした。  それを三食にしたのは、トーマスーエ  ジソンです。自分で発明したトース  ターで、朝ごはんを食べてもらうため  に。 ですので、本来人間の体は、一日二食で  いいようにできているのです。ここ  100年で人間の身長や手足が3割増  した事実はありませんし、肉体労働が  増えたとは言えません。 もう一度言いますが、これから40年で 地球上の人類は90億人を超えます。絶 対的な食料不足になるのは間違いあり ません。日本が豊かだった時代は、海 外からなんでも買えましたが、今後は わからないのです。少なくとも、「いま まで安全」だと思っていたものは、個 人的に鵜呑みにせずに、できるだけ納 得いくまで精査したほうがいいと思い ます。食料危機の前に、食料による事 故や事件も増えるでしょう。そして、 部分的なインフレになるでしょう。マ クロの量は30年後にはいまより極端に 増えることはないと思いますが、紙幣  はパンパン印刷して増え、人類も増え  るでしょうからね。 水に関して言えば、我が国は幸いにも豊  富な水源を持っています。ヨーロッパ  から高い流通コストをかけて、高いコ  ンビニの不動産代金を払って、高い広  告費を間接的に支払って購入する必要  は一切ありません。いつもとは言いま  せんが、自分で水を汲む可能性を追求  すべきです。都心からでも車で二時間  も走れば、そのような場所はいくつか  あります。それを知っているかどうか、  だと思います。大小様々な水筒は流行  ると思いますよ、都会のオシヤレなイ  ンテリアのレストラン以上に。 今後、世界は水のコストが跳ね上がって  いくと思われます。水や食料を巡った  紛争が起きるのは間違いないでしょう。  また、ソ連崩壊時に多くの国民の飢餓 を救ったダーチヤ(ごうと呼ばれる施 設は参考になると思います。ソ連の 人々は誰でも、ダーチヤと呼ばれる簡 易別荘と小さな菜園を備えた場所を 持っていました。豪華絢爛な別荘から 掘建て小屋まで様々なタイプがありま すが、多くの国民がこれを所有してい たおかげで、国がおかしなことになり 食料が行き渡らなかった時に、この自 給農園で助かった人がかなりいます。     僕もかなりの数のダーチャを実際に     回って研究をしました。 Oヽ58 「孑孑ルギー」にはどうやってアプローチします か?   A まず、持ち運べる小さなサイズのソー     ラーパネルからやってみることをお勧     めします。携帯電話用の小型タイプか     ら、キャンプ用の中型、そして余力が あれば米軍使用のパネルとバージョン アップしていくのがいいと思います。 自分でやってみると、いったいどれく らいの時間がかかって、どれくらいの 機器を充電できるのか、実感できます。 携帯用のLEDライトなども装備する といいでしょう。蓄電と放電の目安と して、一番わかりやすいと思います。 続いては、信頼できる仲間と中型発電 にトライするといいと思います。ソー ラー以外にコジェネ三291)などのガス タービンもいいと思います。小型水力 や風力も場所を選びますが、十分効果 はあります。機材費以外に設置にお金 がかかるのに注意です。特に台風の多 い地域は、気をつける必要があります。 考え方を変えれば、風力などは台風が くれば発電量は増えるのですが。 このようなシステムと小さな農園を備 えた場所を「オーガニックシェルター」     と僕は呼んでいます。 Oヽ59 「外交」に関しては?   A 政治経済に限らず、干不ルギーすらも     外交能力が問われる昨今であり、また     一国だけで物事を考える時代ではあり     ません。国家だけでなく、これからは     個人も外交能力が問われる時代に、い     よいよなってきます。 わかりやすく言えば、海外にも仲間を増  やしておくことです。極端ですが、移  住の可能性だけでも早めに追求したほ  うがいいと思いますよ。それは、地震  や原発ということより、経済的に日本  がおかしくなった時に、有効だからで  す。考えられない規模のリストラも起  きるでしよう。 その場合に重要なのは、英語とコン  ピュータです。中国であろうと、南米  であろうと、英語ができれば最低限の  コミュニケーションは保つことができ  ます。TOEICなどの得点も大切で  すが、伝えるためのお作法のようなこ  とが一層大切なのは言うまでもありま  せん。日本人同士でも、話が面白くな  ければ聞く気になりませんので。 また、海外で仕事をする、できる、可能  性の追求も大事でしょう。 例えば、上海のデジタル写真のレタッチ の仕事があったとします。これは。 スーパーのレジ打ちより、言語能力が 求められません。また、コンピュータ の知識もさほど重要ではありませんが、 根気や緇かさば要求される、日本人に はもってこいの仕事のひとつです。で すので、上海でフォトショップのレ タッチャーは、大して英語も中国語も 能力が必要とされず、その募集の時に、 その職を狙うタイ人の前に、仕事を取  れるかどうか、が重要なわけです。そ  して、上海のクライアントに日本人の  優秀さをみせつけ、さらに次席に次の  日本人をドンドン招いて、外貨を稼ぎ  日本を支援すべきです。このようなこ  とが、実は世界中で起きているのです。  それは各々の国内で取り合いしていて  も、仕方がないからです。 このように、個人でドンドン外交するし  かありません。     どこでも、働いてやる、生き抜いてやる、      という気骨が大事だと思います。この      ような可能性の追求だけは、早いに越      したことはありません。 Oヽ60 今後、あらゆる職業の日本人が、海外で仕事をす ることをもっと追求すべきでしょうか?   A 寿司職人のような囗本のお家芸ならま      だしも、ロックギタリストなら、世界 を目指さないといけない時代にいると 言えます。なぜなら、もはや日本だけ では、なかなか活路が開けない時代に なってくるのと、世界の情報を入手し 判断する力をつけることが、自分のポ ジションを世界の中で知ることにとっ て重要だからです。これは、日本の サッカー選手や野球選手などを見ても 明らかです。サラリーマンも今後は海 外転職が当たり前の時代になるでしよ      う。いまや、L・lnkedln(川川)      のような世界中の人の履歴書が並ぶビ      ジネスに特化したSNSも当たり前に      なってきました。時代に合ったチャン      スは活用すべきでしょう。 Oヽ61 海外で仕事をする上で、語学以外に大切なことは なんでしようか?   A 国際感覚だと思います。 世界の情報を入手し、こちらからも発信  するために、英語とコンピュータを徹  底的に理解する必要があるのは、お話  しました。もう少し言えば、大切なの  は語学というよりは、国際感覚に近い  ものかもしれません。 この国際感覚の重要な要件は、YES、  NOをはっきり言うことではなく、Y  ES、NOもしくは「まだ、わからな  い」をハッキリ言うことです。「まだ、 わからない」を言う場合は、「いつに なれば、YES、NOを言える」や 「こんな情報があれば、YES、NO を言える」などの前提をあわせて言え ばいいと思います。当たり前ですが、 すべてその場でYES、NOを明確に 言う必要はありません。いまの日本の 問題が「いつまでたってもハッキリし ないこと」であるとするならば、日本 人が「いつまでたってもハッキリしな  い人」だと思われているからです。明  確なビジョンを提示し、その責任を持  つ姿勢が大事なのです。 そうしないと、置いて行かれてしまうの  が、国際感覚なのです。 現在のように政府に危機対策や国際感覚  がないのであれば、個人が危機対策や  国際感覚を持つしかないのです。そし  て、それは実は世界の常識なのです。 また、国際感覚やグローバリゼーション     は、すべてを国際化することではなく、     自分の中で国際化するものを明確化す     るので、逆に、自国のアイデンティ     ティを強く考えるようになる機会でも     あるのです。 O、62 「医療」に関してはいかがでしょうか?   A 医療の前に、まず予防です。そのため     には、自分の体質をちゃんと理解する ことです。一般的に「体にいい」と言 われるものが、全員にあてはまるとは 限りません。これは、情報を鵜呑みに する危険なことのひとつだと思います。 ですので、方法は問いませんが、自分 の体質を徹底的に知ること、健康管理 と可能な限りの予防、できれば身体と 医学の最低限の知識を持つことも大事 だと思います。 よく代替医療一辺倒な方をお見かけし     ますが、緊急時に対応できる最先端テ     クノロジー医療と、予防と根幹療法で     ある太古からの代替医療のハイブリッ     ドを、僕はお勧めします。 O、63 「娯楽」については、いかがでしょうか?   A これは、実はとても大事なことです。     1929年の世界恐慌の時も、ハリ     ウッドが大躍進しました。不況や大変  な時こそ、人々は娯楽を求めたいもの  です。 緊張感高まる中、リラックスしたほうが  いいので。僕は持ち運べるように、・I  Padに漫画500冊、書籍500冊、  ハードディスクに映画1000本、楽  曲1万曲を入れて持ち歩いています。 しかし、ただの娯楽の物語は、あまり必  要ではなくなるでしょう。現実が物語  を凌駕してしまうから。また、ネット  の中の現実とも非現実とも言えない瞹  眛な物語が日々を取り巻くことになる  から。ですので、ドキュメンタリーや、  史実をもとにした物語は流行ると思い  ます。 また、なにかを楽しむということは、生  き甲斐のひとつになります。そうしな  いと、変な宗教にハマる人も多いで  しよう。 SURVIVA」 GO(){}S 007 1Pad  ・IPadをはじめとする近年のタブレットは、災害時に コミュニケーションや情報取得ツールとして威力を発揮す るだけではありません。これは、究極の娯楽ツールです。  音楽や映画などはもとより、僕は漫画500冊以上を・I Padに取り込んでいます。世界と比べて大きく遅れてい る日本の電子書籍市場には、漫画がとても少なく、購入す る機会はなかなかありませんが、自分で本屋でコミックを 購入し、自分で裁断しデジタルスキャンして、あらゆる書 籍を最近では「勝手に電子化」しています。  様々な元気が出る漫画をタップリ詰め込んでいます。 持っている漫画の数が、お手持ちのタブレットの容量を遥 かに上回るようならば、ドロップボックスなどのグラウト サービスを利用して、自分図書館をインターネット上に作 り、どこでもダウンロードできるようにするのがいいで しよ‘つ。  また、このような使い方は漫画に限らず、あらゆる重要 書類をデジタル化し、・IPadに入れておくことが大事だ と思います。契約書から連絡網まで、考えつく限りの書類 を早めにデジタル化しておくに限ります。ちなみに、僕は 人間ドックのデータを、必ずデジタル化して・IPadに入 れておくようにしています。 Q64 宗教は、いままで以上に入信する人が増えると思 いますか?   A 思います。入信時のコストのハードル     が低いですし、割と信頼している人か     らの誘いも増えるでしょう。外資とい     うより、海外のカルト宗教も、この機     に囗本にやってくるでしょう。     ニューエイジな思想も増えると思います。      根本的なところで、多くの人が意識改     革をするでしょうから。これは、善し     悪しではありません。そうなります。    また、これもずっと話していますが、     「哲学」のようなものが大流行になる     でしょう。人間とはなんなのか、正し     いことはなんなのか、を考える機会が     増えることになると思います。 O、65 宗教や哲学など精神的なものに注目が集まる時代 に、なにを大切にすべきでしょうか?   A 畏怖の念を持って、自然を大叨にすべ      きたということが、いまの教えだと思      います。 Oヽ66 なぜ自然を大切にし、ふれあう時間を増やす必要 があるのでしょうか?   A 都会に住んでいると、何時にどこから      太陽が昇って、何時にどこに沈むか、 をまったく考えない人が多くいます。 冷暖房完備の家や高層ビルで、地下鉄 で移動していたら、考えなくなるで しょう。それらを作ったのが二十世紀 なのです。都会の真ん中でいつもより 低く飛ぶ鳥を見て、気圧が低くなって いるとは、まず考えないでしょう。 二十世紀頂点の都市は、ニューヨークで  す。およそ100年前に急速に発展し  たマンハッタンの摩天楼は、わずかな 面積の小さい島に信じられないほどの 高層ビルを並べて、世界中を驚かせま した。当時の未来都市の誕生です。そ の背景は、エレベータの登場、いわゆ る電気に支えられたインフラがあって のことでした。100年前に登場した 新都市マンハッタンが、いまでも世界 の中心的役割のひとつを担っています。 それは、いま申し上げた電気と、 ウォール街の二十世紀金融工学で成立  しているのです。 続いて、二十世紀後半になると、東京や  香港、シンガポールなどに摩天楼が立  ちはじめました。このアジアの摩天楼  がニューヨークのそれとは大きく異な  る点は、エアコンが完備してる、とい  うことです。特に香港やシンガポール  が、ここ数年、国際競争カランキング  で上位を占められるのは、金融工学と  いうより高層ビルのエアコンあっての  ことなのです。東南アジアでエアコン  がない高層ビルなど、成立しませんか  らね。当然、インフラは電気です。ア  ジアの金融工学は、ニューヨークのコ  ピーにしか過ぎません。 このような二十世紀を代表する都市は、  あまりに自然と距離がありすぎる、も  しくは不自然な中で日常を過ごしてい  る人たちで縊れかえっています。思考  も不自然になりがちです。 一方、シリコンバレーはとても興味深 い成り立ちです。まだコンピュータ産 業が黎明期だった70年代のアメリカは、 最悪でした。泥沼化したベトナム戦争、 ニクソンショックという事実上の経済 システムの崩壊、そしてスリーマイル 島の原発事故などです。そして、この 問題はそれまでの「既存の米国式シス テム」(東部エスタブリッシュメント官 僚主義)だと考える人たちが多くいま  した。この「米国式システム」に嫌気  がさした人たちは、東部や首都と離れ  た自然の多いカリフォルニア北部に移  り住み、次世代を考えたのです。 そして、そこから自然との共生や自己の  内的探査(ニューエイジ運動など)を  経て生まれたのが、シリコンバレー、  いわば情報産業なのです。 だからいまも、東部の影響が強いシアト  ルに拠点があるマイクロソフトのビ  ルーゲイツが、小型原発に熱心なのに  対して、シリコンバレーのグーグルが、  太陽光や風力発電、さらにはスマート  グリッドに投資するのがよく理解でき  るのです。もしシリコンバレーで原発  を開発しようとしたら、ご近所のじい  さん(シリコンバレーの始祖たち)が、  許さないでしょうからね。 東京も含めて大都市の中で暮らす人々は、     もう一度「自然とはなにか?」を、     もっと深く考えねばなりません。実は     これが日本の次の産業の光となる道だ     と個人的に考えています。    そして、いまがその時だと思います。結     果、人間とは自然の中のひとつの存在     であるということが、もっとわかるで     しよう。 O、67 なにか、自然を考える機会を持つための良いアイ デアはありますか?   A 僕が日々考える機会として導入してい     るのは、太陰太陽暦です。現在、世界     で使われているカレンダーは、太陽暦     です。実は日本は、江戸時代まで太陰     太陽暦を使っていました。それを明治     政府がお金がなくて支払いが苦しい時     に、公務員の支払いをひと月分ごまか     すために、急遽導入したのが太陽暦で  す。 太陰太陽暦は、月の満ち欠けに沿ってお  り、四方を海に囲われた島国日本では、  大変大切だと思っています。先日の津  波の際、あまり話題になりませんでし  たが、あとI週間ちよっと遅かったら  大潮なので、きっとさらなる大惨事を  招いたと思います。今日が小潮か大潮  か都会で気にしている人は、滅多にい  ませんね。 この太陰太陽暦は、より自然に近い暦で  あり、農業にも適した暦なのです。ル  ドルフーシュタイナーは、これをさら  に進めてバイオダイナミック農法を提  唱しました。 ですので、一般的な太陽暦であるグレゴ  リー暦と、各々が選んだ暦のふたつの  カレンダーで生きるようなことが、い  まの時代必要だと思います。 Q68 文明と自然は、衝突するものでしょうか?   A 文明と自然が衝突するのではありませ     ん。自然に対して敬意を払わない人類     と自然が衝突するのです。 Oヽ69 生活を近代前に戻す必要があると考えますか?   A まったく思いません。現代のテクノロ     ジーを持って、人間がバランスを取る     必要があるのです。 Oヽ70 人類は滅ぶと思いますか?   A それはわかりませんが、いまのまま、     自然とのバランスが悪いままなら、悪     い方向に行くことは、間違いありませ     ん。 O、71 最後に「二十一世紀の生き方」を教えてください。 A 一番大切なことは、変化を恐れない心   と決断の速度でしょう。そして、自分   の直感力を信じて、個人でしっかりと   した大きなビジョンを持つことだと思   います。  モノや仕組みなどの他者に依存するのは、   よくありません。そのために、徹底的   に自己との対話をしなければなりませ   ん。  自分が本当にしたいことは、なんなの  か? 自分にとって本当に大切で必要  なものは、なんなのか? そして自分  とは、なんなのか? これをいかに早  くどこまで追求できるか、だと思いま  す。 もはやなにが真実であるのか、が問題で  はありません。人の物語はさておき、  自分の物語を、迷わず進めるかどうか、  です。 まずは、徹底的な自己との対話なのです。 ちゃんと向き合えていれば、その中から、  必ず解答が見えるのです。 過去半世紀近くは、日本人にとって戦争  も恐慌もなく、なんとなく生きていく  ことが可能だった時代でした。 他の大と同じように振る舞い、他の人の  目を気にしながら、わずかな差を競っ  ていれば、あまり深く物事を考えなく  ていい時代だったのです。社会が問題  をはらんでいても、それが自分の目の  前に来ない限り、黙っていれば、自分  が叩かれることもなく、安全でした。  システムに対してなにか行動したりし  て叩かれるより、ネットなどで適当に  ガス抜きをしていればよかったのです。  すなわち、多くの人が自分を含めて、  問題を先送りにしてきたのです。 しかし、これからは違います。 誰もが直面したことがないような危機が  目の前に訪れることになるでしょう。  その時に、ちゃんと現実を受け止めら  れる人と、いつまでも他人や仕組みに  依存する人に分かれていくでしょう。  ですので、誰になにを言われようと、  強い個を持たねばなりません。自分と  しっかり向き合わねばならないのです。 本当にこのままでいいのか? なにか違  う生き方があるのではないか? 違う  価値観を見つけられるのではないか?  と何年も考えて、先行きの見えない社  会で暮らすより、大変でも自身の変化  を恐れず、あらゆる問題に真摯に取り  組み、むしろ大変な時こそ、楽しくい  こう!と決めるべきなのです。 当たり前ですが、この本をお読みの皆さ  んは、世界に一人しかいないのです。  どこかの誰かと同じようなカッコや考  え方をする必要はありません。 他人に誤解されることを、恐れてはいけ  ません。もはや、すべての人に理解さ  れようと思ってもいけません。  とにかく一刻も早く「出る杭になれ?・」  ということです。  これは、国際社会では極めて当たり前  の話で、だから個人の自由が尊重され、  同時に責任も明確化されているのです。  どこかに置いてきた個人の白由と責任  を各々がもうコ炭取り戻さればなりま  せん。 そして、依存せず確立した個を持ち、そ  の上で信頼にたる仲間を増やさねばな  りません。 その信頼にたる仲間は、SNSのような  稀薄な関係ではなく、本当のご縁のよ  うなものなんだと思います。だからこ  そ、その縁を見逃さないために、自分  としっかり対話できているかが問われ  るのです。そして気をつけねばならな  いのは、個の確立の前に「つながり」  を重視すると、相互依存や自分探しに  陥りがちです。他人とのつながりで、  個を形成しよう、自分を探そうとする  のです。 だから今後は、「つながること」をまず  重視した相互依存した集団と、確立し  た個人の集団の、似たようで非なる集  団に惑わされることにもなるでしょう。 前者は、実は深層で古い既存の価値観や  ルールに執着しており、目の前で起き  ている現実の一部だけを取り上げ、自  分たちの偏った世界を作り上げる病的  なポジティブさを持っています。現実  を冷静に見ずに、皆で励まし合い、無  理に明るく振るまうこの病的ポジティ  ブが、サブプライム危機を引き起こし  たことは、いまは一般的に言われるよ  うになりました。 一方、後者は現実を素直に受け入れ、あ  たらしい価値観とルールをはじめるよ  うな人々なのです。そして、確立した  個人の集合は、いままでにないアイデ  アをなにより大切にしていこうとする  柔らかい人たちです。「つながる」の  は他者ではなく、自分の心だとわかっ  ている人たちです。 また物理的にも経済的にも、これからは  国籍がある国と住む国と働く国と遊ぶ  国が一緒である必要はありません。ふ  たつの場所、ふたつの職業、ふたつの  考え方。僕はこれを、ハイブリッドな  ライフスタイルと呼びました。 本来、バランス、調和がいまの時代が目  指すべきものであるはずなのに、実際  はアンバランスで不調和のまま問題が  次々発生している時代に僕らは生きて  いるということになると思います。エ  ネルギーや環境問題、経済に至る多く  のことは、とてもアンバランスなので  す。いまにも倒れそうな危険なほどに。 特にいまでも、国家は無理に無理を重ね  てまだまだ経済的成長をしようとして  います。それが、なによりもアンバラ  ンスなことで、今後問題が生じ次々表  面化することでしょう。 だから、個人は、経済的成長を無理にす  べきか、再考しなければなりません。  むしろこの機に余剰なもの、過剰なも  のを見直し、コンパクトに生きるよう  にしなくてはいけないのです。いまこ  そ、見直す時期なのです。今後、なに  かあっても、柔軟にいられるように。 だから、アンバランスの時代の上で、個  人が柔らかにバランスを取る必要があ  るのです。 また、俯瞰的に世界の中の自分のポジ  ションを見直すと、個人、共有された  個人、家族や小さな集団、地域、国家、  提携国家、世界といった複数のレイ  ヤーに分かれて、そのレイヤーを素早  く行き来して生きねばならないことが  わかるでしょう。 そしてそれらのレイヤーは、デジタル形  成されることもあるし、移動すること  もあるし、並行する場合もあるし、緩  やかな提携のような場合もあります。 提携国家とは、EUのようなものを指す  場合もありますし、善くも悪くも日本  とアメリカのような見えづらい関係の  場合もあると思います。TPPなども  含まれます。このレイヤーが多ければ  多いほど、リスクは減り、楽しくなる  のです。変化の時代に、誰よりも素早  く大胆に変わること。変化に受動では  なく能動的で、挑戦的かつ楽しく柔軟  であることなのです。  このように生活はハイブリッドで多面  的になりますが、一番大切だと僕が考  えていることは、二十吐紀に分断させ  られていた頭と心、右脳と左脳を統合  することです。 なぜなら、いまの社会はどこか間違って  いる、と思っていても、その狭間をご  まかすために物欲などで満たしてきて、  右脳と左脳を分断していたからです。  心や直感のようなものと、頭で考え抜  いた効率性の追求の狭間を、物欲や適  当な娯楽、本当はいらない情報などで  埋めてごまかしていたからです。 今後の社会はこのふたつの衝突がますま  す激しくなるでしょう。だから個人は、  右でも左でもなく、この統合にこそ二  十一世紀を生き抜く鍵があると僕は思  います。 外的なものは、分散を経て共有へ。  内的なものは、統合されるべきなので  す。 二十世紀の自分と決別して。 それが、二十一世紀の生き方なんだと思  います。 り111月カレルーヴアンーウォルフレン オランダ出身のジャーナリスト。その著書『人間を幸福にしない日木と いうシステム』では、薬害エイズ事件を起こした厚生省(当時)を批判 するなど、日木の問題点を浮き彫りにしている。 − *2 クラスター 英語で二戸の意味。転じて、集団、集まりとして用いられる。 − *3 メタンバイトレート メタンを水分子が取り囲んだ結晶体のこと。石油、石炭に比べ、二酸化 炭素排出量がおよそ半分。大陸周辺の海底に分布している。 − *4 ナオミークライン カナダ人ジャーナリスト。著書『ブランドなんか、いらない』では、世 界的企業のブランドが発展途上国からの搾取によって成立していること を痛烈に批判し、反グローバリゼーション運動の火付け役ともなった。 − 環太平洋戦略的経済連携協定のこと。加盟すれば、原則としてすべての 品目から関税をなくすことが原則であるため、特に国内農業への影響が 危惧されている。 − *6 ノームーチョムスキー アメリカのI.昌語学者、思想家。『すばらしきアメリカ帝国』では、アメリ 力こそが。ならず者国家”だとI.一日及するなど、現代アメリカの外交政策 を批判し続けている。アメリカの良心气 − *フ クレムリン ロシア連邦の大統領府や大統領官邸がある。ソ連共産党の中枢が置かれ たことから、ソ連共産党の別名でもあった。現代でも、ロシアの中枢で ある。 − *8 コントラクター 請負者のこと。ゼネラルーコントラクター、つまリゼネコンは総合請負 者。 − Federal Comヨ目ications Commission.アメリカの連邦通信委員会のこと。 アメリカの放送通信事業の監督を行う、政府機関。 伺珀ソブリンファンド 主権国家資産ファンド。口本では、政府系ファンドと称される。アラブ 首長国連邦のアブダビ投資庁は、世界最大規模のソブリンファンド。 伺皿「パンとサーカス」 食料と娯楽だけが与えられる状態、愚民政策の例え。 川璢山県有朋 日本陸軍の基礎を築き、国軍の父、日本軍閥の祖とも称される。 筒袖ING銀行 アムステルダムに本社がある。世界50力国以上で、銀行、保険、資産運 用などを手がける総合金融機関。 筒袖パクスーブリタニカ パクス=平和、ブリタニカ=イギリスの。産業革命によって得た経済力、 軍事力によってイギリスが覇権を握り、世界のず和を維持していた時期 を指す。 川画グリーンニューディール政策 かつてウォール街大暴落と世界恐慌の時に、ルーズベルト大統領が提一。昌 した社会・経済提一。昌の現代版。広域には地球温暖化、金融危機、石油資 源枯渇に対する一連の提一。昌、政策のことを指す。あらだな環境事業に投 資することで、雇用を創出。匪界中へと広まりつつある。 同四レー丁リーフェンシュタール ベルリンオリンピックを映した『オリンピア』、ナチス党大会を記録した 『意志の勝利』などの映画が、ナチスドイツのプロパガンダに利用された。 同月マルコーニ通信システム ノーベル物理学賞を受賞したグリェルモーマルコーニが開発した、無線 電信のこと。 川個バイダー オーストリア自由党元党首。極右政治家として知られていた。2008 年、飲酒運転による交通事故で急死。享年58歳たった。 川四インバウンド 人ってくる、内向きの、という意。海外から凵本へ来る観光客のこと。 一寸一四LCC 」ow Cost Carrier格安航空会社のこと。 一寸一則オフコン オフィスコンピュータのこと。 伺割ダークマター 暗黒物質のこと。星と星との間にある物質のうち、光学的には観測でき ないとされる物質。ただし、仮説上の存在のため、存在の有無さえわ かっていない。 伺四ヒッグス粒子 素粒子の多くは質量を持っているが、その質量の起源と考えられている のがヒッグス粒子。アインシュタインも、その存在を生涯探し続けたと 一。盲われている「神の粒子」。ただし、まだ発見されていない。 伺割CERN 欧州原子核研究機構のこと。世界最大規模の素粒子物理学研究所。LH C(陽子コライダーと呼ばれる実験装置)での、ヒッグス粒子発見が期 待されている。 伺徊パラダイムシフト 社会全休の認識、価値観が大きく変化すること。 川徊ジヤックーアタリ フランスの経済学者、思想家。ソ連崩壊、金融バブルなどを予見した ヨーロッパ最高の知性。フランスの国家戦略にも影響を与える存在であ る。 伺個ロバート・E・ケリー その著書に『ゴールドカラー〜ビジネスを動かす新人類たち』、『9つの 黄金則小さな行動で最大の成果をあげる成功者の秘密』など。 り一個ダーチヤ 簡易別荘と家庭菜園のことを指す。ソ連時代には希望者に供給されてい た。(イパーインフレ時期には、保存食なども自ら作る、生活のための 最後の砦でもあった。 一寸−個コジ子孑 コジ手不レーションのこと。内燃機関の排熱を利用して、孑孑ルギー効 率を高めること。排出される熱だけでなく、二酸化炭素も有効活用する 孑孑ルギーシステムを、トリジ手不レーションという。 りL癩一L・lnkedln リンクトイン。ビジネスに特化したSNS。ネットワーク内で求人や商 談を行うことができる。日本語対応はしていない。 あとがき  本書は、前作同様、マガジン(ウスの鉄尾周       一さん、原田和美さん、そしてデザイナーの鈴      木成一さんに大変お世話になりました。       また、書き下ろしが大半ですが、一部はウェ      ブマガジン『『ニカム』の僕のブログやインタ      ビューに加筆し、質問事項を含め、鈴木哲也編      集長にお世話になりました。皆々様にこの場を      借りまして、御礼申し上げます。       いまから6万5000年前、人類は一度絶滅      の危機に瀕したことがある。人類が生まれたと 言われるアフリカで、環境の変化や食物不足、 自然災害などで、人口がわずか2000〜 3000人に激減してしまったのだ。その時、 わずか100人前後の大たちが、紅海を越え、 はじめてアフリカから旅に出た。言うまでもな く、この100人前後の大たちが、今日の70 億人近い人類の始祖だとされている。  マーケティング用語で、イノベーターと呼ば れる大たちがいる。これは、スタンフォード大 学のロジャース教授が提唱した概念であり、市 場のわずか2・5%の人たちのことを指し、果 敢に新商品を買う挑戦的で変化を恐れない人た ちのことを言う。続いて、このイノベーターの 人たちに引っ張られるようについて行くのが、 アーリーアダプターと呼ばれる人たちで、その 数は、およそ13・5%。先のイノベーターの 人たち2・5%と合わせて16%のシェアを取 ると、一気に事やモノが動くとされている。い わゆる、時代が動くのである。  僕はいままで、より多くの人になにかを伝え たいと思ってメッセージを発信してきたつもり だ。しかし、これからは、自分の限りある時間 を使って、2・5%のイノベーターの中のさら に2・5%のイノベーターの人たち、すなわち 「イノベーター中のイノベーター」の人たち、 本当に感性が豊かで鋭敏な感覚を持つ人たちに 対してだけに、できるだけ密接に知恵や情報を 伝えていこうと思っている。きっと、この人た ちが次の日本を考え、作るだろうと僕は信じて いるし、また、機は十分に熟したからであり、 なにより、時代は思いのほか急いでいると感じ るからである。  本来前作の1年後に出版しようと思っていた この続編が、8か月も前倒ししなくてはいけな いほど、時代は急変した。 今後、時代はさらに大きく変わることだろう。  だから、もう紙の本だけを出していては間に 合わないのではないか、と思い、本書の発行と 合わせて急遽、「高城未来研究所」を設立した。 メールマガジン形式で近未来レポートを即時発 送し、また、限りある大だちとの具体的なQ& Aに、僕の多くの時間を使いたいと思っている。 僭越ながら、僕の「時代を生きる力」を、変化 の時代に少しでも早く、そして、より多くの人 の個別環境に合わせられるように、可能な限り 伝えたいと考えている。  詳細は、wmv.takashiro.com. futureをご覧いた だければ幸いである。  江戸末期、日本のシステムを憂い、脱藩した 者があたらしい日本を作った。人生に大きな変 化をもたらす自分の決断に、年齢も立場も一切 関係ない。  一身二生。二天一流。  デュアルライフにハイブリッド。  時は変われど、想いは変わらない。                  高城 剛 高城剛たかしろ・つよし 一九六四年東京・葛飾柴又生まれ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビ デオビエンナーレ」グランプリ受賞後、メディアを超えて横断的に活動。 主な映像作品に「evrybady goes-秩序のない現代にドロップキック/ Mr.Childrenj'「あなたに会えてよかった/小泉今凵了」、cM「テイジ ン」企業広告(Acc優秀賞)、連続テレビドラマに「バナナチップスラ ブ」、[アルファペットm]」。主な音楽活動として、2005年英国ベスト トラックの「Most precius loveyBlazeyDJ takashiro mixj' TBleeze 420remix/ 元気ロケッツ」。著書に『ヤバいぜつ’・デジタル日本』(集英社)、『「ひ きこもり国家」日本』(宝島社)、『オーガニック革命』(集英社)などが ある。また、インターネット上の架空都市「フランキーオンライン」で 米国チルドレンーインタラクティブEXPOグランプリ受賞。その他、 NIKE AIRMAX2、ソニーAIBOなど話題の商品の立ち上げを数多く 手がける。近年は、DJ/リミキサーとしても国際的に活躍し、ロンド ン、パリ、イビザ、台北、上海などでプレイ。自身も数多くのメディア に登場し、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージンー アトランティックなどの広告に出演。総務省情報通信審議会専門委員な ど公職雁任。2008年より、拠点を欧州へ転出し活動。現在、コミュ ニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわ たって活躍。ファッションTVシニアークリェイティブーディレクター も勤めている。最新刊は『私の名前は高城剛。住所不定、職業不明。』。 ブックデザイン鈴木成一デザイン室